タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第169話「“こころ”はジェットコースター系ドラマか?」
NHKの朝ドラ「こころ」がスゴイことになっている。
浅草の老舗うなぎ屋の娘・こころ(中越典子)は
国際線の客室乗務員。ひょんなことから中学生の女の子(黒川智花)と
地域医療に関心を持つ医師(中村トオル)、
2人と別々に知り合う。いろいろあってこころは
そのバツイチ子持ちの医師と結婚を決意するが、
友達になっていた中学生の女の子が
その医師の娘と判明(5歳の男の子もいる)。またいろいろあってやっと親子の絆が生まれてくるが、
旦那となった医師が山で遭難して死亡。さらにいろいろあって
血のつながらない親子3人で暮らすことを決意するが、
そこへ旦那の元女房、つまり子供達の本当の母親が登場。…というような話がたった2ヶ月で展開された。
しかも、中村トオルの女房といえば財前直見。
このあまりにもハマった配役で、
今週からまた新たな試練がこころに襲いかかる。最初の予想とは別の面白さが出てきたな。
『顔』 第7回 愛する者たちを引き裂く一発の銃弾
演出:土方政人
脚本:高橋留美いよいよ瑞穂(仲間由紀恵)の過去が
明かされてきた感じ。
母親らしき人は木村多江だった。絵を見てすぐに木村多江だと分かったので
そういう意味でもあの絵のインパクトはすごいね。それにしても瑞穂の張り込みの仕方とか
尾行の仕方はひどいなあ。
仲間をどんどん窮地に追い込んでいくもんな。これがリアリティーのある
警察内部の描写だったらマジで恐い。とりあえずドラマとしては
このままラッシュをかけて盛り上げて欲しい。採点 6.5(10点満点平均6)
『マルサ!!』 MISSION 8
演出:石川剛
脚本:戸田山雅司今回はミッションそのものが凝っていて面白かった。
このドラマの一番の見せ場はやはり潜入捜査なので、
そこでこれくらい凝った作りができると
全体的な密度も濃くなって見ごたえがある。まあ、江角マキコのコスプレは
あんまりやりすぎない方がいいけどね(笑)あと、今回は敵役が吉田日出子だったことも
作品の質を上げた大きな要素。ふてぶてしくて、
すべてを見透かしているようで、
それでいて何か大事なものが欠落した人物像を
見事に演じていた。やっぱりモノが違うな。
採点 6.5(10点満点平均6)
『ダイヤモンドガール』 第8話
演出:植田泰史
脚本:遠藤彩見また別の脚本家だよ(笑)
スゴイことになってるなあ。今回のストーリーはオーソドックスだったけど、
合間に田中(大島さと子)のエピソードを挟んだりして
飽きさせない工夫をした構成は良かったと思う。
観月ありさのコスプレ潜入捜査もあったし(笑)ただやっぱりこの手のストーリーは
演出がお決まりのスタイルになってしまうからね。最後に有香子(浅見れいな)と治美(水川あさみ)が抱き合って
まわりが拍手するシーンはやれやれって感じだった。ドラマ全体としては、
ラストでついに詩織(原沙知絵)が
慎一郎(谷原章介)と麗香(観月ありさ)の過去を知る展開に。これで話も大きく転がりそうだ。
詩織がどんな反応をするのか、
いや、麗香に対してどう接するのか。
そこに興味が湧くな。採点 6.5(10点満点平均6)
『きみはペット』 7. おうちにかえろう
演出:加藤新
脚本:大森美香テーマとか、切り口とか、
すごく面白いドラマなんだよなあ。ただ、TVドラマとしては
タイトルを変えた方がよかったかもしれない。と、今さらながら思う。
採点 6.5(10点満点平均6)
『新・夜逃げ屋本舗』 第7話
監督:原隆仁
脚本:川崎いづみ債務者と夜逃げ屋の出会い方に
変化をつけたかったんだろうけど、
直美(新山千春)が夜逃げの現場を見た記憶を
都合良く無くしていて、
また都合良く思い出す展開はしょぼかった。ただ、今回のエピソードにはドラマ性があった。
整形をした娘に対する両親の感情も
もっと丁寧に描くべきではあったけど、
そんなことまでこのスタッフに求めるのはムリだろう。
このドラマにしては上出来の方だった。やっぱり新山千春には雰囲気があるな。
採点 5.5(10点満点平均6)
『動物のお医者さん』 第7回
監督:山崎貴
脚本:吉沢良太今回は各話の間にCMを入れるパターンで
3本がほぼ同じ長さで描かれた。内容的にも「動物のお医者さん」的な面白さが多くて
一番バランスが良かったかもしれない。あと、ずっと寝てない菱沼さん(和久井映見)が出てきたけど、
あれくらい髪の毛が乱れてた方が菱沼さんっぽいな。いずれにしてもすごく見やすかった。
採点 7.5(10点満点平均6)
『ホットマン』 第8話
演出:位部将人
脚本:樫田正剛コテコテだけど、まあいっか。
最後の父子の会話はそれなりに締まったし。スナックの女将・竜子(山素由湖)が
美鈴(矢田亜希子)がバイトしていることを
口をすべらせてしまうシーンなんかは
もう、うんざりって感じだけどね。七海(山内菜々)に“仲良くしなさい!”って言われて
仲良くしない大人がいるか?
いたら問い詰めたい。
膝をつき合わせて問い詰めたい。
小一時間、問い詰めたい。採点 6.0(10点満点平均6)
『あなたの人生お運びします』 第8話
演出:森一弘
脚本:大石静一転してかなりフィクション性の高い展開。
あや姉(江波杏子)が突然帰ってきて
いきなりヤクザの親分を動かすってのは出来すぎだなあ。
まあ、ドラマ本来の作り方ではあるんだけどね。それにしても前回に引き続き、
山口智充は予想以上の熱演。普段はラブラブなだけなのに
ビシッとキメる所はキメてくれると、
夫婦の絆があってこそ
あそこまで会社を大きくできたことがよく分かる。最後にケンちゃん(山口智充)が
坂田(保坂尚輝)に殴りかかろうとしたシーンがあったから
今回はこれで良しとしよう。採点 6.5(10点満点平均6)
『ムコ殿 2003』 7
演出:西浦正記
脚本:都築浩思いっきり泣かせに来た回。
ストーリーそのものは悪くないし、
十分泣かせてもらったことを前提で気になったことを。まず、筋山(松下由樹)の絡ませ方が中途半端だった。
合コンのネタが導入部分だったので、
男の河村(与座嘉秋)が中心に動くことは仕方がない。でもだったら事務所で西絵(篠原涼子)が
笹川(赤坂晃)と対峙するシーンで、
最後に筋山をわざわざ出す必要はなかった。それからストーリー上、重要だったのは、
西絵が子供を産めない身体だったことを
他の姉妹が知らなかったという点。つまり、北絵(三浦理江子)がそのことを知る場面も
このストーリーでは重要だったはずなのに、
前出の事務所のシーンを作ってしまったがために、
北絵は裕一郎(長瀬智也)からあとで聞いた、
ということを視聴者が想像するに留まった。
これは効果的ではなかったと思う。ムリをしても西絵が笹川と対峙するシーンで
直接、北絵もその事実を知るという展開にするべきだった。そして最大の失敗は、
北絵の“あなたの分も子供を産んであげる”というセリフを
予告で流してしまったこと。このセリフが最も涙を誘うシーンだったので
ここは隠しておくべきだった。…まあ、全然OKの回なんだけどね(笑)
さあ、次回は2度目の生放送。
これでこのドラマの真価が問われる。採点 7.5(10点満点平均6)
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