タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第179話「今度の堤は甘酸っぱい」

7月クールも続々と開始。
注目の「STAND UP!!」は
いつもの堤テイストながらも
かなり甘酸っぱい雰囲気だ。

予想以上にいいかも。


『愛するために愛されたい』  1

プロデュース:中山和記
演出:小林義則
脚本:梅田みか
音楽:石田勝範
主題歌:「Moon Over Bourbon Street」STING
制作:TBS、共同テレビ
出演:坂口憲二、黒木瞳、菊川怜、柳葉敏郎、武田修宏、草刈正雄、
   遠藤直哉、曲山えり、山田優、斉木のか、他

こりゃまたキッツイなあ。
やりたいことは分かる。
一生懸命作ってるのも分かる。
でも、これはいろんな意味で日本的じゃないんだよな。

役者の英語の発音もキツイし、
JASDAの張りぼてセットもキツイ。

まあ、命を落としたはずの玲子(黒木瞳)が
なぜ生きているのか、
何によって生かされているのか、という部分を
宇宙とうまく絡めて描ければ、
ストーリー的には面白くなる要素はありそう。

こっぱずかしい秋山(坂口憲二)のキャラには目をつぶって、
しばらく我慢して見てみるか。

全然関係ないけど、
武田修宏って顔のまん中が貴乃花にそっくりだな。
初めて気がついたよ(笑)

             採点  5.5(10点満点平均6)


『高原へいらっしゃい』  第一話

プロデュース:志村彰、次屋尚
原作:山田太一
演出:今井和久
脚本:前川洋一
音楽:羽毛田丈史
主題歌:「forgiveness」浜崎あゆみ
制作:MMJ、TBS
出演:佐藤浩市、西村雅彦、井川遥、菅原文太、余貴美子、竹脇無我、
   堀内健、市川実和子、平山広行、大山のぶ代、純名りさ、
   入江雅人、高知東生、平田満、他

ホテルは近代的なものにするのかと思ったら、
中のレイアウトは少し違うけど外は昔のままだった。

人物設定は変えてある部分も多い。
時代背景的なこともあって仕方ないんだけど、
おばちゃん(大山のぶ代)が若すぎるのは残念だった。
あんなに髪の毛が黒くなくてもいいのにな。

ちなみにオリジナルでは北林谷栄がやっていて
メチャクチャ可愛かったのだ。

純名りさも加わるようなので、
女性陣が華やかになるのはプラス要素。

本格的に転がり出す次回からに期待しよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)


『Dr.コトー診療所』  第1話

企画:杉尾敦弘
プロデュース:土屋健
演出:中江功
脚本:吉田紀子
原作:「Dr.コトー診療所」山田貴敏
主題歌:「銀の龍の背に乗って」中島みゆき
挿入歌:「思い出だけではつらすぎる」柴咲コウ
制作:フジテレビ
出演:吉岡秀隆、柴咲コウ、小林薫、筧利夫、時任三郎、大塚寧々、
   泉谷しげる、千石規子、石田ゆり子、大森南朋、坂本長利、
   朝加真由美、山西惇、船木誠勝、塩谷瞬、富岡涼、他

予想通りの丁寧な作り。
悪く言えば予想の範囲に収まったという印象。

医療モノの初回に
困難な場所でのオペというのは
もうお約束だしな。

吉岡秀隆の髪型は置いといて(笑)、
キャラクターは初回できちんと描けていたと思う。
診療所の初日に、
待合室で星野(柴咲コウ)と話した時の表情などは
さすが吉岡秀隆という感じだった。

あと、大塚寧々がいい。
島に必ずひとりはいる
色っぽいお姉さんという雰囲気がよく出ていた。

今後はやっぱり各話のエピソード次第か。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『STAND UP!!』  01

企画:植田博樹
プロデュース:石丸彰彦
演出:堤幸彦
脚本:金子ありさ
音楽:audio highs
主題歌:「言葉より大切なもの」嵐
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:二宮和也、山下智久、鈴木杏、成宮寛貴、小栗旬、釈由美子、的場浩司、
   加藤貴子、松本莉緒、段田安則、片平なぎさ、清水章吾、酒井敏也、杉田かおる、
   西田尚美、おかやまはじめ、塚本高史、ベッキー、上野なつひ、邑野未亜、
   水野はるか、AKINA、芦名星、呑子、真琴、劇団ひとり、他

何だか妙に泣けたんですけど!
エッチなことばっかり考えてるのに
ホントは大事なことだと思ってる正平(二宮和也)の思いとか、
憧れの先生も現実は普通の女性だったりするところとか。
せつないなあ。

“きっと正ちゃんも、11年たってるし
 普通に成長して、適度に歪んで曲がって、
 普通の17歳になってるんだろうなあって。
 でも、正ちゃんは正ちゃんのままだった。
 そのことが分かっただけでも
 東京に来てよかった”

って千絵(鈴木杏)が言うシーンはとくに良かった。
バックで流れている音楽も。

ドラマ全体としては堤ワールドそのものなので
とくに前半は新しさもなく多少退屈だったんだけど、
後半の描き方を見ると今回もかなり期待できそうだ。

あと、主人公の高校生たちだけでなく、
親も豪華キャストできちんと立たせている点が
このドラマの最大の特徴だな。

ある意味、教育的。
こういう問題には親もちゃんと参加しろ、
ということを示しているよう。

もちろん、いすず先生(釈由美子)のTシャツとか、
「いら夏」のパロディーとか、
堤的な小ネタは満載。

でも今回は小ネタ探しよりも
甘酸っぱい青春の日々に浸ってしまいそうだ。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『特命係長・只野仁』  第一話 問題社員

プロデュース:黒田徹也、東城祐司(MMJ)、伊藤達哉(MMJ)
演出:塚本連平(MMJ)
脚本:福田靖、尾崎将也
原作:柳沢きみお「特命係長 只野仁」
音楽:仲西匡
主題歌:「川の流れのように」椿
挿入歌:「男の美学」高橋克典
制作:テレビ朝日、MMJ
出演:高橋克典、梅宮辰夫、櫻井淳子、三浦理恵子、永井大、田山涼成、
   蛯原友里、近江谷太朗、斉藤優、須之内美帆子、他

B級テイスト炸裂。
脚本も演出も役者の演技も。

大人のドラマを目指すということで
オッパイも満載なんだけど、
この初回は葉山レイコの
“スゴ〜イ!一番はあなたよ〜!”で爆笑。

金曜の夜にバカバカしいドラマを見たい人はどうぞ。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『ブルーもしくはブルー 〜もう一人の私〜』  第二週 嫉妬

演出:国本雅広
脚本:中谷まゆみ

めちゃくちゃ面白いなあ。
しかもちょっとエロかったりするんだよな。

まあ、自分自身なんだから
自分の旦那と寝ようが愛人と寝ようがかまわないんだけど、
お互いフツーにやるのはちょっと刺激的(笑)

最初に佐々木蒼子(稲森いずみ)を認識した人には
河見蒼子(稲森いずみ)が見えないということだけど、
完全に2人が離れていれば見えるらしい。

牧原(内田朝陽)は博多で川見蒼子が見えなかったのに
東京では見えてるので。

このあたりの説明はもう少し詳しくして欲しかった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ぼくの魔法使い』  11 アイ ラブ ユー OK?

演出:水田伸生
脚本:宮藤官九郎

あれ?
何なんだろう、この不完全燃焼さは。

まず、オンエアが一週空いてしまったのは
明らかに見る側のテンションを下げた。

とくにこのドラマは
前回を振り返るような冒頭シーンをほとんど付けないので、
しばらくは何をやっているんだか
分からないような状態だった。

そういうことを差し引いたとしても、
主たるエピソードが蟹(西村雅彦)の借金と
広吉代理店の閉鎖に割かれてしまって、
肝心の夫婦の愛情を描く部分が
駆け足になってしまったのは問題だった。

つまり、印象としては、
みったん(伊藤英明)の愛社精神や仲間を思う気持ち、
便利屋という仕事に対する誇りのようなものに
焦点が当たってしまって、
ここまで積み上げてきた
どんな姿に変身してもるみたん(篠原涼子)が好き、
という純粋な愛情がボケてしまった点が残念だった。

しかも、この最終回では田町(古田新太)の出番も少なく、
最後に病院へ現れたのも取って付けたようで
必然性としては苦しかった。

もちろん、「ピンポン」のパロディー、
井川遥と西村雅彦を絡めた「高原へいらっしゃい」ネタ、
田辺(阿部サダヲ)の新しい恋人が杉本彩など、
クドカンらしい笑いはあった。
でも、期待していた最終回とはほど遠かったな。

中盤以降、バランスが良くなって、
非常に楽しみにしていたドラマだけに、
最後はちょっと残念だった。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★★
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆

           平均採点  7.32(10点満点平均6)






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