タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


『おとうさん』 10/13〜

TBS系 日曜9時  期待度 ★★★☆☆

八木康夫P、遊川和彦脚本、
主演が田村正和とくれば
「うちの子にかぎって…」「オヤジぃ。」
のトリオ。

今回、田村正和の娘たちは
飯島直子、中谷美紀、広末涼子、深田恭子
が演じる。

…もう反則。




『おとうさん』  第1話

プロデュース:八木康夫
演出:清弘誠
脚本:遊川和彦
主題歌:「クローバー」CUNE
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:田村正和、飯島直子、中谷美紀、広末涼子、深田恭子、森山良子、
   谷原章介、石塚英彦、塚本高史、国分太一、深江卓次、岡本麗、
   立原勇武、中丸新将、藤夏子、大鶴綾香、井上夏葉、大沼百合子、他

やっぱり豪華だなあ。
とくに広末涼子と深田恭子が並ぶと
スペシャル感がある。
でも中身はコテコテのホームドラマなんだよね。

田村正和は全然そば職人には見えないし、
何やっても同じだから新鮮味はまるでないんだけど、
この豪華な4姉妹と
古くさいホームドラマとのギャップが見どころかな。

でも全体的には
森山良子をキャスティングできたのが一番大きいと思う。

田村正和と共演した「男たちによろしく」は15年前。
「金曜日の妻たち」のパート3は17年前だ。
感慨深いな。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第2話

演出:清弘誠
脚本:遊川和彦

ストーリーそのものには
ほとんど興味が持てない。

ていうか、状況説明のためだけに
不自然に仏壇の前で独りごとを言うシーンや、
古くさいセット、薄っぺらい照明に
早くもオレはシラけているのかもしれない。

でも4姉妹の演技は
ただ豪華というだけでなく
見ていたい気はする。

ポジションとしては、
元気な優(飯島直子)、
しっかり者の晶(中谷美紀)よりも、
一見、明るいのに
姉妹に劣等感を抱いているまこと(広末涼子)や
末っ子なのに甘えるタイプではない
恵(深田恭子)の方が、
キャラクター作りは難しいと思う。
でもそこをうまく演じてるんだよな。

とくに第1話から
この第2話の途中までの広末涼子は
本当にうまいと思った。

最後は中谷美紀が持っていきそうな気もするけど、
この演技バトルは十分に見る価値アリだな。

ところで、東芝がスポンサーを降りたら
これでもかってくらい
田村正和がドコモの携帯を使ってるよ。

前の日曜劇場ではずっと使えなかったからね。
頑張って使いやすさをアピールしてください(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第3話

演出:片山修
脚本:遊川和彦

山口(国分太一)が恵(深田恭子)に
プロポーズまでした展開は良かった。
とりあえず今後に興味が湧いたし。

でもそれ以外はね。
何度も見てきたような話ばかりで。

士郎(田村正和)がまこと(広末涼子)に
病院で声をかけたところぐらいかな。
今回の見どころは。

まあ、そんなドラマということで。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第4話

演出:片山修
脚本:遊川和彦

山口(国分太一)が家に来るまでに
次から次へと違う人が来る展開は、
コテコテだけど今でも通用する面白さだと思う。
あと、珠子(森山良子)がお酒を飲んで豹変するところとか。

ただ、全体の古くさいホームドラマのテイストは
いかんともしがたいな。
もちろん、それを狙ってるのは分かるけど、
もう心から楽しめるわけじゃないし。

国分太一と谷原章介のキャラもいい感じなので
見どころはそれなりに多いんだけどねえ。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第5話

演出:清弘誠
脚本:遊川和彦

居酒屋でみんなが会ってしまうシーンは面白かった。
レジでしゃがむところとかね。

で、ヒデちゃん(塚本高史)はいい人なの?
最終的に4人の娘がみんな旅立ってしまうなら
いい人じゃないと困るんだけど。

「みゆき蕎麦」は士郎(田村正和)で終わり、
もありそうだし、
ヒデちゃんが継ぐというのもありそう。

まあ、そんなに興味も湧かないんだけどね(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第6話

演出:清弘誠
脚本:遊川和彦

あまりにもオーソドックスな
娘が家を出ていく展開。
でも、晶(中谷美紀)が士郎(田村正和)の後を追いながら
家の中のことをあれこれ説明していくシーンは良かったかな。

広末涼子はずっといい。
今回は「おたんこナース」とか言われて
かわいそうだったけど。

それにしても
広末涼子と深田恭子のパフィー、
飯島直子、中谷美紀も加わったモー娘。
このカラオケは豪華だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『おとうさん』  第7話

演出:佐々木雅之
脚本:遊川和彦

4人姉妹なので
話が散漫になるのは仕方ないとして、
まこと(広末涼子)が家に帰ろうとする
エピソードなどに今ひとつ深みがないんよなあ。
まあ、分かりやすいといえば分かりやすいけど。

今回もカラオケの選曲は面白かった。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『おとうさん』  第8話

演出:清弘誠一
脚本:遊川和彦

晶(中谷美紀)の結婚パーティーに
士郎(田村正和)が来るシーンや、
最後に優(飯島直子)が蕎麦を食べるシーンは
コテコテだけど良かった。

結局、こうしてひとりずつ
珠子(森山良子)に説得されるのかと思うと
何だかなあ、という感じだけど。

それにしてもドラマ全体を考えると
珠子の心情を今までほとんど描いてなかったのは
かなり致命的ではないだろうか。

アパートも引き払ってまで姿を消して
これ以上好きになってしまうと
士郎さんを困らせるって言われても、
全然感情移入できない。

部分的なシーンはいいところもあるけど
全体的な精度はやっぱり高くないな。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  第9話

演出:佐々木雅之
脚本:遊川和彦

真二(谷原章介)のキャラも
とことんフツーだなあ。

家族が恵(深田恭子)に
ピアノを弾く意味を教えるあたりも
シーンとしては良かったんだけど、
そのあとの恵のセリフが説明的で
どんどん感動が薄れちゃったし。

あと、ヒデちゃん(塚本高史)は
やっぱりいい人になっていくんだね。
これはどう考えても説得力に欠ける。

まあ、今回はおばちゃん(岡本麗)がMVPということで。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『おとうさん』  第10話

演出:清弘誠
脚本:遊川和彦

今までの中では、
今回のお墓での士郎(田村正和)と
珠ちゃん(森山良子)のシーンが一番良かった。
ていうか、やっと田村正和が光った。

やっぱり全体をコメディーテイストにするにしても
士郎と珠子の大人の恋愛を
きちんと描いておくべきだったんだよなあ。
そこに子供たちを絡ませる方がよかった。

って、それじゃこの4人の女優を使う意味がないか。

まあ、子供がメインでもいいけど、
肝心なセリフがちっとも良くないんだよな。

今回も恵(深田恭子)と次郎(国分太一)の関係は
うまく納めたと思うけど、
空港でのセリフは全然グッとこなかったし。

そこら中に綻びがあるぞ、今さらだけど。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『おとうさん』  最終話

演出:清弘誠
脚本:遊川和彦

金八じゃないんだから
ひとりひとりに言葉を贈らなくても…。
まあ、こんなもんか。

結局、娘が4人と多かったせいもあって
珠子(森山良子)と進藤家の関わりが物足りなく、
士郎(田村正和)と珠子が結婚しても
それほど感動的にはならなかった。

晶(中谷美紀)が店を継ぐのはいいとして
間に結婚、離婚まで入れたのもかえって紛らわしかったし。

ヒデちゃん(塚本高史)を放ったらかしにしたのは良かった。
良かったっていうか、
最悪の展開にはならなかったっていう意味だけど。

うーん、飯島直子、中谷美紀、
広末涼子、深田恭子が歌って踊るモー娘。を見られた、
それだけでいいんじゃない?このドラマは(笑)

             採点  5.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  6.41(10点満点平均6)





[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]