タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第160話「決め手に欠けて視聴率は低迷」

あまり期待していなかったせいか、
開始当初は意外に粒ぞろいの印象を受けた今クール。

ただ逆に平均的になってしまって
個性の薄いクールになっているのも事実。
視聴率も全体的に下降してしまっている。

明らかにクオリティーが高い「ブラックジャック」と
好き嫌いは別にして「ムコ殿」「伝説のマダム」、
それに「魔法使い」くらいを見ておけばいいのかな。


『こちら本池上署』  第3回 記憶の中の父

演出:山内宗信
脚本:伊藤崇

今回も、もう分かってるって!
という内容を思いっきり丁寧に描写。

やれやれって感じなんだけど、
最後、美冬が椎名署長(高嶋政伸)に
“父がご迷惑をおかけしました”
と頭を下げるシーンを見て一緒に泣いたりしてね(笑)
健全だなあ、このドラマ。

ところでその美冬を演じていたのは清水あすか。
女優であり、鳳龍院心拳十七代目宗師。
さすがにアクションシーンは迫力満点だった。

でも駐車違反で逃げようとした男を
あそこまで締め上げなくてもいいのに、とは思ったけどね(笑)

ちなみに他のドラマがことごとく視聴率を下げてる中、
ついにこの週、この「こち池」が
夜の連ドラで最も高い視聴率を獲得した。

客観的にはすごく納得できる。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『東京ラブ・シネマ』  Film 3

演出:成田岳
脚本:藤本有紀

ヤバイ。かなりヤバイ。
TV局のプロデューサーや映画評論家が
あんな描き方じゃなあ。

コメディーの部分も
段取りを踏んでるだけで全然笑えないし、
最後にゴリエオチっていうのも寒かった。

玉山鉄二は今までの役と違った雰囲気で
なかなかいいと思うけどね。

藤本有紀の責任は重そう。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『伝説のマダム』  第3話

演出:新城毅彦
脚本:野依美幸(アシスト:マダム・マリ)

今回のストーリー自体はかなりストレートだった。
ただ、構成として玲子(永作博美)のエピソードを絡めたり、
マダム・マリ(桃井かおり)の過去を
匂わせていた点が良かったと思う。

ゲストは女優陣に比べて男優が少し物足りない感じ。
「男たちの〜」なんだから男優にも気を使って欲しい。

とは言っても完成度は相変わらず高い。
今回、お墓のシーンはとくに美しかった。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『顔』  第3回

演出:都築淳一
脚本:佐伯俊道

まだバラバラ。
ひとつひとつのシーンは
丁寧に撮ってあると思うけど、
まとまってない。

3話まで来てこれじゃツライな。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『マルサ!!』  MISSION 4

演出:三宅喜重
脚本:戸田山雅司

休眠口座を売買し、自ら脱税もしていた
知草(辺見えみり)にたどり着くという、
本来は一番大変であろう部分は、
やっぱりドラマなのでアッサリと描いていた。

そのかわりパスワードを見つける部分に
ハラハラとする展開を設け、
(実際はそんなにハラハラもしないんだけど・笑)
エンターテイメント性を高めるというやり方。
まあ、ドラマらしいドラマですな。

江角マキコはもっと作り込んで演技しないと
ヘタに見えるだけだから注意した方がいい。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『ダイヤモンドガール』  第4話

演出:村上正典
脚本:山浦雄大

演出と脚本は2話と同じセット。
麗香(観月ありさ)と園田(原沙知絵)を絡めながら
麗香の成長を描いたストーリーは悪くなかった。

ただ、最初にスナックで
烏山(モロ師岡)と話す機会があった時に、
麗香が普通に法律事務所で働いていることを話してしまう展開や、
割れた皿を直すことを諦めないことの象徴にするなど、
具体的なエピソードに捻りが無さ過ぎた。

こういう回をアイディアでどううまく見せるかが
そのドラマの全体の質に影響するんだけどなあ。

まあ、役者たちはだいぶキャラをつかんできた感じなので
見やすくはなっている。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『きみはペット』  3. 彼氏VSペット(♂)

演出:加藤新
脚本:大森美香

なんでスミレ(小雪)の心の声を
テロップで出したんだろう。
今までのスタイルでいいのに。

あと、田辺誠一の笑顔が
「フードファイト」の時の
プリンスメロンくんになってたけど(笑)。

テーマが深いんだから
ヘンに凝らずに普通に描いて欲しい。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『新・夜逃げ屋本舗』  第3話

監督:渡邊孝好
脚本:高橋美幸

3人のお年寄りが逃げる、
というストーリーは悪くなかったけど、
セリフが良くなかった。
もっと深みのある話に仕上げられるネタだったのにな。

ま、このドラマは結局こんなもんか。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『動物のお医者さん』  第3回

監督:久野昌宏
脚本:吉沢良太

監督が代わって最悪になった。
コミック原作の経験はあるようだけど、
高橋浩太郎と組んだことはないみたい。

「動物のお医者さん」の良さが何も分かってない感じで、
ひどいテンポの作品になってしまった。

脚本も毎回代わっているので、
脚本家にも責任はありそうだけどね。

監督・脚本によってかなり当たり外れが出てきそうだ。

             採点  5.0(10点満点平均6)





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