タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第147話「“みにくいアヒルの子”がスペシャルで」
岸谷五朗と常盤貴子の「みにくいアヒルの子」が
SPとして4月11日に放送されることが決まった。連ドラからは7年。
前回のSPからは5年ぶりということになる。当時の小学生役だった子も出ないかな。
末永遙とか、浜丘麻矢とか。非常に楽しみだ。
『いつもふたりで』 9
演出:中江功
脚本:相沢友子ストーリーは限りなく予定調和的。
でもラストはさすがに良かった。中江演出と松たか子の演技力。
見事な出来だったと思う。不破(西村雅彦)が離婚したことを
央子(長谷川京子)に黙っていたり、
瑞穂(松たか子)が不破の元へ行く央子を
ムリに留めなかったりする人間くさい部分も良かった。ただ、あの央子がタクシーに乗る場面、
瑞穂も同じ場所にいさせるために、
わざわざハチ(坂口憲二)が
瑞穂に行ってくれと電話で頼み、
ほとんど同時にハチも到着するというのはあんまりじゃないか?
あそこはもう少し工夫して欲しかった。個人的には
瑞穂が村越(黒沢年雄)と公園のベンチで話す場面で、
ハチをただの幼なじみだと説明しながら
“つまり好きなんですけどね、わたしは”
と言ったシーンが好きだった。採点 7.0(10点満点平均6)
『メッセージ 〜言葉が、裏切っていく〜』 第七話
監督:国本雅広
脚本:武田百合子脚本は四話と同じ武田百合子。
内容は悪くなかったと思うけど、
少年犯罪を扱いながら
その報道という観点からは
踏み込み方が足らなかったと思う。
まあ、おそらく武田百合子だけの責任じゃないけどね。次回が最終回なので
結局、当初の予定より2話短縮になった感じ。ずいぶん前から打ち切りの噂は流れていたから
もしかしたら歩(山口もえ)の父親の
汚職事件がカットされたのかもしれないな。ただ、今回の復讐の話と
最終回のテーマはつながりがあるようなので、
これはおそらく予定通りなんだと思う。次回、期待してみよう。
採点 6.5(10点満点平均6)
『お義母さんといっしょ』 第9話
演出:高丸雅隆
脚本:金子ありさ今回のラストは
このドラマで一番描きたかった部分なので、
さすがにグッとくるものがあった。ただやっぱりそこへ至る前半部分の描き方が雑。
肉付けの細かいセリフに工夫がない。もったいないな。
採点 5.5(10点満点平均6)
『僕の生きる道』 第九話
演出:三宅喜重
脚本:橋部敦子最後にみどり(矢田亜希子)が言った
“写真が欲しいです”
にはカタルシスがあったなあ。今回は秀雄(草なぎ剛)の遺影についての話と
生徒たちが合唱を続けること、
どちらも今生きている足跡を残す
という意味で共通していたわけだけど、
それが最後のみどりの言葉で
ハッキリと意思表示されたようだった。病院の外で生徒たちが歌うシーンなどは
ファンタジックな描写でリアリティーはない。
ただ、ドラマ全体の構成を考えると違和感はなかった。合唱というアイテムを直接的に取り入れ、
かなり違和感があった前回に比べると
だいぶ自然に見られる作りだった。それにしてもこのドラマは回想シーンの入れ方がうまいな。
6話のラストでみどりが号泣する場面で流れた
回想シーンも効果的だったけど、
今回、生徒たちが秀雄の病気を知った場面での使われ方もうまかった。ワンシーン、ワンシーンを、丁寧に撮っているからこそ
回想で再び使われても重さが出るんだよな。採点 7.5(10点満点平均6)
『熱烈的中華飯店』 第9話
演出:成田岳
脚本:成田良美「王様のレストラン」の7話と内容がかぶり過ぎ。
どうせなら陰で鈴木京香に
“坊や、お口が動いてませんよ”
とか言わせればよかったのに。とりあえず橘(鈴木京香)が
自分自身の仕事に対する姿勢に悩み、
最終回へ、という展開に。姿を消すっていう描写も
船の中なんだからピンと来なかったけど
まあ、最後はうまくまとめてくれると信じよう。採点 5.5(10点満点平均6)
『HR』 第20話「学級閉鎖」
脚本・総合演出:三谷幸喜
映像演出:河野圭太香取慎吾がまた
前半のようなテンションが高すぎる演技をしていたけど、
今回は藤村俊二のひょうひょうとした演技との対比が絶妙で
かなり完成度は高かった。連続ドラマとしても面白い。
でも、もうすぐ終わっちゃうんだよな。
後半、ペースをつかんできただけに残念だ。採点 7.0(10点満点平均6)
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