タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第172話「スリーアミーゴスが東芝のCMに」

「踊る大捜査線」のスリーアミーゴスが
東芝のCMに出演するらしい。
16日からオンエア予定だとか。

映画は7月19日公開。
待ち遠しいね。




『ぼくの魔法使い』  8 アイ ラブ ユー OK?

演出:水田伸生
脚本:宮藤官九郎

出だしの“田町さんが2人になっちゃった!”という夢から
何だかいろんなところがツボにハマってしまった。

芝居の練習を見てるみったん(伊藤英明)のリアクションも
飲み会には来る井川遥とるみたん(篠原涼子)のシーンも。

そして、“だって僕の辞書にはないもん!
男の子が女の子を殴るなんてないもん!”と叫び狂うみったん。
でも、るみたんの顔が田町に見えて来て殴りたくなるみったん。
本当に変身して迷わず殴るみったん。

イタリアの形をしたイタリアンハンバーグ。
さらに新潟県の形をした新潟ハンバーグ…。

不思議なのは、
『マスクド花嫁』のストーリーがほとんど明かされていないのに、
香織(須藤理彩)が飛び膝蹴りで舞台に上がってからの
クライマックスシーンでちゃんと泣けてきたこと。

もちろんこれは
今回のドラマのストーリーとリンクしたセリフだから
視聴者はジーンと来たわけだけど、
本当にこの劇団の芝居は面白いかも、と思わせる何かがあった。
さすが劇団出身のクドカンということか。

厳しく見れば、
及川光博の個性は活かしてなかったかもしれない。

あと、越阪部(奥貫薫)の心情も非常に興味深いものだっただけに、
もう少し書き加えてもよかったような気もする。

いずれにしても、バランスはどんどん良くなってきているな。

             採点  8.0(10点満点平均6)




『笑顔の法則』  第九話

演出:片山修
脚本:大良美波子
脚本協力:寺田敏雄

まだ連載が続いているのに
あんな大きな漫画賞を受賞しちゃうんだ(笑)
昔のドラマアカデミーみたいだな。

ズケズケと他人のプライバシーに入り込んでくる
老舗旅館の女将とも思えない野際陽子の言動にはうんざり。
たまたま部屋に入ってきて、
いきなり編集長(升毅)にくってかかる女将なんて…

あと、菜津子(櫻井淳子)にプレゼントする予定の着物を
わざわざ2枚用意していたので、
祐美(竹内結子)が授賞式へ行く時に1枚着せてやるかと思ったのに。
そういう世話は焼かないんだな(笑)

ていうか、あのシーンはバラバラで
何がしたいのかよく分からなかったぞ。

都合良く2人に海外へ行く話が持ち上がるのはまあいいとして、
祐美と桜井(阿部寛)の関係に
ここまで「月下の道」を絡めるなら、
もっと最初からドラマのストーリーの中で
「月下の道」の内容を描いておくべきだった。

毎週作品を仕上げていたんだから、
今回はこんな話を描いた、
というシンクロは可能だったはずなのに。

まあ、どうでもいっか。
温泉旅館などの舞台を使わず、
祐美と桜井の関係だけを描いてたら意外と面白かったかも、
とは今回思った。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『こちら本池上署』  第9回 黙秘をする男

演出:黒沢淳
脚本:横田与志

任意の自供の大切さと父の日をうまく絡めて
感動的に仕上げていて良かった。

ずっと黙秘していた松崎(的場浩司)がキレたシーンは
さすが的場浩司という迫力があったし、
佐藤B作もベテラン刑事らしい渋さをかもし出していた。

ちなみに不自然なくらい声だけの出演となった
篠田(佐藤B作)の奥さん役をやっていたのは、
佐藤B作の本当の奥さん、あめくみちこだね。

これはオシャレな使い方だった。
ただそうなると絶対に顔を出さない
署長(高嶋政伸)の奥さんが誰なのかは気になる。

もう最後まで出さないつもりなんだろうな。
中澤姉さんだったら笑うけど。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『東京ラブ・シネマ』  Film 9

演出:成田岳
脚本:藤本有紀

もう恋愛モード一色。
しかもグチャグチャ。
だけどこの方がずっといい。

社長(竹中直人)の不器用な愛し方とか、
坂本(伊東美咲)の屈折した恋愛観とか、
吉成(宮迫博之)のヘタな愛情表現とか、
麻子(白石美穂)の若い女の子らしい報われない想いとか、
見どころはいっぱいあった。

『たから屋』で真先(江口洋介)が注文していた豆腐料理を
ひとりでたくさん作ってしまったままの晴子(財前直見)と、
何も食べるものがなくなってしまった状態で電話をした
真先と晴子の会話シーンも良かったな。

そして晴子の昔の彼氏(大江千里)が登場。
ここへ来て新たな登場人物はリスクも多いけど、
今さら守りに入る作品でもないから別にいい。

最後さえ収まりのいい内容にしてもらえれば
もうどんな手を使ってもいいと思う。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『伝説のマダム』  第9話

演出:新城毅彦
脚本:野依美幸(アシスト:マダム・マリ)

衝撃の展開。
ずっと謎の人物だったダイゴは、
マダム・マリ(桃井かおり)自身だった。

ただ、実に計算された構成だったと思う。
急にこういう話にしたわけではなく、
前振りは少しずつしていた。
だから納得の展開だった。

そしてラストのマダムの涙。
これは圧巻だったなあ。

この作品の本質でもある家族愛をきちんと描きながら、
見事にまとめたオリジナルストーリーだった。

             採点  8.0(10点満点平均6)





『顔』  第9回 操られた記憶

演出:都築淳一
脚本:平見瞠

一話完結と思えばまとまってた方か。
カウンセラーの樋口(余貴美子)、
記者の内村(海東健)も含めて
みんなで事件を解決した感じが出ていた。

このドラマがそれでいいのか?
という疑問も残るけど…。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『マルサ!!』  MISSION 10

演出:石川剛
脚本:田中江里夏

脱税の時効と相続税を絡めた話。
今回もまたいつもと雰囲気が違ったんだけど、
これはこれでアリの内容だった。

潜入捜査ではコミカルな演出を多用しつつ、
最後は三課の男性陣が自分の母親に電話するシーンも入れたりして
ちょっとホロっとさせる演出も用意していた。

でまたラストには
ちゃっかりしてる母親の姿も入れてあったりして…。

やっぱりこのドラマに欠けていたのは
こういう雰囲気のコミカルさだったのかな。

エンターテイメントとして脱税捜査を描いているんだから
これくらいのバカバカしさが丁度いいのかもしれない。
そうすればシリアスな部分も浮き立つわけだしね。

終わり間際になってそんなこと言ってもしょうがないか。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『ダイヤモンドガール』  第10話

演出:小椋久雄
脚本:川嶋澄乃、田辺満

慎一郎(谷原章介)が麗香(観月ありさ)を
見直すエピソードはどこかで必要だったので、
ここで持ってきたという感じ。

過労死に関する案件は
それほど面白みのある描き方ではなかったけど、
ドラマ全体としては重要な回だったと思う。

これで慎一郎がどう変わるか。
慎一郎と仕事をすることで、
麗香は改めて鍋島(岸谷五朗)のことを
どう考えるのか。

流れは非常にいい方向へ転がっている。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『きみはペット』  9. 最後の夜に

演出・脚本:大森美香

ついにスミレ(小雪)が蓮実(田辺誠一)に対して
武志(松本潤)がペットであることを告白。
そしてモモ(松本潤)はスミレに好き、と
スミレはモモに私をおいて行かないで、と言う。

物語としてはなくてはならないクライマックス。
最後のキスシーンはきれいに撮れていたと思う。

大森美香が脚本と演出を両方同時に担当するのは
「美少女H」以来か。
TVドラマでももう少しやった方がいいな。
監督が脚本を書くというパターンを。

さて、次回が最終回。
これはコケないと思う。

             採点  7.5(10点満点平均6)







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