タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第111話「一番、楽しみな作品は…」

10〜12月クールも3分の1が終了して、
比較的、好印象なのは
「ホーム&アウェイ」「柳沢教授」「HR」
「逮捕」「薔薇」「真夜中」あたりか。

でも実は一番楽しみなのはレビューをしてない
「利家とまつ」と「まんてん」だったりして(笑)

元ちとせの主題歌が流れる
「まんてん」のオープニング映像は、
映画「ガメラ」シリーズ、
「エヴァンゲリオン劇場版」などの特技監督・作画監督、
樋口真嗣の作品。

オープニングだけでもオススメですよ。


『ダブルスコア』  第4話

演出:村上正典
脚本:寺田敏雄
プロット協力:高山直也、天沢彰

反町隆史には
もともとコメディーセンスがないけど、
これだけの役者を揃えて笑えないというのは
やっぱりスタッフの責任だよなあ。

今回はTVニュースの映像に
死体の顔が映って話が進むという
めちゃくちゃ手抜きのストーリーで、
最初から適当に作ってる感じ。

もう反町、押尾ファンだけ見ればいいかも。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『アルジャーノンに花束を』  第4話

演出:塚本連平
脚本:岡田惠和

分かりやすさ、という意味では、
先にハル(ユースケサンタマリア)が
母親(いしだあゆみ)に捨てられたことを
知った展開は悪くなかった。

まあ、母親との関係は
今後も深く描かれると思うので
そこできめ細かく描いて欲しい。

今回、中島知子はちょっとだけ頑張ったな。
テレビでは描写しにくい部分を
どう描いていくかにも今後は注目だ。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『天才柳沢教授の生活』 第3話

演出:西浦正記
脚本:土田英生

泣いてしまった(笑)
幸せな家族って、
それだけで泣きたくなるな、なぜか。

今回はデパートでの教授父娘とともに
幸弘(小日向文世)と華子(三浦綾子)の
父娘関係も描いていたところが心憎かった。

ちょっと変わった父親で
大人になって初めて一緒にデパートへ行った父娘も、
小さい時から探偵ごっこをする父娘も、
どちらも幸せには違いない。

3分だけ夜更かしをした柳沢教授(松本幸四郎)、
少し興奮して眠れなかった柳沢教授、
静かだけどいい描写だった。

なっちゃんの“だっさー!”も最高だった。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『やんパパ』  4話

演出:星田良子
脚本:西荻弓絵

結局、みんなで薫子(後藤真希)の
携帯メールを見ちゃうのかよ。
やってることがバラバラだなあ。

依然として行き当たりばったりの印象は拭えない。
でもとりあえずこれで3人の子供が
多少なりとも優作(長瀬智也)を
認めた感じになったので、
これからどう展開していくかだな。

今回、ラストの後藤真希の映像は
非常にキレイだった。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『サイコドクター』  FILE 4

演出:荻野哲弘
脚本:伴一彦

セックス依存症の話で工藤夕貴では
童顔すぎるかな、と思ったんだけど、
催眠療法のあたりからは
さすが工藤夕貴という演技だった。

最後の母親との別れのシーンは
演出的にも多くを語らない、
静かないい演出だったし。

ま、贅沢を言えば
沢脇良之(竹野内豊)と豊臣秀吉(香川照之)の絡みを
もう少し見たかったというくらいかな(笑)

このドラマもずいぶんまとまったきた。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『HR』  第4話「淡島さんの再就職」

脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太

今回はかなりホロっとくる話だった。
でもやっぱりその時点での観客のリアクションはなし。
三谷幸喜がリアクションのキッカケとして
“なんだこのハートウォーミングな雰囲気は”
というセリフを用意して、
笑いに転化させていた。

これが日本的なやり方ということか。
役者が本気で泣くくらいまで
完全な感動シーンなら茶化さないと思うけど。

でもそれでいいと思う。
今回はいい出来だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『逮捕しちゃうぞ』  FILE 3

演出:飯島真一
脚本:吉本昌弘

前半はいくらなんでも酷かった。
原沙知絵も伊東美咲も
走ってる姿が格好良くないので、
犯人を追うシーンがキマらない。

やっと使ったモトコンポも
ただ走ってるだけだし。

このあたりはかえって印象を悪くするだけなので
アクションシーンは回し蹴り止まりにした方がいいな。

ただ、最後の美幸(原沙知絵)と
中島(長島一茂)のラブシーン(?)は
あれで十分だろう。

こういう場合、テレビは
BGMという強い見方があるからな。

ドラマなりの勝負をするよーに。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『薔薇の十字架』  第4幕

演出:水田成英
脚本:浅野妙子

桐吾(三上博史)・暁(天海祐希)のシーンと
澄子(石田ゆり子)・サエ(中尾ミエ)のシーンとの
トーンが違いすぎて、
今回みたいな構成になると見にくいなあ。
中尾ミエが出てくると笑っちゃうもんな。

あとBGMの使い方が唐突で
場面に合ってないケースが多すぎる。
狙い所は分かるけど
これは何とかして欲しい。

ただ、相変わらず桐吾と暁の描き方は丁寧でいい。
今回はとくにクマのぬいぐるみと
恐竜のプラモデルという小道具の使い方がうまかった。

桐吾がクマのぬいぐるみを
ゴミ箱に押し込もうとして入らないシーンは
かなりの名場面と言ってもいいと思う。

次回からが「○年後」という本当の第2章か。
早く澄子が本格的に絡んできて欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『真夜中の雨』  第四話

演出:若松節朗
脚本:福田靖

21年前の事故は車と車の事故だった。
そして由希子(松雪泰子)の家族の車と
ぶつかった車に都倉(織田裕二)母子が乗っていた。
しかし運転していたのは都倉の母ではなく、
現場から逃げた別の男。

……院長(長塚京三)だよな、普通に考えると。
入院費を受け取ってないのは
事務長(石黒賢)のセリフからも確かなようだし。

しかし、これが全容だとすると、
意外に早く視聴者に分からせてしまった感じ。
まだどんでん返しがあるのか。

いや、むしろ院長にたどり着くまでに
ドラマがあると考えた方が正しいだろうな。

事務長の“貧乏が悪いんですか?”
というセリフも意味深だったし。
最後に院長を裏切るのは事務長か。

ていうか、すでに
外科部長(阿部寛)も、
レントゲン技師の次男(松岡俊介)も、
長女の香織(山田麻衣子)も、
都倉派だしな。

勝ち目ないじゃん、院長(笑)

やっぱり思いも寄らないどんでん返しを望む。
翔子(松下由樹)が助っ人に来るとか(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)





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