タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第110話「くわっぱ!」

「トリックー劇場版ー」は11月9日から。
主題歌は「月光」だ。

やっぱり見に行こう。


『ママの遺伝子』  第3話「カミさんと同伴出勤?」

演出:今井夏木
脚本:小松江里子

ものすごく不快な終わり方。
もうどうでもいいや。

子役は2人とも可愛い。
あと「パパ〜」っていう時の薬師丸ひろ子。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『お見合い放浪記』  第3週 赤ずきんちゃんの不倫(第9〜12回)

演出:石井てるよし
脚本:大森美香

やっぱり相当おもしろい。
毎週、ひとりとお見合いするだけだと思ってたのに、
今週はお見合い相手の北川(渡辺いっけい)の話と、
亀山(宅麻伸)とのキス、
父親、永澤教授(清水紘治)の不倫騒動を絡めて、
実に見ごたえのあるストーリーに組み立てていた。

夢見る31歳の乙女・由寿(水野真紀)には、
もちろん「おいおい」とツッコミを入れたくなる言動が多い。
でもそこをファンタジーっぽく、
センスのいいコメディーに仕上げているところがいい。

さすがだな、大森美香。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『抱きしめたい』

制作統括:阿部康彦、木田幸紀
演出:勝田夏子
脚本:吉田紀子
原作:「私はもう逃げない〜自閉症の弟から教えられたこと」島田律子
音楽:城之内ミサ
制作:NHK
出演:和久井映見、加勢亮、竜雷太、いしだあゆみ、西島秀俊、三崎千恵子、他

今まで見た自閉症を扱った作品の中では
最高の出来だったかもしれない。

原作があるとはいえ、
脚本、演出、役者の演技、
すべての水準が高かった。
(原作者は「恋のから騒ぎ」でデビューしている
 タレントの島田律子)

厳密に言えば、この作品は
自閉症を扱ったドラマというより、
家族のドラマだった。

決して感動させようといった作為的なものはなく、
ただ淡々とひとつの家族を描いているだけだった。

でも逆にそのことが
自閉症の弟を持った姉の葛藤をリアルに際立たせ、
胸を打つものがあった。

いいシーンはいくつもあったけど、
象徴的だったのは最後に姉と弟が2人だけでフェリーに乗り、
北海道へ旅立つシーンか。

自閉症の子を持つ親が
一生をかけてその子を守っても、
いつかはその役割を別の人間に託さなければいけない。

姉として生まれた未来子(和久井映見)は
その役割が自分であることを子供の時から知っていた。
ずっとそのことから逃げていたのは
どうしていいか分からなかっただけで、
誰よりも弟・道朗(加勢亮)のことを愛していたのは
自分が一番よく知っていたのだ。

両親を青森に残し、
2人で船出をするこのシーンは、
未来子の決意も表していて実にいいシーンだった。

こういうドラマを作ってくれるから
NHKの受信料もマジメに払う気になるんだよな、オレは(笑)

             採点  9.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★★
                  演出  ★★★★★
                  配役  ★★★★★
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★★★☆
                  話題性 ★★★☆☆


『リモート』  3

演出:佐藤東弥
脚本:坂元裕二

まあ、演技力は問わないということで(笑)

今回もそこそこ面白かったけど、
学校内のこの手のネタは
もう古いって感じがするな。

ただこのドラマはストーリーよりも雰囲気。
大倉孝二や玉木宏なんかの脇役もいい味だしてるので
細かいところを気にしなければ十分に楽しめる。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『おとうさん』  第3話

演出:片山修
脚本:遊川和彦

山口(国分太一)が恵(深田恭子)に
プロポーズまでした展開は良かった。
とりあえず今後に興味が湧いたし。

でもそれ以外はね。
何度も見てきたような話ばかりで。

士郎(田村正和)がまこと(広末涼子)に
病院で声をかけたところぐらいかな。
今回の見どころは。

まあ、そんなドラマということで。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ホーム&アウェイ』  第4話

演出:羽住英一郎
脚本:君塚良一

今回はかえで(中山美穂)が
望まずに続けてきた旅に関して、
一度、整理して考えるような話。

それを、第1話で中途半端な状態だった
夜逃げ家族のエピソードと絡めてうまく描いていた。

ホームの3人は相変わらずいい。
今回なんかはとくに、
この3人の会話でかえでが帰って来ない不自然さを
きちんとコメディーにしているんだよな。

だからアウェイのかえで側は
少しクサイくらいのハートウォーミング系にしても
作品全体としてはバランスが取れる。
うまい作りだ。

カット割りも映像もきれいだし、
脚本では、毎回振り返る旅の様子を
英会話教室でやるところなどは
いいアイディアだった。

このクオリティーで最後までいけたら
相当いい作品になりそうだな。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ナイトホスピタル』  第3夜

演出:市野龍一
脚本:江頭美智留

微妙な違いだけど、
今回はバランスが良かった。
演出は市野龍一の方がいいかもしれない。

いずれにしても
もう一話完結になると思うので
かなり見やすくなるはずだ。

大久保(高島礼子)と子供に関するエピソードは
徐々に出してくると思うけど、
大久保自体のキャラが今回でかなり表現されたので
それも全体的には見やすくなる要因になると思う。

まあ、脇役に関しては
もっと他の人もキャラを立てて欲しいんだけどね。
少しずつは前進してる。

             採点  6.5(10点満点平均6)





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