タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第174話「最終回直前、ダイヤモンドガールがいい感じ」

いよいよ4〜6月クールも最終回シーズン。
今期は、始まる前、開始直後、中盤過ぎと
イメージがずいぶん変わったので、
終了後もまた印象が変化するかも。

とりあえず右肩上がりは「ダイヤモンドガール」だ。


『こちら本池上署』  第10回 父親の遺伝子

演出:黒沢淳
脚本:吉田弥生

もう号泣(笑)
コテコテなんだけどな。
“お父さんみたいな人と結婚する”とか、
最後の敬礼とか。

でもこれが「こち池」の神髄だと思う。
分かりやすくてハートフル。
ツボを押さえてあるから大衆に受ける。
立派だ。

次回はいよいよ紺野が登場。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『東京ラブ・シネマ』  Film 10

演出:平野眞
脚本:高橋美幸

真先(江口洋介)、黒沢(大江千里)、
そして江戸川(竹中直人)という
晴子(財前直見)を巡る男3人の食事は面白かった。

黒沢が思ったよりもスムーズに物語に溶け込んだので
その点は良かったと思う。

ただ、逆にここまでストーリーに入り込むなら
もう少し前から出演させておいた方がよかったかも。
もちろん、晴子と会わせては意味がないから、
江戸川とは外で時々会っているというような設定で。

まあ、このドラマは過ぎたことを言い始めるとキリがないので
ラストで盛り返してきたラブストーリーを素直に楽しもう。

それにしても真先は晴子のことを好きになったと、
あっさり吉成(宮迫博之)に話すんだなあ。
銀行に融資を打ち切られたことは
ずっと黙ってたくせに。

いいのか、とにかくそういう細かいことは…。

             採点  7.0(10点満点平均6)




『伝説のマダム』  第10話

演出:白川士
脚本:野依美幸(アシスト:マダム・マリ)

マダム・マリの偽物が登場するという展開で、
結末は最終回へ持ち越された。
もちろん、次回はそのことだけを描くわけではなく、
ドラマ全体に対して何だかの結末を用意すると思うけど。

ただ、個人的には今回の描写でも
かなり結論めいたものは感じたな。

マダム(桃井かおり)が性転換をした時、
ゼームス(草刈正雄)は確かに逃げてしまったけど、
今の関係は夫婦みたいなもんだもんね。

ウエディングドレスを通じて、
夫婦や家族を描いてきたドラマなんだから、
ここは最も納得できる落とし所だと思う。

“友情にしては熱すぎる。
 恋というには古すぎる。
 …それを人は夫婦と呼ぶんです”

             採点  7.5(10点満点平均6)



『顔』  第10回 19年前の真相を知る者

演出:松本秀知
脚本:高橋留美

いよいよ話は西島(オダギリジョー)の過去とつながり、
19年前の犯人の顔が瑞穂(仲間由紀恵)によって描かれる。

…梅ちゃん? 梅ちゃんかよー!
意外な笑い所だったな。

あと1回ですべてが納得できる描き方はできないような気がするけど、
せめて西島が救われるような内容にはして欲しい。

             採点  6.5(10点満点平均6)




『マルサ!!』  MISSION 11

演出:本橋圭太
脚本:戸田山雅司

やっと国領(渡哲也)が帰ってきたと思ったら
三課最大の敵? というかなり強引な展開。

まあ、これが正しい選択なのかどうかは
最終回を見てから判断しよう。

ただ、今回のミッション、
廊下に取り付けた隠しカメラの位置が悪い。
ただそれだけだけの問題じゃないの?(笑)

部屋への出入口を押さえているカメラがないなんて…。
そうやってこのドラマはムリヤリ盛り上げてきた、
とも言えるんだけどね。

             採点  6.5(10点満点平均6)






『ダイヤモンドガール』  第11話

演出:村上正典
脚本:吉田智子

最後の案件はやはり医療過誤。
鍋島(岸谷五朗)がモーリス牧村法律事務所に来る
キッカケとなった案件であり、
鍋島の“宿題”ともなっていた案件だ。

ラブストーリーという側面からは、
慎一郎(谷原章介)や詩織(原沙知絵)の
麗香(観月ありさ)に対する感情を、
もっと詳しく描くという手もあったけど、
麗香が鍋島のことをより深く知るという方法で、
麗香自身の成長、慎一郎との決別を描くようだ。

このあたりは「東京ラブ・シネマ」と比べると
非常にハイブローな感じがする。

そんな中でも麗香が鍋島に対して
“一度の失敗で怖じ気づくのは先生らしくない”
とハッパをかけるシーンがとくに良かった。

自分はピアノの先生に音楽の才能がないと言われたのに続けた。
チアガールの大会で顔面をぶつけて笑われたけど踊り続けた。
ウエディングドレスまで作ってフラれたけど人を好きになることをやめなかった。
と、一見、くだらない話から自分の本質を突きつけ、最後は
先生は甘いもの食べて虫歯になったらもう2度とケーキは食べないんですか?
ヒゲ剃ってほっぺた傷だらけになったらもう2度とヒゲは剃らないんですか?
と続けた。

これは麗香のキャラクターをとてもよく表したセリフで、
日常的な会話の中で鍋島の心を揺り動かす描写となった。
ここは想像以上にテクニカルなシーンだったと思う。

全体のストーリーとしても
モーリス君子(白川由美)が
恵成病院の代理人を受けるのは正しい判断だと思うので、
最後の戦いは非常に見ごたえのあるものになりそうだ。

それにしてもこのドラマは中盤から化けたなあ。
最終回、吉田智子が脚本を担当してくれることを密かに望む。

             採点  7.5(10点満点平均6)




『新・夜逃げ屋本舗』  第10話

監督:鈴木元
脚本:管正太郎

息子(塚本高史)をひとりで放り出すのは危険だろう、とか、
そもそも夜逃げが最善策なのか、とか、
いろいろ疑問も残るけど、
全体的なストーリーは悪くなかった。

バカな若者がバカっぽく捕まるのも
本当にバカにしてるみたいで良かったし(笑)

で、最終回の相手は天敵、岩丸(石橋蓮司)になる模様。
それはいいんだけど、
鰐淵晴子のこともちゃんと描いてくれるんだろうなあ。
ちょっと心配になってきた。

             採点  5.5(10点満点平均6)






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