タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第103話「今さら7〜9月期を振り返る」
「いらなつ」の最終回を見たのは
もうずいぶん昔のような気がするのはオレだけ?いや、実際に3週間以上前だもんな。
ハッキリ言って7〜9月期はもう過去だ。何かバタバタして総括するタイミングを逃してしまったけど、
締まりがなくなるのでここでまとめておこう。まず、興味深い平均視聴率は
こんな感じだった。
ランチの女王 18.91%
ナースのお仕事4 16.99%
ショムニ FINAL 16.27%
(こちら本池上署) 15.17%
太陽の季節 13.60%
天体観測 12.66%
恋愛偏差値 11.97%
ぼくが地球を救う 9.60%
東京庭付き一戸建て 9.23%
探偵家族 9.19%
サトラレ 8.85%
マイリトルシェフ 8.19%
愛なんていらねえよ、夏 7.73%
ツーハンマン 6.76%
私立探偵 濱マイク 6.54%
1〜3月期の「人にやさしく」、
4〜6月期の「空から降る一億の星」と、
今年は毎クールかろうじて1作品ずつ平均20%越えの作品を
送り出してきたんだけど、
7〜9月期はついに出なかった。そして10%を切ったドラマが半数を越える8作品。
営業的には完全に惨敗だ。しかも、これくらい内容と視聴率が
伴わないクールもめずらしかった。
個人的な平均評価点はこんな感じ。
愛なんていらねえよ、夏 8.15
ランチの女王 7.29
私立探偵 濱マイク 7.29
マイリトルシェフ 7.15
ツーハンマン 7.14
ショムニ FINAL 6.92
太陽の季節 6.68
恋愛偏差値 6.64
天体観測 6.63
サトラレ 6.55
東京庭付き一戸建て 6.11
ナースのお仕事4 5.69
ぼくが地球を救う 5.59
探偵家族 4.83
「濱マイク」は勇気ある企画に対する評価も加えたけど、
内容的には「いらなつ」「ランチ」「MLC」、
そして「ツーハンマン」が勝ち組だったと思う。営業的にも合格点と言えるのは「ランチ」だけ。
今期もまたクリエーターたちは、
質の高い作品と数字が取れる作品との狭間で
悩み抜いたという状況だ。内容、営業面での成功ということを考えれば
7〜9月期の最優秀作品は「ランチの女王」なんだろうけど、
やはりここはぶっちぎりでクオリティーが高かった
「愛なんていらねえよ、夏」に送りたいと思う。スタッフ、キャストが一丸となって
本気でドラマを作ると
あそこまでクオリティーが上がるという好例だ。ただ、ひとこと書き留めておくとすれば、
渡部篤郎と広末涼子がいなかったら
完成しなかった作品であると同時に、
主演がこの2人でなかったら
もっと数字は取れていたかもしれない。
これは難しい問題だ。最優秀主演男優賞は渡部篤郎しかいないと思うけど、
個人的には将来性、そして「天体観測」との合わせ技で
「サトラレ」のオダギリジョーにあげたい。
彼は意外に器用な役者になるかもしれないな。最優秀主演女優賞は、
広末涼子、竹内結子、矢田亜希子の三つ巴って感じだけど、
予想以上の魅力をみせた竹内結子にしよう。
「ランチ」は前半のごたごたも
この竹内結子にかなり救われたと思う。助演女優賞は難しいな。
「MLC」の上戸彩か、
「天体観測」の小西真奈美か、
「ツーハンマン」の真矢みきか、
「濱マイク」の中嶋美嘉か、
「サトラレ」の風吹ジュンか、
貫禄を効かせて「ショムニ」の戸田菜穂か(笑)いや、ここは「いらなつ」の季理子、
西山繭子にしよう。
やればできるじゃないか、西山繭子
って感じで。となると、助演男優賞は「いらなつ」の奈瑠、藤原竜也か。
森本レオも捨てがたいな。
でもやっぱり「ツーハンマン」の草刈正雄で。
彼なくして「ツーハンマン」は
あり得なかったと思うしね。かなりひどいドラマも多かったけど、
印象深い作品も見られた7〜9月期だった。
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