タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第137話「江角マキコが平野眞と入籍!」


江角マキコが平野眞と入籍した。
…だから何? って話だけど(笑)

平野眞って共同テレビからフジに移ってたんだね。
まあ、もともと共テレはフジの関連会社だからいいんだけど。

ちなみに今まで平野眞が手掛けた作品は、
チーフディレクターとして
「お水の花道」「BRAND」
「新・お水の花道」「さよなら、小津先生」
「ダブルスコア」など。

ディレクターとして
「総理と呼ばないで」「こんな恋のはなし」
「ショムニ」シリーズ
「小市民ケーン」「OUT〜妻たちの犯罪〜」
「やまとなでしこ」「HERO」
「空から降る一億の星」
などがある。

それにしても2人ともバツイチの再婚か。

“結婚を望む者は想像力が足りない
 離婚を望む者は忍耐力が足りない
 再婚を望む者は記憶力が足りない”

って誰かが言ってたよ(笑)


『GOOD LUCK!!』  第2話

演出:土井裕泰
脚本:井上由美子

前回よりも見やすかった。
新海(木村拓哉)が、
コーヒーを飲みながら富樫(黒木瞳)と話すシーン、
トイレで太田(段田安則)と話すシーン、
父親(いかりや長介)に諭されるシーン、
ハンガーで歩実(柴咲コウ)と話すシーン、
と、畳みかけた構成が良かったんだと思う。

まあ、それぞれに言ってる内容は
思いっきりストレートで、
相変わらずこっぱずかしいんだけどね。

ハンガーで歩実が話したエピソードは
たぶん自分のことだと思うけど、
この歩実の両親のことや、
富樫と香田(堤真一)の過去などについては
早めに明らかにして欲しい。

あと、ユンソナは
かなりいいアクセントになっている。
このまま続けて欲しい。
リンクするのはずっと後でいいんじゃないかな。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『いつもふたりで』  4

演出:小林和宏
脚本:相沢友子

原稿を燃やした学校から
はしゃいで帰ってきた瑞穂(松たか子)が、
突然、泣くシーンは良かった。

ただ“振り向いたら殺す”の箇所は、
瑞穂のアップにしちゃダメだろう。
“殺す”にインパクトが出すぎる。

あそこはハチ(坂口憲二)を正面から撮るカットにして、
背中から瑞穂の声が聞こえるようにするべきだった。
細かいことだけど異常に気になった。

あと、込み入ったシーンになると
長谷川京子の実力の無さが露呈してしまう。
ハチに不安な気持ちをぶつけるシーンはかなり酷かったな。

今回は瑞穂がとりあえず夢を諦めるという内容だったけど、
村越(黒澤年男)の“神に否定されたらどうする?”
という問いに対して、
瑞穂に“スッパリ諦める”と言わせてから
小説家になれないと宣告した流れは良かった。

この先、どういう方向へ進むか分からないけど、
一度、極端な部分で瑞穂に決意させたのは
いい展開だったと思う。

やっぱり諦めずに何とか形になるものを残すのか、
編集者として夢を叶えるのか。
…まあ、どっちでもいいか(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)


『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第三話

監督:国本雅広
脚本:森下直

今期の連ドラは全体的にオーソドックスで
気楽に見られる内容のものが多い。
視聴率もそこそこ取っている。

そんな中でこの作品はちょっと異質で、
かなりハードなテーマだ。
当然、視聴率も悪い。
でも意識的にこういう作品を作ろうとする姿勢はいいな。

今回、タマちゃんのシーンで、
そのことを江里(りょう)にズバっと言わせていた。

“ファンタジーを追いかけるより
 現実を直視するべきじゃないんですか”

…でも数字も取らなきゃダメじゃん(笑)

今回は岩崎ひろみと対峙するシーンがあったので
真中瞳には今まで以上に残酷な回だった。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『緋色の記憶 〜美しき愛の秘密〜』  全5回

制作統括:内藤槇介、家喜正男
プロデュース:池端俊二
演出:渡邊孝好
脚本:野沢尚
原作:トマス・H・クック「緋色の記憶」
翻訳:鴻巣友季子
音楽:岩代太郎
制作:NHK、NHKエンタープライズ21、ケイファクトリー
出演:鈴木京香、室井滋、國村隼、市原隼人、岸部一徳、倍賞美津子、
   夏八木勲、銀粉蝶、秋定里穂、中原知南、嶋田久作、他

「喪服のランデヴー」に続き、
海外の名作ミステリーを野沢尚が脚色したドラマ。
スタッフも同じなのでかなり期待して見た。

第1回「追憶」、第4回「凶行」、
第5回「原罪」は良かった。

昭和38年の日本の
片田舎を舞台にした映像は美しかったし、
主人公の目を通して描かれた
自由、愛、罪、そして償いは、
後半、見事にまとめられていたと思う。

ただ、残念だったのは、
美しい女教師・薫(鈴木京香)が愛してしまう
妻子のある同僚教師・藤枝が國村隼だったこと。

最初はてっきり過去に何かあった間柄かと思うくらい、
突然、2人は恋に落ちてしまった。
一目惚れならムリがあるだろう…、國村隼は。

ここに感情移入できなくて
第2回「密会」、第3回「疑心」がダレてしまった。

薫が藤枝に惹かれていく過程が
もっと繊細に描かれていれば、
後半の藤枝の苦悩も、
薫の覚悟と失意も、
ぐっと栄えただろうに。

美しく影のある女教師を演じた鈴木京香、
最近、出まくっている「リリィ・シュシュ」の市原隼人、
「喪服の〜」でも好演していた岸部一徳など、
他の出演陣は良かっただけに、
その点だけが残念だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆






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