タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第178話「月曜日に“僕の生きる道”の特番が…


7日(月)にスマスマ特別編として「僕生き」の特番、
「僕とあなたの生きる道」が放送される。

ATP賞のドラマ部門最優秀賞、
ギャラクシー賞奨励賞などを受賞し、
ノベライズは15万部を売り上げ、
番組HPのBBSに書き込まれた投稿も本として出版、
DVDは予約だけで1万セットと、
放送終了から3ヶ月が経過しても
まったく余韻が冷めない「僕の生きる道」。

その反響の大きさから、
中村先生(草なぎ剛)の死から数年後、
夢の中で母親が息子と旅をするという形式の特番が放送される。

命日にみんなが集まるという設定で、
出演者に対して
「あなたの余命があと24時間だったら…」
というインタビューも織り込まれる予定。

「僕生き」にハマった人、必見です。


『ブルーもしくはブルー 〜もう一人の私〜』  第一週 運命

制作統括:内藤槇介、鈴木圭
プロデュース:千葉行利
演出:国本雅広
脚本:中谷まゆみ
原作:山本文緒「ブルーもしくはブルー」
音楽:鈴木康博
主題歌:「元気を出して」島谷ひとみ
制作:NHK
共同製作:NHKエンタープライズ21、MMJ
出演:稲森いずみ、石黒賢、細川茂樹、七瀬なつみ、内田朝陽、宇津井健、
   中尾ミエ、山寺宏一、ベッキー、根本はるみ、他

2人の男性の間で結婚を悩んだ時期をキッカケに
別の人生を歩んでいたもうひとりの自分に出会うという、
ドッペルゲンガーをモチーフにしたファンタジックな物語。

稲森いずみはやっぱり光ってきたな。
二役をうまくこなしていた。
博多弁はちょっと…、って感じだけど(笑)

ストーリーそのものは面白い話なので、
稲森いずみがうまく演じてくれればハズさないと思う。
最後までかなり楽しめそうだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『こちら本池上署』  第12回 警察が嫌い!

演出:大久保智己
脚本:横田与志

出だしはあまり良くなかったんだけど、
最後はうまくまとめた。

とも(佐藤未来)が借り物競走で
「パパ」というカードを持ってくるのはミエミエだったのに、
演出が良かったせいか感動的なシーンに仕上がっていた。

最後に、犯人と疑われた生徒、
とも、そして由美(加護亜依)の顔が
オーバーラップしてくる映像まで含め、
子供の繊細な心理をよく描いていたと思う。

こういうところがこドラマのうまいところだ。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『東京ラブ・シネマ』  Last Film

演出:平野眞
脚本:藤本有紀



手帳ケースに映画のチケットを入れ忘れていた女性が
晴子(財前直見)だったのは、
最初から財前直見が演じていたので意外な展開ではなかったんだけど、
その明かし方、締め方は悪くなかった。

ただ、最終回のキモはそこだけだった印象だなあ。
吉成(宮迫博之)と麻子(白石美穂)のカップルも、
坂本(伊東美咲)と暎二(玉山鉄二)のカップルも、
最後はたいしていいシーンを描けなかった。

麻子の“ハッピーエンドにしてください”
は良かったけどね。

結局、このドラマは映画配給に関する仕事の部分と
ラブストーリーのバランスの悪さがネックになったと思う。

後半、ラブストーリーが主体になってからはかなり面白かったのに、
最後はまた仕事に関する部分を取り込まざるを得なくなったので、
主役以外の登場人物のラブストーリーに関して
最終回まできめ細かく描く時間が取れなくなってしまった。

まあ、最終回は普通でも難しいからね。
しょうがないか。

月9史上、最高年齢のヒロインで挑んだ今回の作品。
結果は月9史上最低の平均視聴率。
でも、そのアプローチの仕方が悪かったのではなく、
あくまでも内容、とくに脚本に問題があったと思う。

             採点  6.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  5.92(10点満点平均6)


『ウォーターボーイズ』 1

企画:金井卓也、関口大輔
プロデュース:船津浩一、柳川由起子(共同テレビ)
演出:佐藤祐市(共同テレビ)
脚本:橋本裕志
原作:矢口史靖
音楽:佐藤直紀
主題歌:「虹」福山雅治
制作:フジテレビ、共同テレビ
出演:山田孝之、森山未來瑛太、石垣佑磨、石井智也、宮地真緒、香椎由宇、
   杉本哲太、布施明、眞鍋かをり、菊池麻衣子、谷啓、柄本明、徳井優、
   八嶋智人、玉木宏、高橋ひとみ、浅野和之、碇由貴子、西田尚美、他

初回としてはうまくまとめた感じ。
序盤で描かれていた自分の意見も言えず
ただ流されているだけの勘九郎(山田孝之)には
見ていてイライラしたけど、
ママ(柄本明)の店での立松(森山未來)とのシーンから
少しシリアスモードになって、
この初回の中で勘九郎自身が動きを見せた構成は良かった。
これなら最後まで楽しめそうかな。

宮地真緒のセーラー服はちょっと刺激的。
マドンナ役の香椎由宇にオーラがなかったのが不満だけど、
これは見慣れてくれば何とかなるかも。

個人的には西田尚美がきちんとキャスターで
出てきてくれたのがうれしかった。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『クニミツの政』  第1話

アソシエイトプロデュース:長谷部聡介(フジ)
プロデュース:重松圭一(関テレ)和田豊彦(AVEC)
演出:赤羽博(AVEC)
脚本:大石哲也
原作:「クニミツの政」安童夕馬、朝基まさし
主題歌:「Are you alive?」LIV
挿入歌:「あなただけを」a.mia
制作:関西テレビ、AVEC
出演:押尾学、伊東美咲、佐々木蔵之介、大杉漣、横山めぐみ、上原美佐、
   吉岡美穂、斉藤暁、マギー、柳楽優弥、瀬戸陽一郎、勝部演之、
   やべけんじ、広岡由里子、桜井裕美、松崎佑紀、園原佑紀乃、他

新しさが何ひとつ感じられない作りで
どこに魅力を見出せばいいのか分からないんだけど、
佐々木蔵之介の役は面白そうだな。

あと、挿入歌の入れ方がムチャクチャ強引だった、
というのが初回の印象。

             採点  5.5(10点満点平均6)


『ひと夏のパパへ』  「太陽は泣いている」♯1


プロデュース:大川博史
監督:廣木隆一
脚本:樫田正剛
音楽:川口大輔
主題歌:「感傷」上戸彩
制作:Joker、TBS
出演:上戸彩、桜井幸子、北村一輝、小林稔侍、渡辺いっけい、小日向文世、
   柳沢慎吾、松重豊、北川弘美、江波杏子、つぐみ、沢尻エリカ、
   臼田あさ美、市原隼人、松田悟志、小林千晴、山中聡、金原泰成、
   津乃村真子、豊川栄順、平沼紀久、他

悪ぶっている役の北村一輝がちょっと空回りで、
小日向文世、渡辺いっけい絡みでも笑いが取れず、
前半はかなりキツかった。

ただ、まりも(上戸彩)が
“女の子は万が一のことがあるんだよ…”
と言った橋の上のシーンが良くて、
ここから後半は締まった。
こういうシーンが作れるなら大丈夫そうかな。

最初はありきたりな設定でのめり込めなかったんだけど、
まりもと薪平(北村一輝)は本当の親子ではなさそうなので、
それならかなり面白くなりそうだ。

あと、麻美(桜井幸子)の存在。
初回ではほとんどまりもと絡ませなかったけど、
想像以上に重要な役のようなので
(テロップの順番も桜井幸子は北村一輝より上だった)
ここも今後に期待できそうだ。

まあ、この初回、
個人的にはルーガちゃん(小出由華)が出てきたので
全然OKです(笑)

             採点  6.5(10点満点平均6)



『幸福の王子』  第一章

チーフプロデュース:梅原幹
プロデュース:大平太、太田雅晴(5年D組)
演出:猪股隆一
脚本:遊川和彦
音楽プロデュース:仲西匡
音楽:山川恵津子
主題歌:「Drawing」Mr.Children
制作協力:5年D組
制作:日本テレビ
出演:本木雅弘、渡部篤郎、菅野美穂、坂下千里子、綾瀬はるか、
   井森美幸、平泉成、松原智恵子、他

単純に冒頭で結末を見せる構成ではなく、
この初回全体を使って(しかも一週間さかのぼる方法で)
結末を示すやり方は効果的だった。

今後は病室での良介(渡部篤郎)と繭(綾瀬はるか)が
ストーリーテラーの役割を担う感じ。
予想以上に綾瀬はるかは大きな役だったな。
どこかで周平(本木雅弘)と接点もあるみたいだし…。

初回にインパクトがあっただけに、
結末が分かっている過去のエピソードで
どこまで盛り上げられるかが見どころ。

坂下千里子に若干の不安はあるけど、
本木、渡部、菅野の演技に期待してみよう。

それにしても、
綾瀬はるかの母親役に井森美幸っていうのが
すごくハマってたなあ。

確かに親子的な似方をしてたんだよな、
綾瀬はるかは嬉しくないだろうけど(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)





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