タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第198話「1話短縮の3作品がまず終了」

遅めの夏休みを取っていたので
ドラマ鑑賞が停滞気味。

そういえば沖縄って日テレ系のテレビ局がないんだな。
「すいか」が見られないのは可哀想だけど、
やかましいスポーツ中継を見なくていいという利点もあるのか。

まあ、たまに行くならテレビを見る気も起きないけどね。



『ひと夏のパパへ』  ♯10

監督:唐木希浩
脚本:樫田正剛

1話短縮なのでやむを得ないとはいえ、
プロットをなぞっただけの酷い出来だった。
上戸彩だけは最後まで良かったけど。

結局、まりも(上戸彩)と薪平(北村一輝)の関係は
普通の親子にしてしまったんだな。
看護学校の寮に入るから“ひと夏のパパ”だったという
強引なオチを使って…。

ここ2回の流れは良かったので
内容を変えるにしても
もっとうまい締め方はあったはずなんだけどな。
まあ、今となってはどうでもいっか。

キャストや基本的な企画は良かっただけに
それを成功に導けなかったスタッフの責任は重いと思う。

             採点  4.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ☆☆☆☆☆

           平均採点  5.40(10点満点平均6)



『愛するために愛されたい』  10

演出:小林義則
脚本:梅田みか

スポンサーから金を集めるだけ集めたと思ったら、
その金で飛ぶことができたシャトルをかっぱらって
2人で宇宙に消えちゃったよ!(笑)

宇宙の彼方で愛し合うのは勝手だけど
せめてシャトルは返してくれよ〜
理沙(菊川怜)も次は自分が飛ぶって言ってんだから…

しかし最後までワガママな2人だったなあ。
これじゃ何やっても
“それは宇宙の法則で決められていること”で済んじゃうぞ。

きっとこのドラマが1話短縮で終了することも
宇宙の法則で決められていたことなんだな(笑)

ラストは時空を超えてまた逢えた2人というカット。
でもこのドラマはとにかく時代設定が皆無だったので
明らかに現代の日本で2人が手を繋いで歩いていても分かりづらいだけ。

あそこは海辺で遊ぶ子供2人とかでも
イメージは伝わったと思うけどなあ。

…まあ、どうでもいいか。
一話短縮で終了させたんだから
この最終回をとやかく言ってもしょうがないしな。

ただ、ベテランの中山和記P(「ニューヨーク恋物語」や
「29歳のクリスマス」をプロデュースした人)が
完全に時代を読み違えた事実は、
大きな問題として残ると思う。

             採点  3.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★☆☆☆☆
                  演出  ★☆☆☆☆
                  配役  ★☆☆☆☆
                  主題歌 ★☆☆☆☆
                  音楽  ★☆☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  4.65(10点満点平均6)




『高原へいらっしゃい』  最終回スペシャル

演出:今井和久
脚本:吉本昌宏

脚本は吉本昌宏だった。
でも物語を終わらせるのに精一杯で
中身はないに等しかった。

結局、作為的に盛り込んだホテルの売却問題が
最後には足かせになってしまった感じ。

オリジナルにはもちろんこんな話はなくて、
最後に無事ホテルを建て直したところで終わる。

今回、石塚(堀内健)が久美(市川実和子)と間違えて
小池(菅原文太)に告白してしまうシーンがあったけど、
オリジナルでは面川が東京へ奥さんを迎えに行く場面で
間違えてシャワーを浴びている父親(社長)に
戻ってきてくれと懇願してしまうという
実に微笑ましいシーンだったのだ。

オリジナルではこの面川自身の再生が大きな軸になっていたので、
“高原へいらっしゃい”というタイトルは
面川の奥さんに対するメッセージにもなっていた。

このあたりの心の襞まで描くことができなかったことが
このリメイクの大きな失敗だった思う。

脚本家の力量を山田太一と比べては可哀想だけど、
過去の名作をリメイクするなら
もう少し優秀なスタッフで挑戦して欲しかったな。

もし脚本家を目指している人がいたら
この作品のオリジナルとリメイク版を両方書き起こしてみると
かなり勉強になるかもしれない。

             採点  4.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★★☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★☆☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  5.50(10点満点平均6)




『Dr.コトー診療所』  第10話

演出:平井秀樹
脚本:吉田紀子

ついに視聴率は21%超え。
事実、丁寧に作られたいいドラマだと思う。

ただ、個人的には今ひとつもの足りないんだよな。
分かりやす過ぎるっていうか、
新鮮味が足りないっていうか…。

刑事モノ、学園モノ、弁護士モノなんかと同様、
医療モノも作品が多いだけに、
見方が厳しくなってしまうな。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『STAND UP!!』  10

演出:堤幸彦
脚本:金子ありさ

前半はやっぱり間延びする。
もうダメかな、堤幸彦のコメディーは。

ただ、ラストはストーリー的に盛り上がった。
“これを聞いて引かないで欲しい”というフリを
出だしにも使っておいて、
最後のナレーションで
“千絵を傷つけ苦しめた相手を、ぶっ殺す”
と言わせた展開はインパクトがあった。

過激な表現ではあるけど、
リアリティーはあったと思う。

最終回は全編通して密度の濃い内容を望む。

あ、今回も片平なぎさのアドレス帳に書いてあった名前を
書きだしておこうかな。

藍美代子、あいざき進也、相本久美子、秋ひとみ、新井康弘、
荒川務、荒木由美子、五十嵐由紀、池田善彦、井上望、今村良樹、
江藤博利、太田裕美、(大和田妙子)、岡田奈々、桂木文、
栗田ひろみ、城みちる、天馬ルミ子、豊川誕、西崎みどり、能勢慶子

分かる人だけ分かってって感じ?
ちなみに池田善彦は、
山田隆夫が抜けた後、ずうとるびに加入した人ね(笑)

             採点  7.0(10点満点平均6)



『特命係長・只野仁』  第九話 美人妻

演出:秋山純
脚本:尾崎将也

マジメに作れば面白そうな話なんだけど、
とにかく安っぽく作るのがこのドラマの使命だからな。

みなさん、苦笑しながら楽しんでますか?

             採点  5.0(10点満点平均6)


『ニコニコ日記』  第3週 残暑、恋の予感

演出:中島由貴
脚本:大森美香

ケイ(木村佳乃)とニコ(永井杏)の
恋を絡めたストーリー。

好きでもない男の子に無理矢理ホッペにチューされて
真剣に怒るシーンや
好きな男の子を見つめる表情など、
永井杏は相変わらずうまく演じていた。

最後についたニコの嘘が
可愛くもあり悲しくもあり。

             採点  7.0(10点満点平均6)






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