タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第165話「生放送はやっぱり生放送」

先週の「ムコ殿2003」は久々の生ドラマだった。
最近では98年の「お熱いのがお好き?」が最後だったのかなあ。
昔は「時間ですよ」とか「ムー」とか
度々、生ドラマを見る機会があったけど。

やっぱり今、生放送をやろうとすると
どうしても企画先行になってしまうんだよね…。


『顔』  第5回 封印したはずの昔の顔

演出:松田秀知
脚本:佐伯俊道、平見瞠

西島(オダギリジョー)の過去を
うまく引っ張りながら描く展開と、
ラストシーンは良かった。

ただ、メイン事件のストーリーは単純だったな。
脚本がもう少し頑張らなきゃいけなかったんじゃないの?

基本は一話完結のようなスタイルになってるので、
一気にリズムに乗るってわけにはいかなかったか。

またさらにデカくなった反田孝幸が見られただけでもいっか。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『マルサ!!』  MISSION 6

演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司

今までで一番バランスが良かった。
偽の絵画を作ってオークションに掛けるシーンも
十分に盛り上がったし、
財津(香川照之)の家族の話も絡めることで
ドラマ性も確保していた。

必ず入る税金・脱税の説明シーンにしても
今回のマネーロンダリングに関する説明は
実に分かりやすかった。

決してクオリティーが高い作品ではないけど、
これがこのドラマのベストな作り方だと思う。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ダイヤモンドガール』  第6話

演出:小椋久雄
脚本:川嶋澄乃

あれ、もう吉田智子にシフトしたと思ったのに…。
でも一話完結の話としてはまとまってた方かな。

気になったのは冒頭で
佐久間(勝村政信)の妻(広岡由里子)が
麗香(観月ありさ)を間違えて叩いたシーン。

それ自体はかまわないけど、
その後に何のフォローもなかったのは不自然だった。

妻が常識はずれのいい加減なキャラクターなら
謝りもしなければテレもしなかったシーンに意味があるけど、
後半の描き方を見るとそういうキャラではなかったので。

冒頭のシーンだっただけに、
もう少し気を使って撮って欲しかった。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『きみはペット』  5. しつけてあげる

演出:金子文紀
脚本:大森美香

このドラマのテーマを考えると
非常に興味深い回だった。

前半はかなりコミカルな演出もあって
全体的なバランスも良かったと思う。

あと、紫織(酒井若菜)のキャラが立ってきて
スミレ(小雪)との対比が面白くなってきたことも
後半に向けての楽しみになった。

田辺誠一は今回もプリンスメロンくんになってたな(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)


『新・夜逃げ屋本舗』  第5話

監督:猪股隆一
脚本:菅正太郎

なぜ豊川(近藤芳正)が金融業を始めたのか、
始められたのか、をきちんと描かないと、
このストーリーは成り立たないと思うんですけど…。

今回の唐松(生瀬勝久)は格好良かった。

             採点  4.5(10点満点平均6)


『動物のお医者さん』  第5回

監督:佐藤嗣麻子
脚本:古沢良太

ね? チョビの声はテロップの方が面白いでしょ?
何でわざわざ最後に1回だけ声優にしゃべらせるんだろう。

確かにスナネズミの一言は違和感がなかった。
でも、チョビの最後の一言は
テロップじゃなきゃ白くないのになあ。

まあ、佐藤嗣麻子は
「動物のお医者さん」的な面白さが分かっているので、
全体的には好印象だったけどね。

要潤の“グッドラック!”も
お約束とはいえ、いい間で飛び出したし、
ハムテル(吉沢悠)のお母さん役で
真矢みきが出てきたのも嬉しかった。

真矢みきはこのドラマの雰囲気に合うと思う。
ハムテルの両親は来週もまだいそうなので、
期待して見てみよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ホットマン』  第6話

演出:中島悟
脚本:樫田正剛

やっぱり中島悟の演出の方が面白い。
コミカルな部分はきちんと笑える間で演出しているし、
反町隆史も格好良く撮れていた。

ストーリー的にも重要な回だっただけに
メイン演出にしてよかったな。

矢田亜希子をキャスティングした効果もやっと出てきた。
このままのトーンで最後まで行ってくれるといいんだけど…。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ムコ殿 2003』  5

演出:西浦正記、金子傑
脚本:都築浩

まあ、お祭りってことで。

久本雅美、中島知子、飯島愛を起用して
バラエティー番組の設定にした部分は、
さすがに生放送としての違和感はなかった。

ジャニーズ得意の連携ネタで
松本潤が出演している「きみはペット」の話題を出したのは、
すでにお約束となりつつあるとはいえ、
他局のドラマネタだったので面白かったと思う。

ただ、最後のフジテレビ前のシーンは
イベントとしての意味しかなくて、
客観的にはシラけるだけの企画。

冒頭のシーンのみが
生放送ドラマとしての体裁を保っていたわけだけど、
結局これもぐだぐだで
NG特集的な面白さしか出なかった。

事前に収録してあった
五女・あきら(末永遙)に関するエピソード部分も、
あきらの葛藤なしに歌合戦の出場が決まってしまったので
最後の盛り上がりに欠けてしまった。

普通にやれば十分に面白く描けるプロットだったので
生放送に組み込んでしまったのはもったいなかったかもしれない。
個人的にも末永遙がメインになる回は期待してただけに残念だった。

今、企画として生ドラマをやるとすれば、
こういったスタイルになるのは致し方ない。
次回でまた盛り返すのを期待しよう。

第8話の生放送で、
一転してシリアスものやったらスゴイんだけど…。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『あなたの人生お運びします』  第6話

演出:生野慈朗
脚本:大石静

オーソドックスではあるけど
ハートフルなドラマ性という意味では
今までで一番だった。

最後に子供部屋の扉をぶち破る
ケンちゃん(山口智充)が格好良かったな。

時代的な背景としてセリフに登場したアイテムは、
100円ライター、ほっかほか弁当、
ロッキード事件、ウーマンリブ、
木綿のハンカチーフ、時代、などなど。

“そのうちカメラも使い捨てになるんやないか”
“そのうち「ダディ」ってタイトルの本が流行ったりしてな”
という今だから笑えるセリフもあった。

ドラマ的には愛子(小池栄子)がそろそろ動き出しそうだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)





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