タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第180話「来春、山口智子が7年半ぶりに地上波ドラマへ」

来年1月にTBSで放送される予定のスペシャルドラマに
山口智子が出演すると先日報道された。
地上波のドラマに出演するのは
「ロンバケ」以来、7年半ぶり。

作品は「向田邦子の恋文」が原作で
演出は久世光彦。
森繁久彌もこのドラマで復帰する。

かなり楽しみだな。


『元カレ』  1話 サラリーマン一年生

プロデュース:伊藤一尋
演出:今井夏木
脚本:小松江里子
音楽:十川知司
主題歌:「薄荷キャンディー」KinKi Kids
挿入歌:「テコのテーマ」デヴィット・フォスターwithニタ・ウェティカ
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:堂本剛、広末涼子、内山理名、天野ひろゆき、ソニン、佐々木蔵之介、
   角野卓造、市毛良枝、斉藤祥太、金田明夫、草村礼子、中原丈雄、
   長谷川朝晴、蒲生純一、今井陽子、氏家恵、石橋奈美、他

主人公・東次(堂本剛)のキャラクターを提示する
という主旨は理解できるけど、
インパクトが大事な初回に
千歳(天野ひろゆき)のエピソードで時間を取りすぎた。

しかも、千歳のキャラクターは
東次を引き立たせるように設定されているため、
視聴者サイドからすれば今のところまったく魅力がない。

実社会で一生懸命働いている人から見れば
リストラされて当然、とすら思ってしまうだろう。

もちろん、最終的には千歳にも
魅力的な部分があることは描かれるかもしれない。
でも連ドラの初回で
サブキャラクターに対して
そこまで優しい目で見てくれる人は少ない。

「元カレ」というタイトルを付けて、
堂本剛、広末涼子、内山理名がキャスティングしてあれば、
誰だってこの3人の恋模様に期待を寄せるのは当然。

だったら東次の<何事にも一生懸命になる>
という性格を表すにしても、
現在つき合っている菜央(内山理名)とのエピソードの中で
描くべきだった。

そういう意味ではこの初回、
構成は失敗だったと言えるだろうな。

ただ、真琴(広末涼子)の登場のさせ方は面白かったので、
3人の話にうまく移行できれば見どころは増えてくるかもしれない。

社交ダンスで天野ひろゆきと草村礼子を使うのは
さすがに狙いすぎだけどね。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『こちら本池上署』  第13回 ママは17才

演出:池澤辰也
脚本:吉田弥生

ラストの締め方はまあ良かったけど、
全体の構成としては一番安い作りで
見ていてかなり不快だった。

恵(木村茜)の両親の人物設定は
ストーリーを分かりやすくするための
ご都合主義的なもの。
両親の気持ちも描こうという気が最初からない。

このドラマは分かりやすさが信条だけど、
こういう安い作りは頂けないな。

さらに、麻衣(水野真紀)が警察官を続けるという部分も
かなりムチャクチャな展開。
ストレスで熱まで出した
とも(佐藤未来)の気持ちには
まったく触れない強引な結論だった。

今回は脚本が酷すぎた。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『僕だけのマドンナ ...and I love Her.』  vol.1

プロデュース:高井一郎
演出:永山耕三
脚本:岡田惠和
音楽:Sin
主題歌:「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」サザンオールスターズ
制作:フジテレビ
出演:滝沢秀明、長谷川京子、緒形直人、小西真奈美、島谷ひとみ、
   小泉孝太郎、真矢みき、森本レオ、小堺一機、嶋田久作、
   志賀廣太郎、松尾れい子、高畑淳子、小倉一郎、他

フィクションとして楽しめる要素は多いと思う。
ただ、<人の生活にズケズケと入って来るキャラ>というのは
演じるのが難しい。
ヘタをすると見ている側にかなり不快感を与えるからだ。

このドラマではヒロインのするみ(長谷川京子)だけじゃなく、
小堺一機、真矢みき、嶋田久作も恭一(滝沢秀明)の生活に入ってくる。
これに視聴者が耐えられるか、がひとつの分岐点だろうな。

個人的には、
やっぱり長谷川京子には荷が重い役だったと思う。
本当にそんなことが起きたら面白いかも、
とはどうしても思えなかった。
そう考えると山口智子は偉大だったなあ。

まあ、ドラマとしての構成は
さすがにうまいと思わせる部分もあったけどね。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『14ヶ月・妻が子供に還っていく』  第1話

プロデュース:竹網裕博、山本和夫(ドラマデザイン社)、梶野祐司(ホリプロ)
演出:山本和夫
脚本:瀧川晃代
原作:市川たくじ「Separation〜きみが還る場所」
音楽:
主題歌:
企画協力:ドラマデザイン社
制作協力:ホリプロ
制作:よみうりテレビ
出演:高岡早紀、中村俊介、戸田恵子、石黒賢、酒井若菜、岡みつ子、羽場裕一、
   伊藤沙莉、鈴木ヒロミツ、乃木涼介、松尾政寿、勝野洋輔、他

やっぱりかなり見ごたえがある。
ドラマとして成功要因は、
何と言ってもナツキを演じた伊藤沙莉の演技。

この子、エイベックス・アーティストアカデミーの
ジュニアヴォーカル・ダンス・コース出身で
演技はまったく初めてみたい。
すごい子を見つけて来たなあ。

もちろん、ラストカットの若返った高岡早紀もキレイだった。
メイクや映像の技術はあるにしても、
このやり方ならおかしくない若返りを表現できそう。

とりあえず初回で
ある程度、話を進めなくてはならなかったので、
裕子(高岡早紀)が不法投棄のレポートをするあたりから
流産してしまうまでの描き方は
駆け足でちょっと雑だった。

そこがもったいなかったのは事実だけど、
全体としては今後に期待できる初回だった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ウォーターボーイズ』 II

演出:佐藤祐市
脚本:橋本裕志

スタイルとしてはすでに安定した感じ。
ただ、やっぱり前半の描き方はテンポが悪いかなあ。

想像できる範囲のありきたりな展開を
時間を掛けて描き過ぎるんだよな、前半は。

立松を演じる森山未來は
「チームSP」や「さよなら小津先生」など
今までの役柄とは違ったキャラで新鮮。

立松にも隠れた事情はありそうだけど、
しばらくはこの立松の明るいキャラを活かして
テンポよく前半を描いて欲しい。

あ、そういえばこのドラマの回数表示、
毎回、水から出る足の数が増えていくのかな。
今回は2本だったけど、
ローマ数字にしていくのも分かりにくいだろうし…。

最終回で11本の足。
それはかなり面白いかも。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『クニミツの政』  第2話

演出:赤羽博
脚本:大石哲也

古くさいテーマに古くさい構成。
でもまあ、このドラマの狙いは
最初からこのあたりでしょ。

市長(斉藤暁)が自らそんなことするか!
というバカバカしい展開も、
五木田という三文字の名前を考えると
「OL銭道」的な楽しみ方もできて素敵(笑)

ただ、吉岡美穂もヘタだけど、
伊東美咲も負けずにヘタだなあ。
押尾学がそんなに目立たないもんな(笑)

そんな中、桃絵(横山めぐみ)の娘役として
内山菜々(「ホットマン」の七海)が登場!

これで何とか見続けられそうだ(-。-)ホッ

             採点  5.5(10点満点平均6)





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