タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『トリック2』

1/11〜 テレ朝系 金曜11時15分 期待度 ★★★★★

堤幸彦演出の文句なく面白い作品。
前作が好きだった人は当然見るだろうけど、
今作からでも見る価値はアリ。

主題歌は今回も鬼束ちひろ。
ただ「月光」じゃないんだよね。
それがちょっと残念。



『トリック2』 第1話(episode 1)

プロデュース:桑田潔、蒔田光治、山内章弘(東宝)
主題歌:「流星群」鬼束ちひろ
音楽:辻陽
演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治
制作:テレビ朝日、東宝
制作協力:オフィスクレッシェンド
出演:仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、前原一輝、野際陽子、
   大島蓉子、アベディン・モハメッド、他

オープニングの
卵の黄身の色が変わってるよ。
前は緑だったのに…
細かいなあ、相変わらず。

堤演出ではもう定番となった裏番組ネタも
冒頭の習字の文字で炸裂。
「なんどめだナウシカ」

初回放送日の11日は
日テレ系で「風の谷のナウシカ」をやってたからね。
しかも時間延長してたので
このドラマのスタートにかかってしまうという状況。
そこで野際陽子が生徒に、
「力強くね、ちょっと怒った感じで…」

こういう小ネタが気になり出すと
このドラマは何回でも繰り返して見てしまう。

全部書き出してるとキリがないからやめるけど、
もしビデオに撮ってある人は、
仲間由紀恵が旅館で見ていた
テレビの番組表なんかもスローでチェックしてみよう。
ワイドショーの内容紹介で
「NHK紅白・八百長で紅組全員丸刈り謝罪!」
などの文字も確認できる。

「ハンドク!!!」では堤幸彦が丸刈りになったからね。
去年は白組が勝ってしまったので
ギャグとしては切れ味がないところがまたいい。

とにかく、キャストも同じで
前作の雰囲気をそのまま継続できているのは大きい。
好き嫌いはあるだろうけど、
個人的には堤の世界をどっぷり楽しみたいと思う。

あ、そうそう、
この episode 1 のゲストには
「ハンドク!!!」に出てきた
み、み、み、美幸ちゃん(堀つかさ)も登場したね。
“お前、今回の方が可愛くないか?”(栗栖禎子風)

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第2話(episode 1)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

み、み、み、美幸ちゃんがもう死んじゃった!
そして、上田が活躍してる!

全体のテイストは変わってないけど、
謎解きの度合いが少し深くなってるから
上田にも科学的なことは解説させてるのかな。

今週は白木みのると
なぞはとべてすけた
がツボだった。

あと、犯人はこの中にいる!で、
犬もアップになるところ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第3話(episode 1・2)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

やっぱりブスネタはやったか。
わざと美佐子の顔を映してなかったから
怪しいとは思っていたけど…
これも堤演出の定番だね。

それにしても、episode 1 は、
洞窟の穴に再び落ちたところから
旅館で真相を暴く場面までが省略しすぎじゃないか?
矢部(生瀬勝久)たちが見ているから
もちろんあのままってことはないんだけど…。

いずれにしても謎解きが複雑になっているから
かえってムリな辻褄合わせが気になる。

まあ、他にも魅力がある作品だから
そんなに考えないで楽しもうか。

で、episode 2。
ネタとしては今度の方がトリックらしい。
奈緒子(仲間由紀恵)の大事なものって…
そりゃ米俵だろうなあ(笑)

印象的な小ネタは、
「石段、二段、三段、余談ですが…」と
矢部の携帯着メロが
episode 1 の六墓村手鞠唄になっていたところ。
ちなみにこの着メロは
公式HPからダウンロードできる(有料)
誰かダウンロードして
呪われてくれない?(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第4話(episode 2)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

ギャグがすべり始めるとツライな。
今回は半分以上すべった感じ。

箱を運び出したトラックが
夜逃げ屋本舗だったのも小ネタのつもりだろうけど
そんなに笑えるものじゃなかった。

最初に未来予知をしていた「鈴木吉子があなたに…」
というビデオの制作クレジットに、
オフィスクレッシェンド(堤幸彦が所属してる会社)
と標記されてたところや、
「ザワザワザワザワ」はちょっと笑えたけど。

それでも仲間由紀恵は面白い。
ていうか、山田奈緒子は面白い。
山田と上田のドラマだな、やっぱりこの作品は。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『トリック2』 第5話(episode 2)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

今週も小ネタはほとんど笑えなかったし、
最後のオチも予想通り米俵だったけど、
ストーリー全体のブラックな結末は面白かった。

そう思うと残念だったな。
上田(阿部寛)を普通に使って
笑いをきちんと取れていれば
かなりの名作になったかもしれないのに。

ところで、パート1の最終回って
鬼束ちひろが出てきて主題歌を歌ったんだよね。
プロモーションビデオも
たくさん撮っている堤幸彦だけあって、
なかなか格好いいエンディングだった。

今回も出てくれないかな、鬼束ちひろ。
もちろんバイクに2人乗りする映像で(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第6話(episode 3)

演出:木村ひさし
脚本:太田愛

episode 3 は堤演出ではなかった。
まあ、パート1も途中は他の人だったので別にいっか。
脚本も太田愛に替わったけど、
それはそれでちょっと楽しみだ。

まず冒頭から関ちゃん登場。
当然のように他局の「あいのり」ネタをやり、
ポエムまで披露した。

その後の言葉間違いシリーズも
あれだけ続けると面白くなる。
「シンガンソングライター」は
映像の間も良くて笑ってしまった。

深見(佐野史郎)のACAに
さりげなく「ハンドク!!!」のSMH(杉田玄白記念病院)
のロケ地を使い、
同じく堤演出作品の「サイコメトラーEIJI」
のパロディー(深見がサイ・トレイリングする表情など)
もやっていた。

脚本・演出が替わっても
小ネタは満載。
あとはどうトリックを暴くかだな。

やっぱりひとつの回の頭から
次の episode が始まった方が見やすい感じ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第7話(episode 3)

演出:木村ひさし
脚本:太田愛

トリック自体にやや強引さはあったけど
それはいつものことだから許そう。

それよりラストシーンの雰囲気が良かった。
こういう終わり方で鬼束ちひろが流れると
やたらかっこいい。

最初は「月光」じゃなくてちょっと残念だったけど
今はもう「流星群」がしっくりきてる。

ちなみに「流星群」も入っている
鬼束ちひろのセカンドアルバムは
3月6日発売。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第8話(episode 4)

演出:鬼頭理三
脚本:福田卓郎

これまた「トリック」らしいネタ。
そこにハリーポッターもちょっと混ぜたりして(笑)
(御告者の男の子の名前は針生光太)

山田(仲間由紀恵)・上田(阿部寛)と
矢部(生瀬勝久)のバランスは
これくらいが丁度いいんだよな。

それにしても、
女子大生の塚本(小橋めぐみ)が
上田の所へ相談をしにきた時は、
てっきり巨根ネタをやると思ったんだけどなあ。

やっぱり堤・蒔田コンビじゃなきゃ
そういう下品なことはしないんだね(笑)

今回は解決編がかなり楽しみだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『トリック2』 第9話(episode 4)

演出:鬼頭理三
脚本:福田卓郎

episode 4 も、
ラストのブラックな雰囲気は良かった。
ただ結局、笑顔がこぼれる会と
御告者たちの関係はたいして深くなく、
トリックと呼べるほどの謎解きもなかった。

まあ、いいんだけど。
パート1も後半は雰囲気の良さで
見てたようなもんだから。

ていうか、今さらだけど
トリックって単発向きの作品だよな。
秋に公開予定の映画を楽しみにしよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『トリック2』 第10話(episode 5)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

いよいよ堤演出の最終エピソード。
やっぱり里見(野際陽子)が絡んでくると
それだけで面白い感じがする。

今回、小ネタというにはあまりにもあからさまな
村さ来、白木屋、庄屋、養老乃瀧、
つぼ八、魚民、笑兵衛、やる気茶屋といった
居酒屋シリーズ。
自分が知らない居酒屋の名前も出てきたのかも、
と思うとなんだか悔しい(笑)

あと、やっぱり毛が伸びる森というからには
最後は矢部(生瀬勝久)に何か変化が起きるんだろうか。

いずれにしても最終回のラストカット、
山田(仲間由紀恵)と上田(阿部寛)の雰囲気が
どんな風に変化してるのか、
いや、変化しなくてもいいんだけど、
お似合いのカップルさ加減が今から楽しみだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)





『トリック2』 最終回(episode 5)

演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治

封筒を開けますよ、と言っておきながら
結局、開けない奈緒子(仲間由紀恵)。
奈緒子の言葉を真に受けて
封筒を開けてしまう上田(阿部寛)。
でもそこには、自分で奈緒子を探しに行け、
と言わんばかりの里見(野際陽子)からのメッセージが…。

ちなみに
頭を坊主にしなさいと言われている人の職業は何?
というクイズの答えは「警官(毛いかん)」
…と、最後に映った映画宣伝ポスターの
横に書かれていた。

残念ながら鬼束ちひろは出て来なかったけど、
いい雰囲気のラストだった。

ストーリーのトリック自体は
いつものように大したことはない。
でも最終回は面白かった方かも。

小ネタはやっぱり石野真子か。
若い人はたぶん分からない
「失恋記念日」と「狼なんか恐くない」を
本人に歌わせていた。

もちろん、村長の八名信夫は
青汁の「まずーい」を連発。

“文字には不思議な力があります”
と言っておきながら、里見が
水筒を片手に「有毒ガス危険!」と紙に書いたり、
奈緒子が上田に
「森でうんこをしてもみあげでふいた」
と書いた紙を持たせてみんなを蹴散らしたり…

やっぱりこういう小ネタなんだな、
この「トリック」の魅力は。

でも、黒門島の謎は明らかにならないまま。
映画、もしくはパート3に期待しよう。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.91(10点満点平均6)



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