タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第155話「春クールがスタート! 思ったほど悪くない?」


まだ半分も始まってないんだけど、
思ったほど悪くないクールかも、という予感。
出揃ったら期待度を修正せねば。

で、先週いちばん笑ったのは、
「ファンタ」のCMの将軍先生(笑)


『マルサ!!』  MISSION 1

プロデュース:安藤和久(関西テレビ)、指田貴行、神山明子、塚田哲也
演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司
音楽:住友紀人
主題歌「GET HAPPY」星村麻衣
制作協力:ジェニック、テレビ朝日クリエイト、TMCレモンスタジオ
制作:関西テレビ、アズバーズ
出演:江角マキコ、渡哲也、東幹久、香川照之、三宅健、佐藤二朗、猫背椿、
   永井大、池田真紀、山田辰夫、嶋尾康史、他


やっぱりオリジナリティーは感じなかった。
江角マキコのキャラもなあ…。

ただ、最近の連ドラとしては渡哲也の使い方が新鮮だったし、
冷静なキャラの香川照之もいい。

出だしのお色気、初回のラーメンネタなど、
作為的な部分も見えたけど、
全体的にはそつなくまとめていた方だと思う。

まあ、普通のドラマか。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『ダイヤモンドガール』  第1話

企画::石原隆
プロデュース:稲田秀樹、矢吹東
演出:小椋久雄
脚本:川嶋澄乃
脚本協力:山浦雅大
音楽:本間勇輔
主題歌:「Shout It Out」観月ありさ
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:観月ありさ、岸谷五朗、原沙知絵、谷原章介、勝村政信、白河由美、
   濱田マリ、国分佐智子、大島さと子、鷲尾真知子、正名僕蔵、牛尾田恭代、
   須賀貴匡、大塚安里、宝積有香、氏家恵、卜字たかお、他


ホントにコメディーなのか?

まあ、初回はとりあえず設定の説明が中心だから
笑いが少ないのはいいとして、テンポ悪すぎ。
ていうか、脚本が古過ぎ。

道でぶつかるのが出会いのキッカケとか、
コピーする書類と捨てる書類を間違えるとか、
朝まで一緒にゴミ捨て場で無くした書類を探すとか、
いつの時代のドラマやねん。

キャストは揃ってるのにもったいないなあ。
次回がダメならツライかも。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『ホットマン』  第1話

プロデュース:松井洋子、和田豊彦
演出:中島悟
脚本:樫田正剛
原作:「ホットマン」きたがわ翔
主題歌:「Together」EXILE
挿入歌:「うたかた」YeLLOW Generation
制作:AVEC、TBS
出演:反町隆史、矢田亜希子、小西真奈美、市川由衣、斉藤祥太、斉藤慶太、
   内山菜々、黒谷友香、久我陽子、深水元基、中野英雄、石井愃一、平沼紀久、
   脇知宏、山素由湖、一柳みる、キラーカン、正岡志奈子、津乃村真子、他


これはイイ!
反町隆史の演技がヘンに作り込んでなくて、
矢田亜希子も小西真奈美も自然。

斎藤祥太と斉藤慶太の兄弟は
「キッズ・ウォー」の時とは逆で、
祥太がヤンチャな方になっていたけど、
これも正解だったと思う。

それにしても、
七海(山内菜々)の可愛さはもう反則だな。

アトピー治してあげたい!
…と、親の気持ちになって見ると涙が50%増し。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『あなたの人生お運びします』  第1話

プロデュース:植田博樹
演出:生野慈朗
脚本:大石静
主題歌:「What's the answer?」Retro G-Style
タイトル画:新垣仁絵
製作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:藤原紀香、山口智充、加賀まりこ、橋爪功、江波杏子、佐々木蔵之介、
   宮本真希、小池栄子、田口浩正、椎名法子、小池徹平、二反田雅澄、
   鈴木史朗(ナレーション)、他


やっぱり大石静はうまいな。
必要最小限のエピソードを盛り込んで、
テンポ良く初回をまとめた。

「ダイヤモンドガール」と比べると
脚本の差が明らかに分かって面白い。

大石静は「ふたりっ子」や「オードリー」も書いているせいか
ちょっとNHKの朝ドラっぽい雰囲気があるんだけど、
プライムタイムのドラマとしてはかえって新鮮味がある。

藤原紀香も大阪弁だとかなり自然だし、
加賀まりこ・江波杏子コンビを始めとする脇役も
適材適所でいいキャスティング。
この作品は当たりかもしれない。

主役夫婦の名字が「寺田」ではなく「上原」だったので
アート引越センターの名前は出てこないんだろうけど、
「0123」というアート引越センターの電話番号は、
この引越事業を始めた時から続いているものらしい。
(実際は運送業の設立が68年で引越事業は77年から)

将来の発展を期待して
寺田千代乃(実際のアート社長)が選んだんだって。

あと、アートという社名も、
電話帳のトップに名前が来るように
引越事業を始めた時につけたんだとか。

まさにリアリティーのあるサクセスストーリーだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ブラックジャックによろしく』  第1話

チーフプロデュース:貴島誠一郎
プロデュース:伊與田英徳
演出:平野俊一
脚本:後藤法子
原作:佐藤秀峰『ブラックジャックによろしく』
音楽:長谷部徹
主題歌:「LIFE is...〜another story〜」平井堅
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:妻夫木聡、鈴木京香、加藤浩次、緒形拳、三浦友和、杉本哲太、伊藤四朗、
   泉ピン子、小林薫、岩松了、松尾政寿、綾瀬はるか、今井陽子、他


やっぱり全体のクオリティーはかなり高い。
お金もかけてる感じだし。

斉藤(妻夫木聡)がひとりで当直した夜のシーンは
過剰演出という気もしたけど、
初回からインパクトを強調したかったんだろうな。

妻夫木聡は医療の現実を伝える役目としての
ピュアな雰囲気がよく出ている。
鈴木京香はこういう役をやるとホントに色っぽい。

もうこのドラマはどこまでやるか、という問題だな。
じっくり見ていこう。

             採点  7.5(10点満点平均6)



『OL銭道』  第一話 銭街道に舞う一千万円

チーフプロデュース:五十嵐文郎(テレビ朝日)
協力プロデュース:両沢和幸
プロデュース:三輪祐見子(テレビ朝日)、佐藤直樹(角川大映映画)
       有重陽一(角川大映映画)、和泉吉秋(角川大映映画)
演出:塚本連平
脚本:高橋ナツコ
原案:青木雄二(小学館『女性セブン』)
音楽:五十嵐淳一
オープニングテーマ:「A Quick Drunkard」東京スカパラダイスオーケストラ
エンディングテーマ:「Something Beautiful」Robbie Williams
制作:テレビ朝日、角川大映映画
出演:菊川怜、沢村一樹、佐藤藍子北川弘美、有坂来瞳、高田聖子、藤森夕子、
   小林幸子、山下真司、椋木美羽、石塚義之、螢雪次朗、他


思ったより悪くない。
確かにチープなドラマではあるけど、
作品全体のトーンはしっかり考えて作られていると思う。

とくに高田聖子と佐藤藍子は
この手のドラマで何をすべきか分かっていて見ていて安心。
山下真司と小林幸子もそんなにジャマになってなかった。
藤森夕子の扱いはちょっと涙を誘うけどな(笑)

肝心の菊川怜は、
当然、うまくはないけど頑張ってるのは分かる。
やさしく見守ってあげたい気もしてきた。

いずれにしても
見るのがツライというほどのドラマじゃなくてよかった。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『女将になります』  第1週「夢みつけた」

制作統括:内藤愼介、佐野元彦
プロデュース:大山勝美
演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子
原案:「旅館の女将に就職します」倉澤紀久子
音楽:沢田完
主題歌「元気を出して」島谷ひとみ
制作:NHK、NHKエンタープライズ21、カズモ
出演:酒井法子、高橋恵子、小林稔侍、山本太郎、中山忍、持田真樹、
   松井涼子、大谷みつほ、河相我聞、西尾まり、木内晶子、大河内浩、
   塩沢とき、田村たがめ、椿真由美、上原真希子、小林美江、鯨エマ、
   野村五十鈴、豊川栄順、稲生雅美、他


NHK深夜の連ドラ、新シリーズ。
実在する女将養成学校のノンフィクションをドラマ化したもの。
ドラマの作りとしては新しさが感じられず、
出だしはかなりキビシイ印象だった。

ただ、酒井法子はやっぱり芝居のカンがいいし、
高橋恵子の女将姿も色っぽい。
本格的に女将塾が始まる第2週以降に期待してみよう。

木内晶子にも女将塾の生徒側に入って欲しかったな。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『女将になります』  第2週「マニュアルなし」

演出:堀川とんこう
脚本:小松江里子

バカみたいに何も知らない塾生や、
塾生同士のお決まりの対立など、
ドラマの外枠となる部分が単純すぎ。

後半、人間ドラマが垣間見られるようになってからは
多少面白く感じられたけど。

もうだいたい出来は分かっちゃったな。
新シリーズ1作目なら
もう少し作品を吟味して欲しかった。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『ご近所探偵TONOE』

制作:内藤敏雄、武藤克彦
企画:浜野隆、尾越浩文、柊田亮造
プロデュース:伊藤満、他
ディレクター:鬼頭理三
監督:堤幸彦
脚本:小原信治
原作:戸梶圭太「ご近所探偵TOMOE」
音楽:見岳学、武内享
主題歌:「ポルターガイスト」小嶋麻由美
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:TIMESIM、WOWOW、ポニーキャニオン、カルチュア・パブリッシャーズ
出演:野波麻帆、宮藤官九郎、石橋蓮司、銀粉蝶、原知佐子、IZAM、麿赤兒
   浜丘麻矢、武内享、浜崎貴司、他


期待して見たWOWOWの「ドラマW・第2弾」。
民放地上波ではできないことを、という気持ちは分かるけど、
堤幸彦が思いっきり遊び過ぎた。

自由にやらせるのも考えものだな。

             採点  4.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆



『みにくいアヒルの子』  涙の再会スペシャル

企画:小林義和
プロデュース:保原賢一郎、多治見薫
演出:林徹
脚本:水橋文美江
音楽:石田勝範
主題歌:「君を忘れない」松山千春
制作:フジテレビ
出演:岸谷五朗、常盤貴子、原田泰造、大杉漣、田口浩正、小倉久寛、升毅、
   あめくみちこ、東根作寿英、江川有未、伊藤淳史、小出由華、浜丘麻矢、
   大村彩子、大野紋香、印部良、田中巧、高橋由衣夏、江成大輝、佐々木和穂、
   杉田まいと、渋谷桃子、関根直之、佐々木恵理、鳥居紀彦、増岡優、吉田和彦、
   秋山理美、渋谷泰蔵、竹島由夏、大平麻衣、森田夏姫、森安加代子、他


連ドラから7年、
前回のスペシャルから5年、
まったく雰囲気は変わっていなかった。

内容的にもただの記念碑的な側面だけじゃなくて、
北海道での“卒業しても先生でいられるか”という問題と
東京でかつての教え子たちと再会したエピソードをうまく絡めて、
単発モノとしても十分に見ごたえがあった。

ガースケ(岸谷五朗)とマチャコ(常盤貴子)の絡みを
もっと見たかったという気持ちもあるけど、
先生と生徒に焦点を絞った構成は良かったと思う。

残念だったのは、
かつての教え子が全員集まらなかったこと。
やっぱり末永遙はムリだったか。

奇跡の美少女だった大野紋香が出たのはうれしかったけど、
やっぱり昔の輝きはなかったな(笑)

このドラマの美和子役よりも
「ウゴウゴルーガ」のルーガちゃんの方が有名な小出由華も18歳。
彼女が一番いい感じで大人になっている。
しっかりアイドルをやって欲しい感じだ。

果たしてこのドラマに次回はあるのか?
ガースケとマチャコが結婚してない以上、
またいつかやって欲しい。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆





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