タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『熱烈的中華飯店』 1/8〜

フジ系 水曜9時  期待度 ★★★☆☆

鈴木京香主演のグルメモノ。
豪華客船が舞台でコメディータッチになる模様。

最高の中華料理人「食王」の乗せないまま船が出航し、
残ったのは使えないスタッフばかり。
彼らが「食王」になりすまそうとして…。
みたいな話。

もうストーリーは想像できてしまうけど、
鈴木京香に期待したい。

共演は椎名桔平、二宮和也、瀬戸朝香、伊東四朗、
東幹久、石黒賢、勝村政信、高橋克実など。



『熱烈的中華飯店』  第1話

プロデュース:牧野正、瀧山麻土香
演出:鈴木雅之
脚本:林宏司
音楽:大島ミチル
主題歌:「Rainbow」Sowelu
制作:フジテレビ
出演:鈴木京香、二宮和也、椎名桔平、瀬戸朝香、石黒賢、勝村政信、
   東幹久、高橋克実、伊藤四朗、山田明郷、並樹史朗、他

出だしで「新春かくし芸大会」の
中国語劇を想像してしまうのは
日本人の性だな。

少なくともこの初回に関して言えば構成の失敗か。
食王を乗せ忘れるまでに30分はかけ過ぎた。
いや、30分かけるなら
もっと脚本も演出も練るべきだった。

最後のオチも卓球にするなら引っ張りすぎ。
あそこまで引っ張って卓球ではシラけてしまう。

オリジナリティーの無さは今さら言ってもしょうがないけど、
だったらもっと精度を上げないと苦しいだろうな。

次回で完成形を見せないとかなりツライかも。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『熱烈的中華飯店』  第2話

演出:鈴木雅之
脚本:林宏司

テンポ悪すぎ。
ていうか、30分の内容を
わざわざ1時間かけて放送した感じ。

笑いも効果的に取れているとは言い難いしな。
鈴木京香まで安く見えるから相当なものだ。

たぶんもう劇的に良くなることはないと思う。
ただ、厨房に集まった7人の得意技が
少しずつ明らかになっているので、
そこをうまく絡めてくれることに期待しよう。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『熱烈的中華飯店』  第3話

演出:木村達昭
脚本:林宏司

これで最終回にしていいんじゃないの?
みんな自分の力を発揮して
ひとつの料理が作れたんだし…。
でも続くんだよね、やっぱり(笑)

1話につき1品目でもいいけど、
もっとテンポを上げるのは急務。

話がダレるだけじゃなくて、
料理が冷めてマズそうなんだよ!

             採点  5.5(10点満点平均6)



『熱烈的中華飯店』  第4話

演出:成田岳
脚本:橋本裕志

今回は脚本が橋本裕志か。
演出も3番手が登場したし。

相変わらずテンポは遅いけど、
作りとしては悪くなかった。
少なくとも脚本は橋本裕志の方がいいな。

ただ、このまま毎回
ひとりひとりにスポットが当たっていくという
お決まりパターンは避けられそうにない。
最初からプロットに練りが足らないんだろうな。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『熱烈的中華飯店』  第5話

演出:鈴木雅之
脚本:林宏司

てっきり橋本裕志の脚本かと思ったら
メイン演出・脚本のセットだった。
やっと修正してくれたか。

みんないつの間に
あんな料理がうまくなったんだ、とか、
結局、食べ物を粗末にしなきゃ
この手のドラマは作れないのか、とか、
いろいろ不満もあるけど、
今までの中では一番良かった。

最低限、この雰囲気で作って欲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『熱烈的中華飯店』  第6話

演出:木村達彦
脚本:橋本裕志

橋本裕志の脚本だったけど…。
お客をテーブルで待たせたまま
裏でゴチャゴチャやる構成はもういいよ。

それに外の人間は本物の食王だと思ってるはずだから、
いくらストーリーを分かりやすくするためとはいえ
固いフカヒレを出したり
しょっぱいハムを出したりするのはヘンだと思うし。
あとツボの使い方もね…。

このドラマ自体がしょっぱい。

             採点  5.0(10点満点平均6)




『熱烈的中華飯店』  第7話

演出:成田岳
脚本:林宏司

成田岳の演出がいいのか?
とりあえず今までで一番良かった。

もう当然のように素人が
一流の料理を作るようになってしまったけど、
そういう矛盾を考えなければ安心して見られた。

結局、料理の出来はまったく関係なく、
そこにいる人間関係をコメディータッチで描いていれば
これくらいの水準で作れるんだよな。

本当のグルメモノにするなら
最初から設定にムリがあるわけだし。

今からでもいいから
この作りで最後までやって欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)





『熱烈的中華飯店』  第8話

演出:木村達昭
脚本:林宏司

ちょっと改善したかな、と思うと
またすぐ元に戻るんだよなあ。

テンポ悪すぎ、エピソード単純すぎ。
野口(勝村政信)が改心するところなんか
当たり前すぎてビックリした。

それにしてもずっと船の中にいるのに
何であのふたりは何回も横流ししてたんだろう。
船に乗る時か降りる時に
一回やればいいんじゃないの?
まあ、どうでもいいか、そんなこと。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『熱烈的中華飯店』  第9話

演出:成田岳
脚本:成田良美

「王様のレストラン」の7話と内容がかぶり過ぎ。
どうせなら陰で鈴木京香に
“坊や、お口が動いてませんよ”
とか言わせればよかったのに。

とりあえず橘(鈴木京香)が
自分自身の仕事に対する姿勢に悩み、
最終回へ、という展開に。

姿を消すっていう描写も
船の中なんだからピンと来なかったけど
まあ、最後はうまくまとめてくれると信じよう。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『熱烈的中華飯店』  最終話

演出:鈴木雅之
脚本:林宏司

最後までかったるいドラマだった。
鈴木雅之がメイン演出なのにここまで出来が悪かったのは
ある意味、不思議なくらい。
脚本も良くなかったけど、
メインプロデューサーに力がなかったということか。

とにかくエピソードの詰め込み方がゆるくて、
ほとんどの回が間延びしているようだった。

この最終回に関してもテンポが悪くて
感動的なシーンはすべて空回り。

これまで橘(鈴木京香)を
それほど中心人物として描いてなかったので、
最後にみんなが橘を中心に結束しても
まったく感情移入ができなかった。

唯一、好印象だったのは
奈々子(瀬戸朝香)のキャラクターくらい。
後半になってかなり立ってきて、
作品全体のいいアクセントになっていた。

それはそうとこのドラマ、
こんな内容でレシピ本とか出してるよ。
本の通りに作ると必ず冷めた料理ができるんだろうな(笑)

まあ、ひとことでまとめてしまえば
豪華なキャストを使った失敗作だった。

             採点  5.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  5.50(10点満点平均6)





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