タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第109話「やっぱり木曜日はスゴイことに…」
昨日の桶川ストーカー殺人事件を
題材にしたドラマは良かった。実際のニュース映像なども入れているので
純粋なドラマではなかったんだけど、
かなり丁寧な作りだった。よど号のドラマも
これくらいのクオリティーで
作って欲しかったんだよな。
『ダブルスコア』 第3話
演出:村上正典
脚本:寺田敏雄
プロット協力:高山直也、天沢彰何が悪いの? 編集?
反町隆史のセリフの語尾が
ハッキリしないのは仕方がないんだけど、
他の人の会話までリズムが悪いんだよなあ。この手の刑事モノで
ストーリーに新しさを求めるのはムリ。
だからこそ、そういう細かい部分の
クオリティーまで上げてもらわないと困るのに。まあ、そんなに期待してたわけじゃないからいっか。
採点 5.5(10点満点平均6)
『アルジャーノンに花束を』 第3話
演出:塚本連平
脚本:岡田惠和エリナ先生(菅野美穂)の過去に、
知的障害の弟がいた、という過去を持ってきたか。
ちょっとお涙頂戴的な雰囲気もあったけど、
エリナがハル(ユースケ・サンタマリア)に
危険かもしれない手術を勧める動機づけとしては
説得力があるエピソードだったかもな。今後はパン工房の仲間との関係に
焦点が移りそうだけど、
その中で原作にないミキ(榎本加奈子)の存在が
どう描かれるのか。
そこに注目だ。採点 6.5(10点満点平均6)
『天才柳沢教授の生活』 第2話
演出:鈴木雅之
脚本:藤本有紀出だしは少しかったるい展開。
でも今回は脚本が藤本有紀に変わって、
最後はグッと締めた感じだ。奈津子(戸田恵子)と幸弘(小日向文世)の仲直り、
華子(三浦透子)の気持ちを察した七つの子の解釈、
そして最後の世津子(国仲涼子)のガーガー。作品としての定型を守った上で
ドラマチックに盛り上げた作りはうまかった。もちろん、今回のような童謡のネタなどは古いし、
毎回、出勤シーンから始めていては
出だしでテンションが下がるのは確か。
もう少し全体的な構成を見直して欲しい。それにしても佐藤隆太がいいな。
後ろで「カキーン!」ていう
野球のバッティングのSEが入っていたのは
「木更津〜」狙いなのかどうか分からないけど、
彼がいいからこそ「ガーガー」も活きたんだしな。山口智充が乗り遅れてることがちょっと心配だ。
採点 7.5(10点満点平均6)
『やんパパ』 3話
演出:高橋伸之
脚本:西荻弓絵前回の淳之介(苫篠和馬)に続き、
今回は桜子(石田未来)が
優作(長瀬智也)に説得される話。
この中心となる部分はやっぱり新鮮味がなかった。でも、まだ説得されてない薫子(後藤真希)が
すでに優作を意識し始めている展開と、
早くも里早(加藤あい)を
ライバル視していく流れは面白いかもしれない。ただ、そうなると今度は
美菜子(藤谷美和子)をどう扱うつもりなのか。
ルリ子(古手川祐子)も役割としては
余ってしまっている感じだし。ゴマキも今回みたいな役はまだ早いかなあ。
やたら心配事が多い作品だ。今回はアニメ制作会社で働いている役の
荒川良々がひっぱたかれた瞬間に、
アナログ回線のSEが流れたところがツボだった。
(KDDIのCMでフリーズしちゃう警官役もやってるから)採点 6.0(10点満点平均6)
『サイコドクター』 FILE 3
演出:水田伸生
脚本:伴一彦今回の話はレギュラー出演者を使いつつ
身近な問題を扱っていて良かった。最後に八尾(西村雅彦)といづみ(鈴木杏)が
カレーを食べるシーンはちょっと泣けたし。
こういうネタで続けてくれるとかなり見やすいな。それにしても、
なんでこのドラマの出演者は
みんな唐突に電話を切るの?悲しいじゃん。切られた方は。
採点 6.5(10点満点平均6)
『HR』 第3話「鷲尾君、ピザを頼む」
脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太やっぱりこれはシットコムではないな。
小劇場のテレビ版。一番の原因は役者が観客を意識しすぎていること。
観客まで声を届かせようと大声を出し過ぎる。もちろん演出にも問題があるんだけど、
國村隼は比較的自然にやってるからな。少なくともアメリカのようなシットコムを
楽しもうとは思わない方がいいだろう。早くアタマを切り替えないと…。
採点 6.0(10点満点平均6)
『逮捕しちゃうぞ』 FILE 2
演出:赤羽博
脚本:大石哲也今回はチラリズムに徹した格闘シーンが少なかった。
でも、内容的にはやっぱりOKだろうな。最後に女の子が手話で
“ありがとう、婦警さん”と言う場面は
それなりにジーンと来たし。B級ドラマにはB級ドラマなりの
楽しみ方がある。採点 6.5(10点満点平均6)
『薔薇の十字架』 第3幕
演出:光野道夫
脚本:浅野妙子ドロドロか、と思ったら、
実にピュアな回だった。ここまでが第一章という感じか。
それにしてもかなり見ごたえがあったな。暁(天海祐希)が妊娠を告げ、
桐吾(三上博史)に別れを告げるシーンは
どう描くのだろうと思ってたけど、
実に丁寧な作りだった。短い時間でも
密度の濃いシーンは作れるもんだ。そして次回からはついに
澄子(石田ゆり子)の逆襲が始まりそう。全部見終わったあとに、
ここまでが一番面白かったということがないように
第二章も丁寧な作りを望む。採点 7.5(10点満点平均6)
『真夜中の雨』 第三話
演出:福澤克雄
脚本:福田靖面白くなってきたなあ。
21年間、植物状態のまま泉田病院に入院していたのは
由希子(松雪泰子)の父親だった。そしておそらく都倉(織田裕二)の母親は、
この由希子の父親の車にはねられて殺された。
車は湖に落ち、同乗していた由希子は助かった、
という状況だと思う。そこで謎は深まる。
由希子が生き残ったのは自分だけだと思っていたのはなぜか。
ひと月200万もの入院費は誰が払っているのか。
院長(長塚京三)はなぜそのことを隠しているのか。院長が事件に関係している可能性は高い。
そうなると都倉の復讐の矛先は
由希子ではなく院長に向かうのか。もう目が離せないな。
ところで今回の演出は福澤克雄。
夕日のカットがバリバリ福澤演出だった。若松VS福澤の演出対決も見逃せない。
採点 7.5(10点満点平均6)
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