タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー
第101話「ツーハンマンの恋、実る!」
7〜9月期の連ドラもほとんど終了した。
残るは「ナース」だけ。このクールが始まった時、
6勝2敗6引き分けか?と書いたけど、
4勝3敗7引き分けに訂正します。詳細は後日。
でも「ツーハンマン」はもちろん勝ち組(笑)
『こちら本池上署』 第1〜11話
プロデュース:森下和清、橋本孝
原案:「警察署長」(講談社KCコミック)
たかもちげん、やぶうちゆうき、高原泉
演出:脇田時三、山内宗信、黒沢淳、池澤辰也
脚本:横田与志
主題歌:「涙のいろ」藤木直人
出演:高嶋政伸、水野真紀、金子賢、野波麻帆、橋爪功、佐藤B作、
知念里奈、ベンガル、田口浩正、池内万作、もたいまさこ、
伊原剛志、星由里子、加護亜依、伊藤榮子、田辺伸之助、
大竹周作、岡本竜汰、比留間由哲、他高嶋政伸、水野真紀という
かなり危険なキャスティングだったので
毎回のレビューはしてなかったけど、
想像していたよりはるかに良かった。もちろん水野真紀の演技は
相変わらずしょっぱかった。
ただ、主役の啓介を演じた高嶋政伸が
昼行灯と呼ばれる警察署長役をうまく演じたと思う。スタイルとしては
オーソドックスな人情刑事モノで
新鮮さはなかったけど、
脇役にバランスのいい人選をしたのが
ひとつの勝因だと思う。モーニング娘。からは、
レギュラーの加護だけでなく、
保田圭や高橋愛がゲスト出演。そつなくこなしてはいたけど、
保田圭にはもう少しシリアスな
ドラマに挑戦して欲しい気がする。来年4月からの続編もすでに決まっている模様。
堅苦しくないドラマを見たい人にはオススメかも。採点 6.5(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★☆☆☆
配役 ★★★☆☆
主題歌 ★★☆☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★★☆☆
『ナースのお仕事4』 第12話
演出:平井秀樹
脚本:金子ありさ翔子(松下由樹)が
訪問看護に興味を持つ展開はいい。
ただ、その描き方が説明的すぎた。その割に前半は相も変わらず
車椅子やストレッチャーがぶつかって
患者でも何でもかまわず廊下に放り出すという
ワンパターンの笑いの取り方。困ったもんだな。
最終回は2時間20分スペシャルだって。
ながっ!採点 6.0(10点満点平均6)
『天体観測』 最終話
演出:西谷弘
脚本:秦建日子、渡辺千穂お約束の展開なので
何も言うことはないんだけど、
普通に見ると
天文台を焼く理由に感情移入しにくかった。友也(坂口憲二)がひとりで旅立つ経過も
ほとんどカットされて唐突だったし。七重(長谷川京子)も
あそこまでメンバーに入ってくるには
エピソードが少なすぎてムリがあったな。結局、このドラマは、
普遍的なテーマを
とくに新しい切り口を作らず、
かなり確信犯的に描いた作品だった。それはそれでかまわないけど、
だったらもっと印象的なセリフが必要だった。
決めゼリフのほとんどが浮いて聞こえてしまったのは
かなり致命的だったと思う。それでも7話の伊藤英明、
後半の小西真奈美、オダギリジョーは
いい演技を見せた。どうせシンプルなストーリーにするなら
もっと役者を活かすような作りも
可能だったような気がして
それが残念だった。このドラマは見る世代によって
ずいぶん印象が違っていたと思う。本来、こういう普遍的なテーマを扱った作品は
どの世代が見ても共感できなくては意味がないんだけど、
そうならなかったのが一番の問題だったかもしれない。やっぱり表面的なスタイルまで
ありきたりにしてしまったのが
一番の失敗だったかな。ラストの有里(小西真奈美)のカットは美しかった。
採点 6.5(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★★☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★☆☆☆☆
話題性 ★★★☆☆平均採点 6.63(10点満点平均6)
『ショムニ FINAL』 最終話
演出:土方政人
脚本:橋本裕志最後に社員全員が集まるシーンは
ちょっとクサイ感じもしたけど、
ショムニのメンバーが
解散になっても何とも思ってなかったり、
最後の最後まで20人21脚をやりたいという
個人的な楽しみのために頑張ってる姿勢が良かった。会社で働いていても
自分たちが楽しまなくちゃダメ、
という基本姿勢が貫かれていたのは立派だと思う。主要メンバーが足並みを揃えて
カメラに向かって歩き出す
ラストカットも象徴的で良かったし。でも、水戸黄門的偉大なるマンネリズムを
守ってきた「ショムニ」も、
やっぱりここが潮時かもしれない。「ナースのお仕事」のような醜態を晒す前に
きちんとファイナルにするべきだと思う。最高のチームだったショムニーズ、
そして戸田菜穂、
海外事業部のメンバーには
心からお疲れさまと言いたい。採点 7.0(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★☆☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★★☆☆平均採点 6.92(10点満点平均6)
『恋愛偏差値』 第三章 彼女の嫌いな彼女 最終話
演出:久保田哲史
脚本:坂元裕二前半、ビデオ撮りに失敗した(泣)
4話で完結なのに
30分も見逃したら作品について語る資格はないな。とりあえずこの第三章に関しては
坂元裕二の書くセリフにさすがだな、
と思う部分が多かったのと、
財前直見と柴咲コウの掛け合いが
心地よかったのが印象的だった。この「恋愛偏差値」の3話構成の企画自体は
盛り沢山な楽しみ方ができて良かったと思う。
ただ、3話の順番は入れ換えた方が
もっと視聴率が取れたような気がする。第一章はさすがに男からすると
ひく内容だったし。別のテーマのオムニバスドラマも見てみたい。
採点 ──(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★★☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★★★☆
話題性 ★★★☆☆平均採点 6.64(10点満点平均6)
『ツーハンマン』 最終回
演出:土方政人
脚本:鈴木聡最後まで丁寧な脚本だった。
最終回のストーリーは意外性がないし、
TVの生放送中に愛の告白をするというのも
ムチャクチャな展開なんだけど、
それをすべて丁寧な脚本でフォローしていた。生放送中の告白というシーンに関して言えば、
その後の社長の番組進行をきちんと描いて
視聴者から苦情が来てることも示していたし、
普通ならおざなりになってしまう
中途半端になった商品の紹介もちゃんとやっていた。これをやるとやらないでは大違い。
あそこまでフォローしてくれれば
ありえない公共の電波を使った告白も許せる。ジミー(中村俊介)のお母さん(草村礼子)が
たとえ覆面をしていても自分の息子だと最初から分かっていた、
というワンカットも粋で良かったし。それにしてもこのドラマ、
中村俊介のキャラクターも良かったけど、
何と言っても草刈正雄だろうな、MVPは。社長の役が草刈正雄じゃなかったら
このドラマの雰囲気は作れなかったと思う。
もう見事としか言いようがない。若干、中だるみがあったのも事実だけど、
同じ金曜日に「いらなつ」という硬質のラブストーリーと
「ツーハンマン」という質の高いラブコメディーが見られたのは
本当に幸せだった。もし再放送があったら
絶対に見て欲しい一作だ。採点 7.5(10点満点平均6)
脚本 ★★★★☆
演出 ★★★★☆
配役 ★★★★☆
主題歌 ★★★★☆
音楽 ★★★★☆
新鮮さ ★★★☆☆
話題性 ★★☆☆☆平均採点 7.14(10点満点平均6)
『ロッカーのハナコさん』 第4週 北浦華子 悩む!(第13〜16回)
演出:真鍋斎
脚本:戸田山雅司国分佐智子がメインだったからか、
演出家が代わったからか、
格段に面白くなった。やっぱり演出の影響は大だろうな。
細かいところでしっかり笑いが取れていたから
理子(国分佐智子)のせつない恋心が
効果的に描かれていた。厳密に言えば華子さん(ともさかりえ)は今週も
仕事に関するアドバイスはほとんどしてないんだけど、
こういう作り方なら違和感がない。瑠布子(吹石一恵)、みそら(平山綾)、
そして理子が揃って、
今後は面白くなりそうだ。採点 7.5(10点満点平均6)
[ロビー田中の自己紹介]
[トップへ]