タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第133話「小日向文世が全開!」
「HERO」や「木更津キャッツアイ」で
お馴染みの小日向文世が、
今期も絶好調だ。「僕の生きる道」「まんてん」というレギュラーに
今週は「HR」にもゲスト出演。今、一番光ってるバイプレイヤーだな。
『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』 第1話
チーフプロデュース:藤井裕也
プロデュース:岡本浩一、次屋尚、千葉行利
監督:国本雅広
脚本:森下直
音楽監督:近藤由起夫、小西香葉
主題歌:「好きだなんて言えない」Fayray
制作:よみうりテレビ、MMJ
出演:真中瞳、りょう、山口もえ、宇崎竜童、倍賞美津子、玉山鉄二、
伊武雅刀、柳沢慎吾、利重剛、佐戸井けん太、鷲尾真知子、
村野武範、田中健、他惜しい! 惜しいなあ。
設定もプロットも悪くない。
ただ、キャスティングが…。決してオリジナリティーがあるわけじゃないけど、
そこそこ過激で救いのないところがいい。
ただ、キャスティングが…。毎回これくらいの内容で作れたら
十分に見る価値はあるだろうな。
ただ、キャスティングが…。本当に惜しい。
採点 6.5(10点満点平均6)
『お義母さんといっしょ』 第2話
演出:田島大輔
脚本:金子ありさやっぱり芯はしっかりしてるな。
ただ、その芯を外れたところは
多少、雑な印象が残った。まず、俊介(海東健)が
ケンカをするシーンの描き方が単純すぎ。
ケンカの理由を直樹(小池徹平)から聞いて、
よし江(水前寺清子)が
なんで俊介を叩いてしまったんだろう、と
悔やむ描写もおかしい。ホストクラブの入口での言い争いは
ケンカの理由よりも
俊介の家族に対する接し方、
たま代(水野美紀)に関する暴言が
主たる理由だったはずだ。あと、大林(宇津井健)の紹介もね。
オンエア前はよし江の昔なじみという発表だったけど、
どうやら義理の兄らしい。
このあたりの設定も
もう少し丁寧に説明しておくべきだろう。でも逆に、
ポスト広末涼子と言われている
上野樹里のオーラを確認できた回でもあった。
小栗旬とのサイドストーリーにも
俄然、興味が湧いてきたな。物語的には早くも良介(トータス松本)が倒れた。
もう少し引っ張るとは思うけど、
今後はよし江、たま代の変化に注目したい。採点 6.0(10点満点平均6)
『僕の生きる道』 第二話
演出:星護
脚本:橋部敦子直球、ド真ん中!という感じ。
これくらい迷いなく描くと気持ちいい。今の若い人には
こういう方が響くかもしれないな。
さすが石原隆だ。今回は、
ずっと小道具として出てきた本が、
いったい何の本なのか、と思わせておいて、
じつは中身は関係なかったという描き方が秀逸。もちろんこれは、
前半に出てきた志望校に偏差値が足りない生徒の
エピソードにも絡めていて、
構成も見事だった。構成という意味では、
自殺、入院、赤ちゃんを見る、母への電話、という流れから、
絶望から覚悟、決意と変わる心理描写もスムーズだった。主治医(小日向文世)が
“君に死ぬ権利はない”
と明言したシーンも印象的。昼間にやっている「ピュア・ラブ」でも
最近、命の尊さを禅宗の老師が説くシーンがあったんだけど、
こういう描き方をみると
本当に死ぬ権利はないのかも、と思えてくる。個人的には
それを他者から強制するのは残酷だと思うけど、
このドラマに関しては内容に沿った良いシーンだった。それにしても小日向文世はまたいい演技をしてるよな。
まだすべてのドラマが始まってるわけじゃないのに
すでに最優秀助演賞は決まってしまった感じ。
今後も草なぎ剛との絡みは見ごたえがありそうだ。そしてやっぱり触れておかなければいけないのは星護の演出。
今回、星護的な演出はかなり抑えていたと思う。
それでも、冷たさと暖かさ、柔らかさと固さが
入り交じったようなフレームは
見事にこの作品の世界観を作っていると思う。こうなると逆に、
他の演出家が担当した回と
ギャップが出てしまわないかと心配になる。最終回までこのトーンで突っ走れるといいんだけど…。
採点 8.0(10点満点平均6)
『熱烈的中華飯店』 第2話
演出:鈴木雅之
脚本:林宏司テンポ悪すぎ。
ていうか、30分の内容を
わざわざ1時間かけて放送した感じ。笑いも効果的に取れているとは言い難いしな。
鈴木京香まで安く見えるから相当なものだ。たぶんもう劇的に良くなることはないと思う。
ただ、厨房に集まった7人の得意技が
少しずつ明らかになっているので、
そこをうまく絡めてくれることに期待しよう。採点 5.0(10点満点平均6)
『刑事★イチロー』 第1話
プロデューサー:森田光則、倉貫健二郎
演出::森田光則
脚本:黒土三男
音楽:本多俊之
主題歌:「いつか」GLAY
挿入歌:「幸せになる、その前に」GLAY
制作:木下プロダクション、TBS
出演:加藤晴彦、菊川怜、津川雅彦、保坂尚輝、野際陽子、とよた真帆、
細川茂樹、温水洋一、笹野高史、真由子、佐藤二朗、井澤健、石橋奈美、他相変わらずの作り。
ある意味、森田光則はいつも予想を裏切らない(笑)まあ、大衆的といえば大衆的なので
好きな人もいるだろう。
気楽に見られて楽しいという人は堪能してください、
としか言えない。菊川怜もこの時期に
こういう作品に出ちゃダメなのになあ。採点 4.5(10点満点平均6)
『HR』 第14話「鷲尾君、捕まる」
脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太今回はかなり面白かった。
お姉さんに化けていた鷲尾(中村獅童)が
宇部(戸田恵子)に脱がされた時に、
店長(小日向文世)が“男だったのかよ!”と
リアクションしたところがとくに。ただ、またオチが甘かったな。
今回は中村獅童の早着替えが見せどころなのは分かるけど、
わざわざお父さんまで出す必要はなかった。
もったいなかった。採点 7.0(10点満点平均6)
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