タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


第114話「予想外の秀作だった“お見合い放浪記”」


NHK、夜の帯ドラマ、
“放浪記”ってタイトルが良くなかったんだよな。

今日からはさだまさし原作の「精霊流し」。
脚本は市川森一、主演は坂口憲二。
これも見た方がよさそう。


『逮捕しちゃうぞ』  FILE 4

演出:赤羽博
脚本:大石哲也

美幸(原沙知絵)が夏実(伊東美咲)に言った
“もし死んだら、あの世でまたコンビ組んでくれる?”
というセリフは今回のキモだと思うんだけど、
このシーンを予告か番宣で使ってるんだよね。
だからカタルシスがない。

あのまま爆弾が爆発しちゃうわけないし、
2人がコンビ解消するわけもないし…。
もうちょっとうまく見せる工夫が欲しいなあ。

あと、金子昇はやっぱりダメ。
美幸と中嶋(長嶋一茂)のカップルがいいだけに
このキャスティングは痛い。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『薔薇の十字架』  第5幕

演出:木村達昭
脚本:浅野妙子
脚本協力:永田優子

このドラマは桐吾(三上博史)と暁(天海祐希)の心情を
すごく丁寧に描いているのがいいんだけど、
今回はさすがに引っ張りすぎだよね。
展開が遅すぎる。

でも、4年が経過して、
澄子(石田ゆり子)の夜の行動が
なわとびからブランコにバージョンアップした(笑)

そして澄子がサエ(中尾ミエ)に一言。
“お母さま、本当は少しも
 ボケてらっしゃらないんじゃありません?”

来るぞ、来るぞ、
次回こそ絶対、来るぞ。
行け、石田ゆり子!

             採点  6.5(10点満点平均6)


『真夜中の雨』  第五話

演出:松原浩
脚本:福田靖

あっという間に院長(長塚京三)に
たどり着いちゃったよ。
早っ!

でも今度は院長が都倉(織田裕二)の
父親という可能性も出てきた。
復讐する相手が実の父親か。
そうなると都倉の心理は複雑だな。

もう結末は見えてしまったような感じだけど、
今回の公開オペまでの過程のように
エンターテイメント性も考慮しながら描ければ
十分に視聴者は引きつけられると思う。

あとはそれぞれの役者のきめ細かい演技で
複雑な心理状態を表現して欲しい。
それだけの役者は揃っていると思うしね。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『ママの遺伝子』  第5話「涙の受験生ブルース」

演出:大岡進
脚本:小松江里子

小姑の出戻り騒動という、
これまたお約束のエピソード。

もうこうなったら頑張っていいところを探そう。
このドラマは、七海(薬師丸ひろ子)の子供たちと
里美(横山めぐみ)の子供が、
大人のマネをして
くだらないケンカをしないところがいい。

10年前のホームドラマは
子供同士もいがみ合うようなシチュエーションにして
それをテレビの前で大人たちが笑っていた。

今思うと実に趣味の悪い設定だけど、
その部分は直っているので好感が持てる。

とくに七海の長男、
龍之介(小池城太朗)のキャラはいい。

彼にこのドラマの行く末をかけよう。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『お見合い放浪記』  最終週 赤い糸の王子様を探して(第17〜20回)

演出:片岡敬司
脚本:大森美香

ディープな話になったなあ。
ただ、正直言って
由寿(水野真紀)の決断はまったく理解できない。

オレが愛について語る資格はない。
語る資格はないけど、やっぱり理解できない。

初めて人を愛することができて、
その相手も真摯に自分を愛そうとしてくれているのに
それでもすぐに結婚できなくてはダメなのか?

 愛<結婚

なのか?
いや、

 愛<愛+結婚

なのは分かる。
しかし…

うーん、まあ、ホントは分からなくもないんだけどね。
ただ性別や年齢層によってかなり意見が分かれそうで、
非常に面白い議論ができそうな
由寿と鶴見(吹越満)の破局だった。

ドラマとしては
千葉(賀集利樹)のキャラクターを
もっと丁寧に描いていれば、
もう少しハッピーエンドを想像させることは
可能だったと思う。

その点においては
エンターテイメント性という意味で
やや甘い構成だったかもしれない。

でも全体的には
予想を遙かに超えて面白い作品だった。

大森美香はまたいい仕事をしたと思う。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  6.70(10点満点平均6)


『リモート』  5

演出:高橋直治
脚本:坂元裕二

やっぱり誰も悪い人はいない(笑)
ま、いっか。

今回は一話完結だったので
バランスがよくなって非常に見やすかった。

前半のコミカルな部分では、
くるみ(深田恭子)と氷室(堂本光一)、
警察署内の会話が弾んでいたし、
後半のシリアスな部分はきちんと締まっていた。

とくに氷室の感情の揺れはよく描けていたと思う。
このバランスで最後までいって欲しいな。

それにしても、今回出てきた
警報装置を外すための暗証番号の覚え方、

18726387089036409
(イヤな任務さ
 はなまる薬丸さん
 無職)

はスゴかったなあ。
最後が(虫よく)でも
けっこうチクっとくるし。

ジャニーズの堂本光一が言うところがまだスゴかった。

             採点  7.0(10点満点平均6)






[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]