タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第191話「“西部警察”制作中止」



10月からスタート予定だった
テレ朝系「西部警察2003」の収録中に事故が起きて、
石原プロダクション側がドラマの制作中止を申し出た。

渡哲也の会見後、制作続行を望む声も多いようだが、
一般のファン5人に重軽傷を負わせてしまった以上、
やはりこのまま制作は中止になると思われる。

新たなドラマを制作するには時間がないので、
テレ朝はバラエティーや海外ドラマで対応する模様。

同じテレ朝で放送された「イヴのすべて」の話題性や
最近の「冬のソナタ」ブームを考えると、
韓国ドラマを放送するのが最も自然な流れのような気がするが…。

9月に予定されていた「西部警察」の2時間スペシャルも
現在のところ放送未定。

ドラマ史においてもかなりショッキングな出来事となった。



『元カレ』  6話 彼女の告白

演出:片山修
脚本:小松江里子

今回は堂本剛が良かった。
とくに真琴(広末涼子)が東次(堂本剛)の家へ来た時、
2人で洗い物をしながらのシーンが印象的。

“じゃあ、ただの友達でいっか”
“仕事だけにして欲しい”
ってとこね。

あと、飲み会の帰り、
東次が部長(中原丈雄)から真琴を助けたのに
ひとりでタクシーに乗せて帰してしまうシーンも。
このあたりの堂本剛の表情はすごく良かった。

そしてこの2つのエピソードで
真琴の気持ちもかなり細かく描かれた。
前回、菜央(内山理名)に
まだ東次が好きと言っただけでは判断がつかなかったけど、
タクシーの中での涙があったということは
単に菜央に対する意識だけではないらしい。

で、最後は東次へ直接の告白。
“ずっと好きだった。忘れたことがなかった”
とまで言うからには、
東次と真琴の別れに
まだ何か明かされてない理由がありそう。

東次の両親(角野卓造・市毛良枝)の問題、
弟(斉藤祥太)の弘枝(ソニン)に対する想いなども、
うまくテーマに絡ませてある感じ。

ストーリー的にはかなり面白くなってきた。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『僕だけのマドンナ ...and I love Her.』  vol.6

演出:永山耕三
脚本:岡田惠和

脇役の脇役、教授(志賀廣太郎)のキャラが
一番魅力的っていうのがまず大問題だよな。

桜庭の敗戦に涙している長谷川京子を見てると
なんでこんなところで難しい演技をさせられてるんだろう、
と、同情さえしたくなる。

ラストシーンだけ
かろうじてワクワクする展開だった。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『14ヶ月・妻が子供に還っていく』  第6話

演出:岡本浩一
脚本:渡辺千穂

ついにラストで裕子が9歳に。
キャストは蒼井優から菅野莉央に代わった。
丸美屋の「のりたま」や
ミツカン「味ポン」のCMに出てる子ね。
ある意味、豪華リレー。

今回は美弥(酒井若菜)がバイクを避けて転ぶシーンなど、
ちょっとワザとらしい演出も多かったんだけど、
悟(中村俊介)が料理人であることが
ストーリーにうまく絡んでいて、
全体的には悪くなかった。

伊藤沙莉も大人っぷり全開。
次回以降、菅野莉央との絡みもあるのか?
かなり見物だ。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『ウォーターボーイズ』 IIIIIII

演出:佐藤祐市
脚本:中谷まゆみ

オーソドックスなストーリーだけど
まとまりはあった。

大切なゲリラ公演なのに
迷わず小野川先生(菊池麻衣子)の元へ走ってしまうあたりが
このドラマの一番いいところ。
こういう部分はヘンなリアリティーよりも
気持ち良さを優先した方がいい。

シンクロに関する部分と恋愛に関する部分のバランスも良かったし、
これくらいの内容で最後まで行って欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『クニミツの政』  第7話

演出:中島悟
脚本:大石哲也

クニミツ(押尾学)の言うことには
不思議と説得力があるって…、
そうか?

お祭りの演説なんて
もうグダグダだったじゃん(笑)

あと、市長(斉藤暁)が仕掛ける大人の政治って
保育園児の誘拐かよ。
ショッカーか、お前は。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『幸福の王子』  第七章

演出:猪股隆一
脚本:遊川和彦

井森美幸との関係は引っ張るなあ。
やっぱり繭(綾瀬はるか)は
周平(本木雅弘)の子供なのかなあ。

“アンタに会ったのは偶然じゃない。運命だったの”
と井森美幸が繭に言った時の
良介(渡部篤郎)のリアクションを見ると、
それも否定できなくなってきた。

今回、則子(坂下千里子)が大きな行動に出たけど、
則子が周平を愛しているという描写がしばらくなかったので、
ここはちょっと唐突な感じがした。

最初からなかったのか、
坂下千里子の演技力を見て
出番が少なくなっていたのか、
非常に興味があるところだ。

ストーリー的には則子の行動も
違和感なかったけどね。

物語としてはここまで破綻なく進んでいると思う。
ただ、最終回まで見終わった時、
どういう印象が残るのか。
それが問題だ。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『ひと夏のパパへ』  ♯7

監督:五木田亮一
脚本:樫田正剛

ダンサーの問題と
佐戸井(渡辺いっけい)が弁護士の夢を諦めるエピソードの
絡め方は悪くなかったけど、
全体的な出来は酷すぎた。

プロットをTVドラマという作品にする課程で
明らかにスタッフのスキルが足りてない感じ。

しかもこの回に関する話だけでなくて、
薪平(北村一輝)と麻美(桜井幸子)の関係や
宇都宮(林泰文)の絡め方など、
根本的な部分も揺るがすような描き方が今回はあった。

前回はついに視聴率も4%台まで下がって
当初の予定を変更する部分も出てきているんだろうけど、
もう少しプロの仕事をして欲しい。

ちなみにこの作品の不出来に関して
ヒロインの上戸彩に責任はないと思う。

             採点  4.5(10点満点平均6)






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