タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第140話「“僕生き”小日向文世に続き、森下愛子も」

傑作の予感がしてきた「僕の生きる道」。
小日向文世に続き、
同じ木更津組の森下愛子がまたいい味を出してきた。

両方とも生と死をテーマにした作品だからこそ
この2人の役者から目が離せない。

もちろん、草なぎ剛と矢田亜希子も
十分に魅力を発揮しているし。

「高校教師」の逆転劇はあるのか!?


『いつもふたりで』  5

演出:中江功
脚本:相沢友子

「はねるのトびら」の
塚地武雅と秋山竜次がノッてきたなあ。
最初はちょっと出番が少なかったけど、
今回くらい見せ場を作ってあげてもいいと思う。

あと、今回の見どころは
何と言っても石田未来の涙だな。
高校生の新人作家、手塚幸子役をやってた子。

「やんパパ」でゴマキの妹役もやってた。
あるいはNHKの朝ドラ「さくら」で
大介(えなり弟)が通学途中に恋をしてしまった女の子。

瑞穂(松たか子)に会いに来た時、
自分の意志をきちんと告げながら
申し訳ないという気持ちで
うなだれながら流す涙は美しかった。

で、ストーリー的には
ハチ(坂口憲二)が央子(長谷川京子)に告白して
強引にキスするという展開。

それは別にいいんだけど、
なぜ央子がハチと食事にいった事を
“軽率でした”と言うほど
不破(西村雅彦)を愛しているか、
そこが不鮮明なので感情移入しにくい。

ハチが不破を尊敬できる理由は少しずつ出てきているけど、
央子側の気持ちもきちんと描かないと
ドラマとしては完成度が低くなる。

もったいないなあ。
これだけのキャストを揃えているのに。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第四話

監督:塚本連平
脚本:武田百合子

おいおい、
脚本家と演出家が代わったら
別のドラマになってるよ。

このドラマでゴミ屋敷を扱って
こんなハートウォーミングな展開にしてどうする!

あと、汚職事件はどうなった?
あとで描くにしても、
少しは触れておかないとヘンだろ!

確かに編集長(宇崎竜童)の過去と真意、
夏ミチオ(利重剛)の存在など、
ちゃんと引っ張っているネタもある。

でもメインのゴミ屋敷ネタがこれじゃなあ。
プロデューサーは何やってんだ?

             採点  5.0(10点満点平均6)


『お義母さんといっしょ』  第5話

演出:田島大輔
脚本:金子ありさ、田中江里夏

もし2人(嫁・姑)の絆となる夫(息子)が
死んでしまったらどうしたらいいのか、
という不安と、
唐突にいなくなって言いたいことも言えなかった、
という現実を両方兼ねるために、
病気から事故死という展開にしたんだろうけど、
もう少し丁寧な描き方があったと思うな。

前回から今回の構成に関しても
いちばん盛り上がらない方法を選択してしまった感じだし。

あと、このドラマだけに関した話じゃないけど、
最後を感動的に見せるために
わざとその前をドタバタにするやり方ね。

3人も子供を育てて
自分でも飲食店をやってる母親が、
生焼けのハンバーグを作ったり、
火のついたコンロに布巾を掛けたりするか?

こういうのがドラマの正しい作り方だなんて
本気で思ってる制作者がいたとしたら、
相当、頭にカビが生えてるな。

とにかくテーマは悪くないのに作り方がヘタ。
今期はこういう作品が多い。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『僕の生きる道』  第五話

演出:星護
脚本:橋部敦子

丁寧な作りだ。
草なぎ剛が歌うシーンはちゃんと音声をカットしてるし。
うそうそ(笑)

夢を追うことの覚悟、
今を大切に生きる意味、
そのあたりを単純な動機でアイドルを目指した
愛華(岩崎杏里)を登場させながら、
今までずっと暖めてきた
めぐみ(綾瀬はるか)に伝える形で描いた。

この伝え方が秀雄(草なぎ剛)の生きる姿勢をよく表して
全体のストーリーにもうまく絡めていたと思う。

このドラマは秀雄とみどり(矢田亜希子)の関係が
大きな芯になっているわけだけど、
最初はまったく関心がなかったみどりが
徐々に秀雄に興味を持っていく様子も
こうしたエピソードの組み立ての中で描かれている。
そこがすごく丁寧だと思う。

そしていよいよ秀雄の病気が
まず麗子(森下愛子)に知られる展開に。

この麗子のキャラクターも丁寧な作りなんだよな。
独身だけど人生経験は豊富で、
いろんなことを繊細に感じ取る麗子。
そこが端々で描かれていたからこそ
麗子が最初に気づいても違和感がない。

もちろん、身近な人間にガンを患った人がいたか何かで
クスリの種類を見ただけで分かってしまうということなんだろうけど。

いずれにしても全体のクオリティーは高いな。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『熱烈的中華飯店』  第5話

演出:鈴木雅之
脚本:林宏司

てっきり橋本裕志の脚本かと思ったら
メイン演出・脚本のセットだった。
やっと修正してくれたか。

みんないつの間に
あんな料理がうまくなったんだ、とか、
結局、食べ物を粗末にしなきゃ
この手のドラマは作れないのか、とか、
いろいろ不満もあるけど、
今までの中では一番良かった。

最低限、この雰囲気で作って欲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『最後の弁護人』  第4話

演出:佐久間紀佳
脚本:秦建日子

また結論を先に持ってくる構成だったけど
今回もクオリティーは高かった。

謎解きだけに頼ってないところがいい。
最後のスーツのエピソードも
全体を引き締める上で効果的だったし。

ただ、あんまり検察と警察のマヌケさを
強調しない方がいいな。
そこだけ気をつけて欲しい。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『刑事★イチロー』  第4話

演出:高野英治
脚本:黒土三男

くだらないドラマであることは了解済みなんだけど、
何で「イチロー」だったんだろうな。

まあ、せめてそのあたりでインパクトを出さないと
見どころは何もないんだけど。

ていうか、インパクト出てるか?(笑)

             採点  4.5(10点満点平均6)


『HR』  第17話「さよなら、和久井さん」

脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太

今回は大きなミスもなくて良かった。
初回からのストーリーのつながりもあって
面白かったと思う。

ただ、これで本当に和久井さん(白井晃)を
メンバーから外してしまうんだろうか。
もったいないな。

ていうか、
ゲストも含めてメンバーの出入りが激しすぎる。
レギュラーメンバーでも十分に面白く作れるのに。

出演スケジュールや
稽古時間の負担を考えてのことなんだろうけど、
これだけ鳴り物入りで始めたんだから
固定のメンバーで最後まで作って欲しかった。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『恋は戦い!』  Round 5

演出:片山修
脚本:尾崎将也

もともと綱渡りの作品だけど
こうなるともう悪い方に転がっていく。
いいところを探そうと思ってもムリだ。

見るに耐える作品にするには
やっぱり杏子(坂井真紀)とゆかり(宝生舞)に
時間を割くしかない。

             採点  4.5(10点満点平均6)


『美女か野獣』  STORY 5

演出:西谷弘
脚本:吉田智子

志の低いドラマだな。
出演者が豪華なだけに
見るのがつらくなってきた。

それにしても
また“私におまかせください”ネタをやったよ。
今度は英語で。

あと、合コンに来たスッチーは
エア・ドリームのスッチーだった。
桜子(「やまとなでしこ」の松嶋菜々子)の会社じゃねえかよ!

もうそういう所だけだな、このドラマのフックは。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『年下の男』  第五回

演出:佐々木章光
脚本:内舘牧子

面白くなってきたぞ。
作品全体としては
肝心の伊崎(高橋克典)、花枝(風吹ジュン)ラインに
興味が持てないのが致命的だけど、
亜沙美(星野真里)まで輪に加わってきて
見どころが多くなってきた。

どうせなら亜佐美は2人の男にフラれて
さらに年下の小学生とつき合うという展開はどうだろう。
それはないない(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)







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