タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第185話「忘れた頃に4〜6月期を振り返る」
「こち池」が15話まであったため、
すっかり4〜6月期のまとめが遅くなってしまった。
今さらって感じもするけど、
とりあえずサクッと振り返ってみよう。まず、平均視聴率はこんな感じ。
こちら本池上署 15.84%
ホットマン 14.26%
ブラックジャックによろしく 14.15%
笑顔の法則 13.35%
東京ラブ・シネマ 13.07%
マルサ!! 12.80%
ムコ殿 2003 12.55%
顔 12.33%
きみはペット 11.90%
ダイヤモンドガール 10.76%
新・夜逃げ屋本舗 10.34%
動物のお医者さん 9.89%
ぼくの魔法使い 9.40%
あなたの人生お運びします 7.96%
OL銭道 7.93%
伝説のマダム 6.59%
やっぱり「こち池」が1位。
そりゃ第3弾も作りたくなるわな。個人的には前作よりも質が落ちたと思うので、
第3弾をやるからには初心を忘れず、
分かりやすさの中にも「こち池」らしい
ハートフルな要素を必ず入れて欲しい。それにしてもこうやって並べると、
前期「GOOD LUCK!!」の30%超えは異常だったことがよく分かるな。ひと桁台が5作品は前期よりもマシなんだけど、
相変わらずいい作品の視聴率が取れなかったのは残念だった。個人的な評価点の平均はこんな感じ。
ブラックジャックによろしく 7.95
ぼくの魔法使い 7.32
伝説のマダム 7.14
ムコ殿 2003 6.91
あなたの人生お運びします 6.82
きみはペット 6.75
ダイヤモンドガール 6.50
動物のお医者さん 6.50
OL銭道 6.40
顔 6.27
マルサ!! 6.17
ホットマン 6.05
こちら本池上署 5.97
東京ラブ・シネマ 5.92
新・夜逃げ屋本舗 5.09
笑顔の法則 4.95
「ブラックジャックによろしく」は視聴率もそこそこ取れ、
4〜6月期の代表作となった。視聴率は最下位だった「伝説のマダム」が4〜6月期の大穴。
チャレンジ精神あふれる見ごたえのある作品だった。今回はコミック原作が多かったのが特徴だったわけだけど、
かなり原作に忠実に描いた「ブラックジャックによろしく」、
思いっきりアレンジした「伝説のマダム」、
両極端のものがどちらも良かったのは印象深かった。要するに方法論の問題ではなく、
クオリティーの問題ということだな。オリジナルものでは、
ある意味、新しい試みとなった「あなたの人生お運びします」と、
後半、見事に立て直した「ダイヤモンドガール」が印象に残った。ちなみに最終回は「ダイヤモンドガール」が一番良くて、
これほど出だしの印象と終わった後の印象が違う作品も珍しかった。
最後まで諦めずにいいものを作ろうとした姿勢は評価したいと思う。
というわけで、最優秀主演女優賞は、
「ダイヤモンドガール」の観月ありさでいいかな。
「伝説のマダム」の桃井かおり、「きみはペット」の小雪、
「あなたの人生お運びします」の藤原紀香、
「ぼくの魔法使い」の篠原涼子あたりが候補だと思うけど、
貢献度という意味ではやや観月ありさに分があったと思う。最優秀主演男優賞は「ぼくの魔法使い」の伊藤英明にしよう。
「ブラックジャックによろしく」の妻夫木聡ももちろん良かったけど、
「動物のお医者さん」の吉沢悠と同様、
主役としての印象は薄かった。
まわりに強力な役者が多かったから可哀想な部分もあったけどね。最優秀助演女優賞は「ブラックジャックによろしく」の国仲涼子。
これはもう絶対に国仲涼子。鈴木京香ではなく、あえて国仲涼子。
10話の国仲涼子は最高に魅力的だった。
ちなみに次点は「ぼくの魔法使い」の小田茜とベッキーと井川遥。
ここは助演の宝庫だった。最優秀助演男優賞は「動物のお医者さん」の要潤か。
「ブラックジャックによろしく」の緒形拳も三浦友和も
石橋凌も原田芳雄も笑福亭鶴瓶も吉田栄作も良かったけど、
要潤がどこへ向かっていくのか興味あるので(笑)そして最優秀新人賞は「ホットマン」の内山奈々。
結局、「ホットマン」は内山奈々頼みの作品になっちゃったけど、
彼女を発掘できただけでも良しとしよう。で、最優秀作品賞が難しい。
ここは正直に「ブラックジャックによろしく」のNICU編と、
「ぼくの魔法使い」の5〜10話ということで勘弁してもらいたい。見どころが多かったクールではあったけど、
最初から最後まで完璧な作品を作るのは難しいことを
痛感したクールでもあった。
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