タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第131話「綾→あや」

平山綾が平山あやに改名した。
最初の登場が「いつもふたりで」のテロップ。
十分に売れてるんだから
変える必要もないと思うんだけど…。

大変だな、芸能人って。


『いつもふたりで』  1

プロデュース:鈴木吉弘
演出:中江功
脚本:相沢友子
音楽:吉俣良
主題歌:「Always」光永亮太
制作:フジテレビ
出演:松たか子、坂口憲二、柏原崇、長谷川京子、平山あや、瑛太、西村雅彦、
   佐藤仁美、田山涼成、黒沢年雄、木村多江、深水三章、塚地武雅、秋山竜次、
   滝沢沙織、草村礼子、小木茂光、西牟田恵、正名僕蔵、岡本幸作、
   増本庄一郎、朝加真由美、他

予想通りシンプル、というか
かなりストレートな内容だった。

瑞穂(松たか子)の就職祝いをしようとしていた席で、
ハチ(坂口憲二)が瑞穂の後にくっついていたのは
昔の話だと言った後、
瑞穂の“違うよ”で始まるクチ喧嘩のシーン。

“もうハチじゃないんだ”と瑞穂が言った
雪の中を2人が歩いて帰るシーン。

文芸部の復活を諦めて悪ぶる社長(柏原崇)の前で
“私は夢にやぶれたなんて言い訳しない!
 私は夢を捨てたんです!”
と瑞穂が叫んだシーン。

この3箇所は良かった。
ただ「カンバレ!!」がキーワードというのは
いくらなんでもフツー過ぎないか?
あと「夢は強く願えば必ず叶う」というフレーズも
何度も言われると安っぽく感じられるし。

そのストレートさが狙いなのは分かるけど、
ここまでいくと引く人もいるかもしれない。

演出的には中江トーンが全開という感じ。
ただ、瑞穂のお守りをハチが見つけるシーンは
もっと丁寧に描いた方がよかった。

視聴者に想像させるカットは悪くないんだけど、
あそこはラブホテルでのケンカの後に
瑞穂がお守りを無くしたことに気がついていたので、
ハチを部屋の前でかがませるだけでは分かりにくかった。

いずれにしても、
ストーリーにはさほど引き込まれる要素がないので
毎回、どこまでキモになるシーンを作れるかがカギ。

それさえできれば
平均視聴率15%はキープできそうかな。
(月9でも今やそれだけ取れれば御の字)

嫌いな人はもう初回で見る気をなくしたかもしれないけど
一般的にはウケる作品と見た。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『お義母さんといっしょ』  第1話

プロデュース:杉尾敦弘、小泉守
演出:田島大輔
脚本:金子ありさ
音楽:大谷幸
主題歌:「nostalgia」Every Little Thing
制作:フジテレビ
制作協力:FCC
出演:水野美紀、水前寺清子、トータス松本、海東健、小栗旬、
   宇津井健、冨士真奈美、宮本真希、田口浩正、久我陽子、
   小池徹平、上野樹里、高橋ひとみ、他

地味だけど、予想外に良いドラマになりそう。
どうやら嫁姑問題というより、
血がつながっていない世代の違う女性2人の
友情を描いていく物語らしい。

姑(水前寺清子)がイタリアン好きで
布団で寝るよりベッドの方が好きだったり、
若い嫁(水野美紀)の方がきれい好きだったり、
陰険にならずに2人で言いたいことを言い合ったり、
ステロタイプ的な嫁姑関係にしていない所もいい。

たま代(水野美紀)が流産をして入院している時、
ビデオに録画された子供へのメッセージを
よし江(水前寺清子)が見るシーンは泣けた。

でもまだ初回なので和解するわけもなく、
ラストではたま代がよし江を告訴すると言い出す。

イジメっぱなしにはせず、
簡単に分かり合える展開にもしていない。
「ママの遺伝子」とは大違いの丁寧な構成だ。

もしかしたらシブい秀作になるかも。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『僕の生きる道』  第一話

アソシエイトプロデュース:石原隆
プロデュース:重松圭一、岩田祐二
演出:星護
脚本:橋部敦子
音楽:本間勇輔
主題歌:「世界に一つだけの花」SMAP
制作:関西テレビ、共同テレビ
出演:草なぎ剛、矢田亜希子、小日向文世、森下愛子、大杉漣、谷原章介、
   鳥羽潤、浅野和之、菊池均也、内博貴、綾瀬はるか、浅見れいな、
   市原隼人、上野なつひ、鈴木葉月、岩崎杏里、藤間宇宙、眞野裕子、他

賛否両論だった「いいひと。」以来の
草なぎ剛と星護のコラボレーション。

天使に見たてた病院の待合室の女の子。
ガンを告知され、
呆然と歩く秀雄(草なぎ剛)の横に
整然と並ぶティッシュ配りの人々。

このあたりはバリバリ星護だった。
一方では、明らかに「生きる」を意識した
ブランコに乗る秀雄のカットも入れていたりして…。

どうしても「木更津キャッツアイ」と比較してしまいがちだけど、
支持する層が違うからドラマとしては大丈夫なような気がする。

逆に小日向文世、森下愛子という木更津組が
こちらではどういう演技をするか、
そこらへんに注目しても面白いかもしれないし。

これもストーリーに大逆転があるような作品ではないので
どこまで印象的なシーンを作れるかが問題。

この初回で言えば
秀雄が卵を床に投げつけるシーン。
病院で何かの間違いではないかと取り乱す秀雄に対して、
そうかもしれない、と医師(小日向文世)が
冷静に切り返すシーンなどは見ごたえがあった。

キャストは十分に揃っているので、
今後も小細工せずに真正面から描いて欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『熱烈的中華飯店』

プロデュース:牧野正、瀧山麻土香
演出:鈴木雅之
脚本:林宏司
音楽:大島ミチル
主題歌:「Rainbow」Sowelu
制作:フジテレビ
出演:鈴木京香、二宮和也、椎名桔平、瀬戸朝香、石黒賢、勝村政信、
   東幹久、高橋克実、伊藤四朗、山田明郷、並樹史朗、他

出だしで「新春かくし芸大会」の
中国語劇を想像してしまうのは
日本人の性だな。

少なくともこの初回に関して言えば構成の失敗か。
食王を乗せ忘れるまでに30分はかけ過ぎた。
いや、30分かけるなら
もっと脚本も演出も練るべきだった。

最後のオチも卓球にするなら引っ張りすぎ。
あそこまで引っ張って卓球ではシラけてしまう。

オリジナリティーの無さは今さら言ってもしょうがないけど、
だったらもっと精度を上げないと苦しいだろうな。

次回で完成形を見せないとかなりツライかも。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『HR』  第13話「まずはメイキング」

脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太

2クールなのでこういうものも入れつつ。
でも、大変なことをやってるんですって
自分たちで言うのもいやらしいなあ。

             採点  5.0(10点満点平均6)





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