タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第156話「やっぱり相当見ごたえのあるクールかも」

視聴率はそんなに良くない。
20%を超えた作品は今のところない。

でも実際はバラエティーに富んだ内容で、
必ずツボにハマる作品があるはず。
あきらめずに探して欲しい。

まあ、そこまでしてドラマ見なくてもいいんだけど…。



『笑顔の法則』  第一話

プロデュース:伊佐野英樹
演出:清弘誠
脚本:寺田敏雄
音楽:中川幸太郎
主題歌:「眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ」柴咲コウ
制作:TBSエンタテイメント、TBS
出演:竹内結子、阿部寛、野際陽子、陣内孝則、西島秀俊、櫻井淳子、
   高橋克実、柴田理恵、宮地真緒、新谷真弓、升毅、滝沢沙織、
   戸田昌宏、斉藤陽一郎、三遊亭遊三、岡田尚太郎、他

登場人物のキャラがみんな良くない。
陣内孝則や高橋克実のこういう役も見飽きたし。

漫画家に関する話と温泉モノを合体させた企画は
まあ、アリだと思うけど、
ストーリー展開が強引で脚本自体もいいとは思えなかった。

西島秀俊が本格的に絡んでくれば
少しはまともになるのかな。

柴咲コウの歌が流れるエンディングロールだけは良かった。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『こちら本池上署』  第1回 署長降格?

プロデュース:森下和清
演出:脇田時三
脚本:横田与志
原案:『警察署長』たかもちげん/やぶうちゆうき
主題歌:「Sine」NANA KATASE
制作:テレパック、TBS
出演:高嶋政伸、水野真紀、橋爪功、金子賢、野波麻帆、佐藤B作、知念里奈、
   ベンガル、田口浩正、池内万作、もたいまさこ、星由里子、加護亜依、
   伊藤榮子、伊原剛志、西岡徳馬、岡本竜汰、田辺伸之助、佐藤未来、他

別にレビューするようなドラマではないんだけど(笑)、
くだらない作品ではないので一応。

前作と変わらず思いっきり分かりやすい作風。
でも、それを真正面から堂々と作ってあるところに好感が持てる。

それにしても野波麻帆はどんどん色っぽくなっていくな。
ていうか、ちょっとエロいな。
知念里奈も頑張らないと(笑)

             採点  6.0(10点満点平均6)



『東京ラブ・シネマ』  Film 1

プロデュース:中島久美子、樋口徹
演出:平野眞
脚本:藤本有紀
音楽:上田益
主題歌:「恋するふたり」大滝詠一
挿入歌:「ラジオスターの悲劇」バグルス
制作:フジテレビ
出演:江口洋介、財前直見、宮迫博之、伊東美咲、白石美穂、玉山鉄二、
   浅田美代子、竹中直人、鷲尾いさ子、石川亜沙美、高岡蒼佑、荒川良々、他

企画は悪くないかも。
ただ、業界モノ特有の説明っぽいセリフ、
リズミカルでないコメディーシーンなど、
かなり引っかかったところもあった。

キャストは揃っているので
こなれてくればもう少しスムーズになるかもしれないけど。

恋愛がかなり入り組んでいる部分は面白い。
その中で鷲尾いさ子の起用はかなり効果的だ。
大学時代の恋人ってピッタリじゃん。

大まかなストーリーはミエミエなので、
一話一話のエピソードと恋の進行具合がキモだな。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『伝説のマダム』  第1話

チーフプロデュース:藤井裕也(よみうりテレビ)
プロデュース:前西和成、堀口良則(よみうりテレビ)
       大森美孝、大沼睦美(日本テレビエンタープライズ)
演出:藤井裕也
脚本:野依美幸(アシスト:マダム・マリ)
原作:横谷順子「男たちのウエディング・ウエディング」
音楽:中村竜哉
主題歌:「孤独なカウボーイ」矢井田瞳
制作:よみうりテレビ
制作協力:日本テレビエンタープライズ
出演:桃井かおり、永作博美、草刈正雄、高田万由子、大浦龍宇一、
   日野陽仁、杉崎政宏、他

相当、面白い。
ちょっと想像とは違ったんだけど、
いい方向に裏切られた感じだ。

教会の懺悔室を通じて
マダム・マリ(桃井かおり)とコンタクトが取れる、
というあたりの設定では
エンターテイメント性も十分あって、
毎回登場するであろう花嫁を通しての
恋愛・結婚に関するエピソードでは
シリアスな部分も描くことができる。

構成、演出が非常に良くて
作品全体としてのまとまりを感じた。

マダム・マリのキャラクターも
完全に悟りきっている人間ではなく、
自ら悩みながら花嫁に幸せとは何か、
結婚とは何かをアドバイスしていくところがいい。

この初回は、
永作博美をメンバーに入れるという都合があったため、
相手が死んでしまうという展開になった。

いきなりこのストーリーは無しだろう、
という気もしたけど、
とにかく全体の作りに統一した意思を感じたので、
次回以降に期待感を抱けた。

最後の目覚まし時計の使い方なんかは
結構、泣ける演出だったしね。

これが今期の大穴かも。

ところで、これもコミック原作だったんだね。
(ちなみにこの初回はオリジナルストーリーだったらしい)
かなり昔に雑誌掲載された作品で、
今回のドラマ化を期に初めて単行本発売されたらしい。

原作者本人のHPでも、
自ら「原作者が無名なので漫画原作であることに気づいてもらえない」
と嘆いていた(笑)

設定や作品の雰囲気などは原作と違うんだろうけど、
ドラマとしてはしっかり作ってある。

こういう形で昔の本が日の目をみるのはいいことだと思う。
ずっと企画を温めていたというスタッフはエライな。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『顔』  第1回

企画:清水賢治
プロデュース:高橋萬彦、後藤博幸
演出:土方政人
脚本:高橋留美
原作:横山秀夫「顔 FACE」
音楽:佐藤直紀
主題歌:「君があなたが」Nao
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:仲間由紀恵、オダギリジョー、京野ことみ、海東健、益岡徹、余貴美子、
   近藤芳正、矢島健一、品川祐、升毅、河原さぶ、田中律子、黒坂真美、
   田中哲司、菅原大吉、渡辺憲吉、立川絵理、山岸史卓、北山雅康、
   御子柴哲郎、出口正義、浅沼晋平、他

キャラクターが固まってない感じ。
だから時間帯によって別のドラマみたいだった。

リアリティーはないかもしれないけど、
瑞穂(仲間由紀恵)と西島(オダギリジョー)が
2人で捜査を始めた後半の方が見やすかったな。

今後は瑞穂と西島の明かされていない過去を軸に、
毎回、別のエピソードで構成していくんだと思う。
とにかく全体のトーンを統一するのが急務だ。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『マルサ!!』  MISSION 2

演出:若松節朗
脚本:戸田山雅司

やっぱり国領(渡哲也)は大物か。
査察総括第三課の存在意味も
裏ストーリーとしてありそうなので、
そうなると面白みは増しそうだ。

ていうか、だったら余計に江角マキコが浮いてるな。
このキャラでやるなら別の主役で見たかった。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ダイヤモンドガール』  第2話

演出:村上正典
脚本:山浦雅大

早めに麗香(観月ありさ)と慎一郎(谷原章介)を会わせたのは正解。
鍋島(岸谷五朗)が扱っていた案件のエピソードから
鍋島が麗香に対して「お前はバカじゃない」と言わせたのも正解。

今回、脚本をひとりで書いた山浦雅大は
「オカンは宇宙を支配する」で
フジテレビのヤングシナリオ大賞を取った人だね。

「オカアンは〜」はアイディア一発という感じがして、
それほどうまいセリフまわしがあった印象はないけど、
今回みたいにまとめられるなら基礎はしっかりしてそう。

初回より2回目の方が書きやすいのは当然だけど、
しばらく山浦雅大の脚本で見たいな。

ドラマ全体としても少し光が差してきた。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『きみはペット』  1. 美少年の飼い方

プロデュース:鈴木早苗、濱田明子
演出:金子文紀
脚本:大森美香
原作:緒川彌生「きみはペット」
主題歌:「Darling」V6
制作:TBSエンタテイメント、TBS
出演:小雪、松本潤、田辺誠一、長塚京三、渡辺いっけい、鈴木紗理奈、
   山下真司、酒井若菜、瑛太、上原美佐、石原さとみ、光石研、マギー、
   佐藤隆太、乙葉、山咲トオル、団時朗、長野博、他

ドラマ化は意外に難しいのでは、
と思われたけど、
スタッフが優秀なせいかうまくまとめていた。

「きみはペット」というタイトルで引いてしまった人も
ナチュラルな気持ちで見ると楽しめるかもしれない。

かなり出演者が多いので、
脇役のキャラをうまく立たせられるかどうかがカギ。
まあ、大森美香だからあんまり心配してないけどね。

女性の演出家の回で雰囲気が変わるのか、
そこはちょっと興味深く見てみよう。

ところで全然関係ないけど、
濱ちゃん、プロデューサーになっとるやないけ。
スタッフロールの最後で笑ってもうたがな。
また日記書いてや(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)



『新・夜逃げ屋本舗』  第1話

企画:鈴木光
チーフプロデュース:井上健
プロデュース:西憲彦、藤田義徳、渡辺正子
監督:原隆仁
脚本:真崎慎
音楽:大谷幸
音楽プロデュース:裕木陽
主題歌:「立ち上がれ」中村雅俊
制作:光和インターナショナル、日本テレビ
制作協力:日活撮影所、フェローピクチャーズ
出演:中村雅俊、瀬戸朝香、田畑智子、安居剣一郎、生瀬勝久、一色彩子、嘉門洋子、

よりスタイリッシュになっている感じ。
新鮮味はないけど、
演歌っぽくならないように注意すれば
かなり楽しめそうだ。

メンバー的にもバランスが良く、
とくに瀬戸朝香が久しぶりにいい。

今回は登子(田畑智子)が
メンバーに加わることを主体において描かれた
親子関係のエピソードがなかなか良かったけど、
この調子で、毎回、気の利いたドラマが作れるか。
そこに問題だ。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『動物のお医者さん』  第1回

プロデュース:高橋浩太郎
協力プロデュース:霜田 一寿(ザ・ワークス)
監督:佐藤嗣麻子
脚本:横田理恵
原作:佐々木倫子「動物のお医者さん」
音楽:寺嶋民哉
主題歌:「朝日の中で微笑んで」諌山実生
制作:テレビ朝日
制作協力:ザ・ワークス
出演:吉沢悠、和久井映見、要潤、岸田今日子、江守徹、草刈正雄、
   加賀美早紀、高杉瑞穂、平井理央、菊池均也、清水章吾、
   吉野きみか、他 (声の出演)キートン山田、柊瑠美、山本圭子

コミック原作はやっぱりテレ朝か。
原作の雰囲気を守ってうまく映像化していた。

H大学のままかよっ!…みたいな(笑)

ただ、チョビやミケの声を
声優にやらせて欲しくなかったなあ。
1話に1〜2回らしいけど、
全部テロップにした方がよかったのに…。
それが唯一残念だった。

ちなみに、1週早く始まった
裏番組の「ホットマン」が面白かったせいか、
初回の視聴率は13%台。
まあ、しょうがないか。

次回以降もコミックらしいドラマをみせて欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ムコ殿 2003』  1

プロデュース:栗原美和子
演出:西浦正記
脚本:都築浩
音楽:久保田光太郎、沢田完
劇中歌:「お前やないと あかんねん」桜庭裕一郎
オープニング曲:「木曜日の糸」elliott
制作:フジテレビ
出演:長瀬智也、酒井法子、松下由樹、つんく、岸本加代子、黒沢年雄、
   篠原涼子、三浦理恵子、末永遙、星野真里、与座嘉秋、おかやまはじめ、
   平賀雅臣、上地雄輔、鈴木リョウジ、小野真弓、たかし、デッカチャン、他

ドラマの視聴率が取れなくなって
まず制作者が考えたことは
ヒット作の続編を作ることだった。

固定視聴者がいるのである程度の数字は計算できる。
ビジネスとしては然るべき常套手段だ。

だから今回、最初に竹内結子が出ないと聞いた時は
だったらやらなければいいのに、と思った。
ところが、どうやら栗原Pは
最初から続編をやるつもりはなくて、
(今までも彼女は続編を作ったことはない)
桜庭裕一郎のキャラクターだけを残して
別の「ムコ殿」を作ろうと思ったらしい。

だったら興味がある。
今期の「夜逃げ屋本舗」もそうだけど、
タイトルと世界観だけを残して作り替えるとリスクが大きく、
過去にもなかなか成功しなかった方法だからだ

で、初回を見た感想。
…成功してると思う。

まず、桜庭裕一郎というキャラクターは
長瀬智也の魅力を最大限に活かしている。
これを一度だけで葬り去らずに
新たなドラマの主人公にしたのは正解だった。

そして、普通なら違和感を感じる脇役の変更を
強力にパワーアップさせている点も見逃せない。

前作もすばらしい家族だと思ったけど、
今回の黒沢年雄、岸本加代子、篠原涼子、三浦理恵子、末永遙は
最高にバランスがいい。

岸本加代子が作品のクオリティーを上げるのは分かってたけど、
三浦理恵子や末永遙もいいキャラクターを作っている。
これから裕一郎(長瀬智也)がこの家族とどう絡んでくるのかと思うと
それだけでも楽しみだ。

ドラマ上で作られた裕一郎とヒカリ(星野真里)の携帯電話のCMを、
実際にKDDIのCMとしてオンエアするなどの
現実とのオーバーラップも、
今回はさらにパワーアップするらしい。
これも徹底的にやるとかなり面白い。

唯一、心配なのは、
5話と8話で生放送をやると発表されている点。
これは失敗すると作品全体のクオリティーが下がる。
そこまでリスクを背負う必要はないような気がするんだけど…。

まあ、とにかく今後どうなるか、
楽しみに見続けてみよう。

             採点  7.5(10点満点平均6)





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