タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第105話「10月期のヘソは木曜日」
10〜12月期の連ドラが始まった。
まだ全部がスタートしたわけじゃないけど、
注目は木曜10時の2本だ。視聴者層のターゲットが高いので
他に比べるとジミかもしれないけど、
どちらか1つは見ておいた方がいい。個人的にはいろんな意味で楽しめそうな
「薔薇の十字架」の方がオススメかな。
『ロッカーのハナコさん』 最終週 さようなら、ハナコさん!?(第21〜最終回)
演出:柴田岳志
脚本:戸田山雅司泣けた。そして笑えた。
この最終週は吹石一恵も頑張ったな。
コミカルなシーンでだいぶ成長が見られた。
立派、立派。終わってみるとかなり上質のコメディーで
もっと見たかったという感じ。でも、通常の1時間3ヶ月の尺じゃなくて、
15分の帯、6週だったから
スッキリ見られたのかもしれない。今後もこの枠は期待してみよう。
…と思ったら、次は水野真紀主演か。
キッツイなあ。採点 7.5(10点満点平均6)
脚本 ★★★★☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★☆☆
主題歌 ★★☆☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★★☆☆
話題性 ★★☆☆☆平均採点 6.92(10点満点平均6)
『世にも奇妙な物語 秋の特別編』
企画:石原隆、鈴木吉弘
プロデュース:岩田祐二
音楽:蒔島邦明
ストーリーテラー:タモリ
制作:フジテレビ、共同テレビ(採用試験)
演出:小林義則
脚本:武井彩
出演:深田恭子、斉藤歩、板谷由香、山中たかシ、
菅原卓磨、志賀廣太郎、他(知らなすぎた男)
演出:河毛俊作
脚本:旺季志ずか
出演:佐藤浩市、片桐はいり、広田レオナ、叶美香、
皆川猿時、山谷初男、小野寺華那、他(連載小説)
演出:星護
脚本:武井彩
出演:木村佳乃、陰山泰、吉田朝、中根徹、南奈央、
田村泰二郎、阿南健治、他(声を聞かせて)
演出:植田泰史
原作:真崎かや
脚本:高山直也
出演:加藤晴彦、市川実和子、林原めぐみ、俵木藤太、他(昨日の君は別の君 明日の私は別の私)
演出:中江功
原作:山下和美
脚本:相沢友子
出演:藤原紀香、田中碧海、鶴見辰吾、岩埼大、辻香織里、他深田恭子が主演した「採用試験」と
藤原紀香が二役を演じた
「昨日の君は別の君 明日の私は別の私」が良かった。「知らなすぎた男」はワンアイデアだけという感じ。
締め方をもう少し工夫するべきだった。「連載小説」は悪くなかったけど、
これも締め方に切れ味がなかった。
もっとブラックな味つけの方が良かったような気がする。「声を聞かせて」は
ある意味いちばん「世にも奇妙な物語」らしかった作品。
ただ、想像通りの展開で意外性がなかった。
林原めぐみを使ったのは豪華だったけど。「採用試験」はストーリーも良かったけど
深田恭子のちょっと冷めた部分をうまく引き出してたな。
だからこそ最後の涙が効果的だった。「昨日の〜」は、子供がアレルギーを起こした時の
藤原紀香のパニックぶりがリアルだった。
この手の作品は本来、「世にも〜」らしくないんだけど、
完成度が上がるのはやっぱりこういう作品なんだよな。「知らなすぎた男」「連載小説」「声を聞かせて」を
パーフェクトに仕上げる方が、
ずっと難しいことを痛感した。採点 6.5(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★☆☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★★☆☆
話題性 ★★☆☆☆
『負け組キックオフ』
チーフプロデュース:黒田徹也
プロデュース:内山聖子、東城祐司、清水真由美
演出:国本雅広
脚本:岡田惠和
音楽:梅堀淳
制作:テレビ朝日、MNJ
出演:深田恭子、大杉蓮、平田満、鈴木ヒロミツ、岡本信人、小倉久寛、
川岡大次郎、柳生博、水川あさみ、武田修宏、井田國彦、千原靖史、他人生の負け組と罵られた経験のある
OL・純子(深田恭子)が、
同じく人生の負け組、
おじさんフットサルチームに入り、
エリート会社員のチームに立ち向かっていく
ヒューマンコメディー。あんまり期待しないで見たわりには良かった。
やっぱり岡田惠和の脚本は細かいところが面白いな。
“ということで!”はマネしたくなった。最後のゴールシーンはむちゃくちゃだったけど、
純子とおじさんたちの関係は微笑ましかったし、
これはこれでいいんじゃないだろうか。それにしても
「夢のカリフォルニア」(岡田惠和脚本)に続き、
また鈴木ヒロミツはセクハラエロおやじだった。
もうピッタリ(笑)
しばらくはこの役、独占かな。深田恭子は相変わらず。
決してうまくはない。
ただ、あの目から涙がこぼれるとね…。おじさんチームが感動するのも分かる。
採点 6.5(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★☆☆☆
配役 ★★★☆☆
音楽 ★★☆☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆
『恋を何年休んでますかスペシャル』
プロデュース:八木康夫
演出:清弘誠
脚本:吉田紀子
音楽:千住明
主題歌:「remain〜心の鍵」小柳ゆき
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:小泉今日子、飯島直子、黒木瞳、仲村トオル、袴田吉彦、
上川隆也、山口祐一、伊藤英明、宮沢和史、森尾由美、
大島さと子、井澤健、君嶋ゆかり、高田敏江、前田昌明、
大平奈津美、池田仁、他何でこのドラマでスペシャルを作るんだろう
という疑問はあったけど、
まあ、恋愛というか、
恋をする気持ちがテーマなわけだから
何度でも作れないことはないのか。で、今回の出来としては、
咲子(黒木瞳)に関するエピソードに
あまりにもヒネリがなさすぎた。まゆみ(飯島直子)に関係する部分はまだマシだったけど、
これも雑と言えば雑。ただ、こうした2人を横目で見つつ
静かに自分の結婚生活を考える
有子(小泉今日子)の描き方は良かった。桜庭(上川隆也)と海辺で別れるシーンや、
大阪に旅立つ直前に良平(仲村トオル)と
部屋で話すシーンなどは印象的だったし。でも最後に
“何もかも手に入れようとするのは欲張りだ”
と結論づけるのはどうなんだろう。確かにひとつの答えではあるけど、
多くの人が納得する結論でもないような気がするんだけど。うーん、やっぱり全体的に雑だったな。
どうでもいいことだけど、冒頭で大平奈津美が
「おやすみー」と言いながら自分の部屋へ行く時に、
小泉今日子に会釈したみたいに見えたのが妙に可笑しかった。採点 6.5(10点満点平均6)
脚本 ★★☆☆☆
演出 ★★★☆☆
配役 ★★★★☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★☆☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆
『ホーム&アウェイ』 第1話
プロデュース:高井一郎
演出:澤田鎌作
脚本:君塚良一
音楽:武部聡志
主題歌:「My faith」「Hello,everybody!」 day after tomorrow
制作:フジテレビ
出演:中山美穂、西田尚美、酒井若菜、小泉孝太郎、他かえで(中山美穂)の自宅、つまりホームには、
町子(西田尚美)、りる(酒井若菜)、
そして弟の学(小泉孝太郎)だけが集まって
かえでのキャラクター説明などのフォローにまわり、
主人公のかえでは帰りたくても帰れないという
アウェイの状態が続く。
この2極構成はかなり面白い。基本的には一話完結の雰囲気で
東京に帰れないかえでが
様々な場所で様々な人に出会う
という形で話が進む様子。今回は最終的に北海道まで飛ばされる話だった。
しかも「天国への階段」でも舞台になった絵笛。
とりあえず東京との対比から
雄大な自然がある場所へかえでを飛ばしたのは
いい選択だったと思う。とにかく全体的に
コメディとシリアスのバランスは非常にいいので
かなり期待できるかもしれない。問題は今後、かえでが帰れない状況に
どう説得力を持たすかだろうな。12回もこれをやれば、
本気で帰ろうと思えば帰れるじゃん、
と見てる側は思ってしまう。そこをどうコメディーの範囲で納得させるか、
ここが最大の難関だと思う。西田、酒井、小泉のシーンが
予想以上にアクセントになっているので
ここも手を抜かずに丁寧に作って欲しい。採点 7.5(10点満点平均6)
『ダブルスコア』 第1話
プロデュース:小椋久雄、矢吹東
演出:平野眞
脚本:寺田敏雄
プロット協力:高山直也、天沢彰
主題歌:「It Takes Two」CHEMISTRY
挿入歌:「BOUNCE」BON JOVI
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:反町隆史、押尾学、須藤理彩、村上里佳子、岡田義徳、相島一之、
山崎裕太、石丸謙二郎、阿南健治、鶴田忍、清水響、すほうれいこ、
酒巻ゆかり、紺野佑美子、山崎画大、滋野由之、他1話完結じゃないのか。
全体的に予想とちょっと違ったな。
反町と押尾のキャラもそんなに
嫌悪感を感じなかったし。ただ、須藤理彩のキャラはよくない。
そして何より脚本が粗い。編集も雑。
演出も平野眞にしてはノリが悪い。コメディーテイストにしているわりには
笑える部分も少なかった。
村上里佳子のシーンくらいかな、笑えたのは。まあ、少し様子を見てみないと分からないか。
ゴツゴツした感じが取れれば
そんなに見るのも苦痛じゃないかもしれないし。あと、全然関係ないけど、
最後に転落死した村井克行(「ケイゾク」の斑目)が
トランシーバーで指示を出した時のしゃべり方って、
ミラクルタイプでココリコ田中がやってる
“なでしこ”に似てたよね。やっぱり顔が似てると声も似てるなあ。
採点 5.5(10点満点平均6)
『アルジャーノンに花束を』 第1話
プロデュース:安藤和久、東城祐司(MMJ)、伊藤達哉(MMJ)
演出:新城毅彦
脚本:岡田惠和
原作:「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス
音楽:寺嶋民哉
主題歌:「ソング・オブ・バーナデット」ジェニファー・ウォーンズ
挿入歌:「スピード」ラブハンドルズ
制作:関西テレビ、MMJ
出演:ユースケサンタマリア、菅野美穂、吉沢悠、中島知子、榎本加奈子、
いしだあゆみ、益岡徹、石橋けい、田口浩正、山口あゆみ、井澤健、
岡本竜汰、牛尾田恭代、野口優樹、田中景花、他うーん、さすがのユースケも
この役はやっぱり難しいか。
菅野美穂はそれなりに雰囲気を出してたけど。全体的には中島知子がネック。
なんで中島知子なんだろう。まあ、この話は手術を受けてからだからな。
しばらく静観してみるか。それにしても終わってすぐに
“アーッとその時、アーッとその時。
アットロ〜ン、アットロ〜ン”
のCMはないだろ。
もう少し気を使ってほしい。採点 6.0(10点満点平均6)
『やんパパ』 1話
プロデュース:稲田秀樹
演出:星田良子
脚本:西荻弓絵
音楽:溝口肇
主題歌:「ding-dong」TOKIO
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:長瀬智也、加藤あい、後藤真希、石田未来、苫篠和馬、藤谷美和子、
古手川祐子、生瀬勝久、北村総一郎、菊池均也、荒川良々、藤沢大悟、
高木将大、氏家恵、坂本真、長谷川朝晴、他藤谷美和子が妙に可愛かったなあ。
だから唯(藤谷美和子)と優作(長瀬智也)が
結ばれるまでをもっと見ていたかった感じ。まあ、それじゃ「やんパパ」にならないんだけど、
あの唯のキャラなら2人のラブストーリーにしても
3ヶ月もったような気がする。
ちょっと残念。そのせいか、
後半はもう最終回が見えるような展開で
やや退屈だった。プロポーズのシーンも
優作というより長瀬の最近のキャラがそのまま出て
見ていていきなり冷めたし。あと、優作が引っ越しをする時に
マンガを投げるシーンとかね。
雑な演出だよなあ。
優作という人物のキャラを全然大事にしてない。とにかくこの1話は前半と後半の印象がかなり違った。
しかも、ドラマの本筋は後半なので、
期待感は否応なく薄れてしまったし。ま、3人の子供に少し希望を託してみるか。
採点 6.5(10点満点平均6)
『サイコドクター』 FILE 1
チーフプロデュース:井上健
プロデュース:西健彦、高橋勝
演出:水田伸生
脚本:伴一彦
原作:「サイコドクター」作・亜樹直 画・的場健(講談社)
音楽:magrow
主題歌:「Ring」平井堅
挿入歌:「m・a・z・e」倖田來未
制作:日本テレビ
出演:竹野内豊、羽田美智子、市川実日子、西村雅彦、秋山菜津子、
山寺宏一、伏石康宏、及川健、他あれ、内藤剛志は
柴咲コウと1話で一緒に出るゲストだったのか。
勘違いしてた。毎回2人ずつこのクラスのゲストを出すとなると
さすがに豪華だな。
ちなみに次回は井川遥と中村俊介。それはそうと、このドラマって
医療モノというよりヒーローモノだね。
刑事を差し置いて事件を解決してしまう精神科医。
で、実際の精神科医はあんなことまでしません、
みたいな意見が実際の現場から寄せられたりして(笑)まあ、それはそれでいいんだけど、
精神的な病が増えてきている時代だから
もうちょっと別の切り口の
精神医療ドラマが見たかったというのが本音。
そういう役でも竹野内豊はできたような気がするしね。ところで、10月から警察手帳が変わってるので
今期はドラマ内でも新しい警察手帳が登場してる。
このドラマでは警部補役の西村雅彦と
楷(竹野内豊)のアシスタント、
あずさ(市川実日子)との会話で
“これ警察手帳じゃないでしょ?”
“いや10月から変わったんだ”
という説明セリフを入れていた。一応、記念すべき作品として記憶しておこう。
採点 6.0(10点満点平均6)
『HR』 第1話「轟先生の秘密の手紙」
企画:石原隆
プロデュース:関口静夫、土屋健
脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太
主題歌:「まんをじして」奥田民生
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:香取慎吾、今井朋彦、小野武彦、戸田恵子、國村隼、白井晃、
篠原涼子、酒井美紀、中村獅童、他かなり本格的なシチュエーション・コメディ。
さすがは三谷幸喜、
脚本の流れはすばらしかった。ただ、本場アメリカのものより
かなり舞台色が強かったな。
小劇場の芝居を見ているような感じ。もっとテンションを下げてもいいんじゃないかな。
あと、観客の笑い声の音量も、
もう少し絞った方がいいと思う。でも全体的には非常に楽しみな作品だ。
2クールの予定なので
ちょっとホロっとくる話もやって欲しいし。アメリカのシット・コムだと
観客が「Wow…」みたいなリアクションをするけど、
日本人がどういう反応をするか見てみたい。ていうか、観覧希望のハガキ出すか。
採点 7.5(10点満点平均6)
『薔薇の十字架』 第1幕
プロデュース:喜多麗子、牧野正
演出:光野道夫
脚本:浅野妙子
主題歌:「CRY」フェイス・ヒル
制作:フジテレビ
出演:三上博史、天海祐希、石田ゆり子、勝村政信、佐藤藍子、
中尾ミエ、猫背椿、西山繭子、玉山鉄二、合田雅吏、
田山涼成、長内美那子、矢島健一、他かなりバランスが良さそう。
ドロドロ系の雰囲気はあったけど、
初回から桐吾(三上博)、暁(天海祐希)、
澄子(石田ゆり子)の背景を丁寧に描いていて、
飛び道具だけでごまかそうとはしてなかった。脚本は浅野妙子だし、
予想以上に深い内容になりそうだ。BGMの選曲からいっても
ターゲットは30〜40代なんだろうけど、
あまり偏った先入観を持たずに見ると
幅広い視点で楽しめそうな気がする。やっぱりこれが大穴だ。
採点 7.0(10点満点平均6)
『真夜中の雨』 第一話
プロデュース:伊佐野英樹、瀬戸口克陽
演出:若松節朗
脚本:福田靖
音楽:住友紀人
主題歌:「そんなもんだろう」織田裕二
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:織田裕二、松雪泰子、石黒賢、阿部寛、長塚京三、田中美里、
渡辺いっけい、松岡俊介、山田麻衣子、佐藤二朗、芹澤名人、
三宅弘城、佐戸井けん太、赤坂七恵、新谷真弓、中江智子、
佐藤充浩、泉晶子、他初回はどうしても
登場人物の紹介をしなくてはいけないので、
物語の方向性の提示という意味では弱かった。やっぱり「振り返れば奴がいる」の雰囲気は引きずっていたし、
「ナースのお仕事」の長塚京三や
「救命病棟24時」の渡辺いっけいなど、
別の作品を連想させるキャスティングも多くて
新鮮味にも欠けていた。ただ、全体的にはかなり期待できる作り。
話が転がっていけば引き込まれそうな気がする。脇役も豪華だしな。
佐藤二朗もちゃんとしゃべってるし(笑)木曜10時はかなり渋い対決になった。
採点 7.0(10点満点平均6)
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