タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第121話「石田ゆり子のオモシロ発言はいつまで続くのか」
「薔薇の十字架」が
やっと盛り上がってきた感じ。ただ、この「薔薇の十字架」も
「天才柳沢教授の生活」も
「リモート」も
当初の予定回数より1回少なく終了。こういうのは編成の都合などもあるので
打ち切りではないんだけど、
少なくとも他を圧倒できるほど
視聴率が取れなかったのは事実なんだろうな。ちょっと悲しい。
『逮捕しちゃうぞ』 FILE 7
演出:赤羽博
脚本:吉本昌弘頼子(乙葉)の源氏名が乙葉だったシーンは
もっと演出で笑いを取らないとダメなんじゃないの?でもまあ、今回は悪くなかった。
稲本似の子役がいい芝居をして
夏実(伊東美咲)が泣いた3シーンは
どれもグッとくるものがあったし。ただ、この作品はもともと
役者にうまい演技を求めてないというか、
クオリティーの高い映像を残そうとはしてないので、
とくに力の入ってないシーンになると失笑してしまう。始まったばかりの頃は
そこもうまくB級テイストに消化してたんだけどね。残り2回、
演出と編集はもう少し頑張って欲しい。それにしても
原沙知絵と伊東美咲も貧乳コンビ扱いか。
今、時代は貧乳だな。採点 6.0(10点満点平均6)
『薔薇の十字架』 第8幕
演出:水田成英
脚本:永田優子、浅野妙子“お立ち! お立ちったら!”
石田ゆり子がまた
そんなオモシロ発言をするもんだから、
どうやらサエ(中尾ミエ)が本当に立ち上がって
星児(田中碧海)を連れ去った模様。でもこれで今まで別物のようだった
桐吾(三上博史)・暁(天海祐希)のシーンと
澄子(石田ゆり子)・サエのシーンがリンクした。
いい展開だ。ところで前々から思ってたんだけど、
田中碧海のナチュラルな演技は効果的だなあ。
このおかげで暁が星児を見る目も
本当の母親のようにリアルになってるし。ただ、今回、際立った新たな問題点は、
桐吾のサエに対する接し方。もちろん、自分の母親なんだから
かばうような言動を取っても不思議はないんだけど、
この印象が強すぎて
桐吾がマザコンのように見えてしまうと、
肝心の桐吾・暁のシーンに感情移入ができなくなる。異常な愛情はサエから桐吾に向けてだけ。
そこはきちんとメリハリをつけて描いて欲しい。採点 7.5(10点満点平均6)
『真夜中の雨』 第八話
演出:若松節朗
脚本:福田靖あら?
まだ隠された事実があった、
というのはいい。
でも院長(長塚京三)がいい人過ぎないか?俊介(阿部寛)が院長のオペを
最終的に都倉(織田裕二)に頼む流れも、
プロットをなぞってるだけのようで
盛り上がりに欠けたし。ただ、各脇役キャラの存在意味が明らかになっていくなか、
事務長(石黒賢)、熱川(渡辺いっけい)あたりが
まだ何かやってくれそう。
そこに期待してみよう。採点 6.5(10点満点平均6)
『ママの遺伝子』 第8話「姑VS実家の母、参戦する!」
演出:平野俊一
脚本:小松江里子今回のラストシーンみたいな雰囲気を
全編にちりばめておけばいいのに。カウンターとしての極端なシーンでしか
それを表現できないセンスが悲しい。採点 5.0(10点満点平均6)
『精霊流し〜あなたを忘れない〜』 第三週 別れの時(第9〜12回)
演出:中川秀一
脚本:市川森一この前、矢沢永吉の
「成り上がり」がドラマ化されてたけど、
矢沢永吉は昭和24年生まれ、47年デビュー(キャロル)。
さだまさしは昭和27年生まれ、48年デビュー(グレープ)。いろいろあっても
この時代の人の方が
いい恋をしてたんじゃないか、
って気がするね。まあ、ドラマではあるんだけど。
採点 6.5(10点満点平均6)
『リモート』 8
演出:佐藤東弥
脚本:坂元裕二深田恭子と松本莉緒も
並ぶとスペシャル感があるなあ。そしてドラマはいよいよシリアスな雰囲気に。
ただ、くるみ(深田恭子)の軽いノリが
このドラマの生命線だけに、
期待感はあまりない。最後までうまく
くるみのキャラを活かした
作りにしてくれるといいんだけど。採点 6.5(10点満点平均6)
『おとうさん』 第8話
演出:清弘誠一
脚本:遊川和彦晶(中谷美紀)の結婚パーティーに
士郎(田村正和)が来るシーンや、
最後に優(飯島直子)が蕎麦を食べるシーンは
コテコテだけど良かった。結局、こうしてひとりずつ
珠子(森山良子)に説得されるのかと思うと
何だかなあ、という感じだけど。それにしてもドラマ全体を考えると
珠子の心情を今までほとんど描いてなかったのは
かなり致命的ではないだろうか。アパートも引き払ってまで姿を消して
これ以上好きになってしまうと
士郎さんを困らせるって言われても、
全然感情移入できない。部分的なシーンはいいところもあるけど
全体的な精度はやっぱり高くないな。採点 6.5(10点満点平均6)
『ホーム&アウェイ』 第9話
演出:澤田鎌作
脚本:君塚良一うまい。
ホーム側とアウェイ側を徐々に近づかせて、
今回はついに一緒に旅をさせた。そこにきちんと理由をつけるために
行き先は町子(西田尚美)の実家。ところがそこは侠客の一家だった、
というバカバカしさで笑いを取りながら、
町子の昔の恋のエピソードをメインに
人と人が出会い、別れることを
ドラマのテーマに沿って
実に見やすく仕上げていた。もちろん、
何で長距離バスのドライブイン休憩で
偶然4人が出会えるのか、とか、
あんな理由で警察がパトカーを飛ばしてくれるか、とか、
ムチャクチャな展開は多い。でもこのドラマは
かえで(中山美穂)の結婚までの決意、
父親探しと和解という芯がしっかりしているので
少しぐらいハメを外しても
ドラマ全体が空中分解しない。きついスケジュールでうまく作ってるなあ。
採点 7.5(10点満点平均6)
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