タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第141話「“IWGP”2時間スペシャル決定!」


すでに伝説化している
宮藤官九郎脚本、堤幸彦演出の
「池袋ウエストゲートパーク」が
春に2時間スペシャルで放送されることになった。

あれから3年後、という話。
しかし、今、
長瀬智也、窪塚洋介、妻夫木聡、坂口憲二が揃うと
相当強力だな。

これが春の改編期の目玉か?


『高校教師』  VOL.5 真夜中の対決

演出:今井夏木
脚本:野島伸司

悠次(成宮寛貴)がいくらクスリに詳しいからといって
横流ししている程度で脳腫瘍に関するのクスリを判別できるのか。
クスリを飲む時間が少し遅れただけで
湖賀(藤木直人)の症状があそこまで悪化するものなのか。
クスリを飲んだ途端に症状が回復するほど
即効性のあるクスリをこんなに早い段階から飲むものなのか。
などなど、今回は設定そのものに疑問点が多かった。

もちろん、
これらはかなり医学的な知識がないと正確には判別できないので
何とも言えないんだけど。

湖賀が学校の教室のガラスを割る場面は
野島伸司が誤解を受ける典型的なシーンかも。
個人的にはこのドラマのテーマに即したものだと思うので
あのシーンに関しての疑問はなかった。
成宮寛貴の役作りについては依然として疑問があるけどね。

今回、一番印象に残ったのは
むしろ藤村(京本政樹)のセリフか。

“僕の中には相反する2つのタイプがあってね。
 健康的で健全な人に惹かれる気持ちと
 一方でメンタルで分かり合える…、
 いや、分かり合えなくてもいい。
 情緒の深さ、ある種の病的な深度が似ている人に
 惹かれる気持ちがあるんだ”

こういうことをハッキリ言うところが野島伸司らしい。
つまり、野島伸司のドラマは難解なようで
実はとても分かりやすいんだな。

橘(眞野あずさ)の旦那が
ガンで死んでいることが明かされた今回。
やっぱり橘の真意が早く知りたい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『スカイハイ』  第四死 逆転

演出:麻生学
脚本:小川智子

ほらね?
死んだ人間に記憶があった方が分かりやすいでしょ?

少なくとも現代において、
今回のテーマはこのドラマに最も合っているものだった。
そういう意味でも見ごたえはあったと思う。

ただ、やっぱり結論は出ないんだよね。
イジメがなくならないことに変わりはないし。

それにこの描き方だと
死んだ麻美(新山千春)が脅かしたから
あのバカ女3人も反省して
光恵(田中千絵)はあのあと平和に暮らせた、
とも取れる。

つまり、今イジメに悩んでいる人が見たら、
あ、そうか、呪い殺せなくても
現世に漂ってイジメたヤツを脅かしまくればいいのか、
と思うかもしれない。
死んでも携帯にメールは送れるみたいだしね(笑)

このテーマで描くなら
もう少しイジメに悩んでいる人にとっても
希望が持てるような内容にして欲しかったな。

あと、最後のまとめが
“人間にとって楽しい記憶とは
 たった一瞬でもこれほどの意味を持つものなのか”
だったのもどうなんだろう。
もう少し直接的なまとめの方が良かったと思うけど。

それでもまあ、今までの中では一番良かった。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『よい子の味方 〜新米保育士物語〜』  4

演出:大谷太郎
脚本:梅田みか

このドラマはこれでOK。
何で保育士がそんなことまでするんだよ、とか、
仕事中にアポ無しで会社に押し掛けるなんて
社会人として間違ってるだろう、とか、
そういうこと言わない(笑)
2度目は一応、昼休みに行ったりしてるしね。

でも、戸田菜穂の仕事は秘書がよかったなあ。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『GOOD LUCK!!』  第4話

演出:平野俊一
脚本:井上由美子

特別チャーター便に関するくだりは
かなり脚色もあっただろうけど、
香田(堤真一)・富樫(黒木瞳)との関係を絡めて、
エンターテイメント性とシリアスなドラマ性を
うまく描いていたと思う。

ただ、やっぱり個人的には
木村拓哉の表現力にひく場面が多い。
とくに台湾から帰国したあと、
会社でずっと待っていた新海(木村拓哉)が
富樫と話すシーン。

この第4話全体でも重要なシーンだっただけに
もっと自然な会話で伝えて欲しかった。
もちろん、あれが木村拓哉の考える
ナチュラルな表現なんだろうけど。

歩実(柴咲コウ)のキャラは
どんどん明確になって良くなっている。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『いつもふたりで』  6

演出:平井秀樹
脚本:相沢友子

塚地武雅と秋山竜次が
月9でシリアスな演技してる(笑)

まあ、それはいいんだけど、
ストーリー的にはまた何のヒネリもない
フツーのエピソードの積み重ねになっちゃったな。
直之(葛山信吾)の反応なんて
もう何百回ドラマで見たことか。

前回も少し匂わせてはいたけど、
主人公の2人に関しては
いよいよ本格的に瑞穂(松たか子)自身が
ハチ(坂口憲二)への気持ちに気がつくという展開。

直之や央子(長谷川京子)の絡み方が
今のところありきたりなので、
そこに何とか変化をつけてもらいたい。

あとはハチの描き方かな。
ちょっと弱々過ぎないか?
もう少し魅力的に描いておかないと
結末に説得力が出ないような気がする。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』  第五話

監督:塚本連平
脚本:森下直

全体的に余韻の残るカットが少なくて
ずっとバタバタとした感じだった。
でも後半、内容で持ち直したかな。

ちょっと硬質な印象は薄れたけど、
この程度ならいいと思う。

今回は山口もえがかなり頑張った。
意外とせつない感じが出てたぞ。
ただ依然として真中瞳は…。

             採点  6.5(10点満点平均6)





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