タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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『ナイト ホスピタル 病院は眠らない』 10/14〜

日テレ系 月曜10時  期待度 ★★★☆☆

「ごくせん」に続き
日テレの仲間由紀恵主演ドラマ。

今度は夜間診療専門病院が舞台で
仲間は本来、病理医だけど
このナイトホスピタルに
飛ばされてくるところから物語は始まる。

基本的には主人公の成長物語っぽい。
あとはコメディーとシリアスのバランスによって
評価が変わりそう。

共演は竹中直人、高島礼子、今田耕司など。




『ナイトホスピタル』  第1夜

チーフプロデュース:藤井裕也
プロデュース:堀口良則、霜田一寿(ザ・ワークス)、池田禎子(ザ・ワークス)
演出:唐木希浩
脚本:江頭美智留
音楽:中村竜哉 CALLING OF A MIRACLE
主題歌:「DESTINY ROSE」布袋寅泰
制作:よみうりテレビ
制作協力:ザ・ワークス
出演:仲間由紀恵、高島礼子、田辺誠一、竹中直人、吹越満、ユンソナ、
   今田耕治、野村宏伸、関口知宏、岩崎杏里、三船美香、川津春、
   池田真紀、重田千穂子、池谷のぶえ、他

各シーンのベクトルがいろんな方を向いていて
前半は見ていて異常に落ち着かなかった。

最後になってやっと何をしたいのか分かってきて
予告編を見たら次回も見たくなったけど。

でもこのゴツゴツした感じは
ずっと無くならないだろうな、たぶん。

とりあえず次回を見てからだ。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『ナイトホスピタル』  第2夜

演出:唐木希浩
脚本:江頭美智留

今回は面白かった。
ただ、ひとつのネタを2回に分けたせいもあって
ちょっと間延びしてたな。
ムダなカットも多かったし。

気になったのは、
これも「サイコドクター」と同じような
ヒーロー物の匂いがすること。
同じ局で似た企画はマズイよなあ。

まあ、初回よりは
かなり希望が持てる作りだったので、
今後に期待しよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ナイトホスピタル』  第3夜

演出:市野龍一
脚本:江頭美智留

微妙な違いだけど、
今回はバランスが良かった。
演出は市野龍一の方がいいかもしれない。

いずれにしても
もう一話完結になると思うので
かなり見やすくなるはずだ。

大久保(高島礼子)と子供に関するエピソードは
徐々に出してくると思うけど、
大久保自体のキャラが今回でかなり表現されたので
それも全体的には見やすくなる要因になると思う。

まあ、脇役に関しては
もっと他の人もキャラを立てて欲しいんだけどね。
少しずつは前進してる。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ナイトホスピタル』  第4夜

演出:白川士
脚本:久松真一

あら、また逆戻りって感じ。
第1話と同じバラバラな演出だった。

脚本としても、
太ってしまう病気があるという情報、
そしてそれに麻紀(仲間由紀恵)が気がつく
というエピソードが
このドラマのメインになるはずなのに、
ダイエットに関する情緒的なネタが多すぎて
作品としてのテーマが曖昧だったし。

担当する演出家、脚本家によって
ずいぶん差が出るな、このドラマは。

それにしても今回のネタで
途中にダイエットサプリメントのCMを入れるのは
逆効果だと思うけどなあ。

このドラマに限らず、
営業も少しは作品の中身を考慮して
スポンサーと交渉して欲しい。

             採点  5.5(10点満点平均6)




『ナイトホスピタル』  第5夜

演出:唐木希浩
脚本:江頭美智留

最近、中途半端にハッピーエンドなモノも
多かったりするので、
こういう救いのない話もいい。

いや、完全に救いがないわけじゃないけど、
幸せを感じてる人は誰ひとりいないという意味で。

ただ、杉浦(野村宏伸)って
こういうキャラだったの?
とか、
東(田辺誠一)の代わりに来た医者を出す意味が
どこにあるの?
とか、
全編を通してのスマートさがないのは相変わらず。

麻紀(仲間由紀恵)が必至に蘇生を試みるシーンは良かった。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ナイトホスピタル』  第6夜

演出:前田和成
脚本:江頭美智留

仲間由紀恵、
ここでも貧乳ネタの餌食だよ(笑)

今回の話そのものは悪くなかった。
須賀健太は相変わらず可愛かったし。

ただ、やっぱり婦長(池谷のぶえ)は浮いてるよなあ。
面白いけどね。今回の
“明日は明日のカゼをひく。
 そんな人のために、オープン・ザ・ホスピタル!”
なんてとくに。

きっと強力にリーダーシップを取れる人がいないから
何となくスタッフのイメージがバラバラになるんだろうな。
このドラマだけに限った話じゃないけど。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ナイトホスピタル』  第7夜

演出:市野龍一
脚本:江頭美智留

このドラマは次から次へと
知らない病気を出してくるなあ。
帯状疱疹後神経痛か。
恐いな、水疱瘡から発展するなんて。

今回はアン(ユン・ソナ)親子のエピソードに、
次回以降に出てくるであろう
大久保(高島礼子)親子の話、
東(田辺誠一)の話もうまく絡めていた。

雑なところはまだあるけど
終盤に向けてかなりまとまってきた。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ナイトホスピタル』  第8夜

演出:白川士
脚本:江頭美智留

病理ではリアルに感じられなかった
患者の気持ちを
麻紀(仲間由紀恵)が知る、
という主旨で乳ガンを取り上げたんだろうけど、
このドラマの特性を考えると
かなりオリジナリティーに欠けた。

とは言っても、
内容は悪くなかった。
三船美佳をキャスティングしていた意味は
ちゃんとあったわけだし、
三船美佳と同室になったお母さんのシーンは
思わず泣けてきたし。

それにしても仲間由紀恵の
女優としての成長は著しいなあ。
「神様、もう少しだけ」で
人気歌手の役をやってた頃が懐かしい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ナイトホスピタル』  第9夜

演出:唐木希浩
脚本:江頭美智留

もう普通の病院ドラマ。
ナイトホスピタルである必要も、
麻紀(仲間由紀恵)が病理医である必要もまったくなし。
でも今回もストーリーの構成は丁寧だったと思う。

母親(高島礼子)が悩んで、考えて、
息子(須賀健太)の個性を尊重して、
息子自身の気持ちを優先して、
そして7年かけて人工内耳のオペを決意する。

生まれつき音を知らない子供の心情も
そういう子供を持った母親の気持ちも
かなり丁寧に描いていたと思う。

もちろんこれはあるひとつのケースであって、
母親の選択を避難する意見があってもいいと思うけど。

最後は東(田辺誠一)の難病か。
どうやってまとめるのかな。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ナイトホスピタル』  最終夜

演出:唐木希浩
脚本:江頭美智留

大久保(高島礼子)親子の話にしても
東(田辺誠一)の難病のエピソードにしても
みんなまともな描き方だったけど、
ドラマ全体としてはまとまりに欠けた印象があった。

結局、麻紀(仲間由紀恵)の成長物語だった、
と思えば作品の筋としては通る。
つまりナイトホスピタルにしたのは
ちょっと趣向を変えただけのこと。

麻紀が優秀な病理医だったという設定は
前半、かなり活かされていたけど、
これも後半は意味のないものになっていた。

杉浦(野村宏伸)やアン(ユンソナ)の扱いも
中途半端といえば中途半端。

作品全体の精度が上がらなかったのは
こうした細かい部分のいい加減さが
積み重なったものだと思う。

ま、そんなドラマは珍しくないけどね(笑)

仲間由紀恵はもう十分主役を張れる、
ということが確認できただけでも収穫はあった。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  6.45(10点満点平均6)




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