タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第158話「“こころ”はもう結婚!?」
「ムコ殿」が結婚までの道程を省略して
早くも婿入りしたのは分かるけど、
朝ドラ「こころ」も4週目で結婚まで行ってしまった。青春の出口を描くとはいえ、
こんなにテンポが早くて大丈夫かなあ。でも、だんだんハマってきた。
吉俣良の音楽もいい。
『こちら本池上署』 第2回 被害者の傷跡
演出:脇田時三
脚本:吉田弥生捕まえたひったくり犯を直接被害者に会わせたと思ったら
あっさり改心したり、
一方的なことを言うためだけに
方面本部長(西岡徳馬)がわざわざ本池上署まで来たり、
そこまで分かりやすく描かなくても…、
という内容。ただ、このドラマは
やっぱり最後にきちんと締めるからエライ。
ドラマ初級コースの見本だ。採点 6.0(10点満点平均6)
『東京ラブ・シネマ』 Film 2
演出:平野眞
脚本:藤本有紀なんでこんなにテンポが悪いの?
セリフが全部、説明っぽいじゃん。晴子(財前直見)が自分からレイトショーを決めてからの
数カットは良かったけど、
そこだけだったからなあ。映画配給会社を舞台にしたことも
かえって足を引っ張ってる感じ。早くラブストーリーが盛り上がっていかないと
かなりツライぞ。本物のレイジ、荒川良々はいい。
採点 5.5(10点満点平均6)
『伝説のマダム』 第2話
演出:藤井裕也
脚本:野依美幸(アシスト:マダム・マリ)内容はやっぱりかなりイイ。
基本的には感動的なストーリーなんだけど、
コメディーチックな笑いも
きちんと散りばめているところがイイ。ただ、ちょっとバタバタした構成ではあるな。
今回の話なんか2時間で見たかった感じ。玲子(永作博美)もすんなりとメンバーに入って、
ドラマ全体の雰囲気はもう確立しているので、
今後も質の高いストーリーを期待したい。採点 7.0(10点満点平均6)
『顔』 第2回
演出:土方政人
脚本:高橋留美今回は最後の締めが良かったから
見終わった印象は悪くなかったんだけど、
まだ全体的にゴツゴツした感じ。鶴田(益岡徹)、亀田(矢島健一)コンビ、
新聞記者の内村(海東健)などが、
妙にキャラ立ちしてること、
瑞穂(仲間由紀恵)の描く似顔絵が
事件に直接関係していないことなどが大きな原因かな。ドラマとして何を中心に描きたいのか、
そこがまだ伝わってこない。ドラマの「顔」が見えない、
とかいう手の込んだ構成だったらスゴイんだけどね(笑)採点 6.0(10点満点平均6)
『マルサ!!』 MISSION 3
演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司まあ、しばらくはこれでいいんだと思う。
最終的に査察総括第三課自体の話も出てくるんだろうけど、
今回のように一課、二課との対立なしで描くと
かなりスッキリする。イヤになるくらい大衆的な
分かりやすい作り方だけど、
それは始めから狙いだと思うしね。江角マキコのキャラも
ここまでバカバカしく作り込んであれば
それはそれでアリって気がするし。当分はこのパターンでやった方がいい。
採点 6.5(10点満点平均6)
『ダイヤモンドガール』 第3話
演出:小椋久雄
脚本:田辺満3話で早くも3人目の脚本家・田辺満が登場したけど、
ドラマとしてはすごく面白くなってきた。今回の離婚調停のストーリーにも
麗香(観月ありさ)のエピソードをうまく絡めていたし、
麗香と夏目(谷原章介)の関係を
早めに鍋島(岸谷五朗)に知らせたのもテンポが出て良い感じ。鍋島と麗香のコンビもこなれてきたしな。
園田(原沙知絵)もイヤな女でない所が
話に深みが出る要素になってる。初回はどうなることかと思ったけど、
これなら最後まで十分に楽しめそうだ。採点 6.5(10点満点平均6)
『きみはペット』 2. ペットの効能
演出:金子文紀
脚本:大森美香テーマもしっかりしているし、
ドラマ全体のトーンも一定してるので、
純粋に見ていて面白い。笑いを取る部分も効果的に入っていて、
バランスもいいし。スミレ(小雪)のキャラクターが
ハッキリと描かれている点も、
作品全体の芯をぶれさせない効果を出している。今回は紫織(酒井若菜)のポジションが描かれたので、
次は同じスミレの同僚、石田(佐藤隆太)の存在意味を
しっかりと描いて欲しい。採点 6.5(10点満点平均6)
『新・夜逃げ屋本舗』 第2話
監督:原隆仁
脚本:菅正太郎今回はワニを運ぶだけということもあって
テンポが悪かった。あと、このドラマは夜逃げ屋本舗の
プロの仕事が見どころのひとつなのに、
今回はワニを怖がるシーンばかりで
プロっぽさが見られなかった。まあ、斉藤洋介の大阪弁がヘンだったことも
クオリティーを下げた原因だけど。2話でこのネタはやめた方がよかったな。
採点 5.0(10点満点平均6)
『動物のお医者さん』 第2回
監督:佐藤嗣麻子
脚本:深沢正樹なんで最後だけチョビに声を出させるのかなあ。
ずっとテロップで押した方が面白いのに…。それにしても
やっぱり菱沼さんは最高!ていうか最強!和久井映見は彼女なりの菱沼さんを演じてて
これはこれでいいんじゃないかな。キャラ的には二階堂(要潤)が
一番ハマってるような気もするけど。毎回、本当のコミックのように
2〜3話のエピソードつなげてやる構成も、
ボリュームが出ていい感じだ。採点 7.0(10点満点平均6)
『ホットマン』 第3話
演出:中島悟
脚本:樫田正剛雪水(黒谷友香)が本格的に絡んでくると
ストーリーとしては幅が出て面白い。ただ、いろんなことが唐突に起こると
作品としての深みが感じられないので、
もっと前振りをきちんとしておいて欲しい。このへんはコミックでは違和感がなくても
ドラマでは不自然に感じる部分だと思う。で、七海(山内菜々)のボーイフレンドは
「薔薇の十字架」で天海祐希の息子役をやってた
田中碧海だった。七海にチューなんかしちゃいけません!(笑)
採点 6.5(10点満点平均6)
『ムコ殿 2003』 2
演出:西浦正記
脚本:都築浩家族より前に
マネージャー(松下由樹)にスポットが当たった。
でも今期、一番笑えて一番泣ける話だった。櫛野(高橋克典)たちが
あっさり引き下がったのはできすぎだったけど、
筋山(松下由樹)のことを思って
仕事をするという裕一郎(長瀬智也)と、
裕一郎のことを思って仕事を受けない筋山とのやり取りは
かなり見ごたえがあった。やっぱり松下由樹とか岸本加代子とか、
芸達者な女優が揃っていると安心して見ていられる。あと、末永遙がすごくいい感じ。
こういう役もできるんだなあ。バランス、テンポ、クオリティー、
すべて上質なのはこのドラマだ。採点 7.5(10点満点平均6)
『あなたの人生お運びします』 第3話
演出:松原浩
脚本:大石静引越業界創世記の苦労話と
なぜ段ボールが白くなったのか、という話。ちょっとコテコテ過ぎたような描き方だったけど、
後半はかなりグッとくる展開だった。日本の青春時代を描きたいというコンセプトは
十分に達成できているような気がする。採点 6.5(10点満点平均6)
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