タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第201話「“ニューヨーク恋物語”来春復活」



88年に放送された「ニューヨーク恋物語」が、
来春放送予定のスペシャルで復活することになった。

15年後の主人公・田島雅之を演じるのはもちろん田村正和。
ヒロインは竹内結子で、
年齢差を超えた大人の恋愛を描くらしい。

15年前に小池一徹を演じた柳葉敏郎も同じ役で登場。
原作は鎌田敏夫だが、今回は大石静が脚本を担当する。

過去の名作のドラマ化が止まらない…。



『特命係長・只野仁』  最終話 出向命令

演出:塚本連平
脚本:尾崎将也

“生タマゴ〜”はマズイんじゃないの?(笑)

とりあえず深夜にしては高視聴率をマークしたので
1年3ヶ月後に会いましょう的な終わり方。
5クール後ということね。

大衆の力というのはいつでも偉大だ。

             採点  5.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★☆☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  5.00(10点満点平均6)



『ニコニコ日記』  第5週 クリスマス、決心

演出:木下高男
脚本:大森美香

“大人になりたい”“つかれた”と
川縁で泣くニコ(永井杏)。

クリスマスの装飾をした窓を見上げて
“私はあの家に住んでる幸せな子供。
 そのことを覚えておこう”と、
今の幸せが続かないことを覚悟してるニコ。

泣けたなあ。

今回はニコとの生活を第一に考えようとした
ケイ(木村佳乃)の葛藤もきめ細かく描かれた。

クリスマスの夜をひとりで過ごしている
美冬(大塚寧々)のシーンも印象的だったし。

もう言うことなし。

             採点  8.5(10点満点平均6)





『すいか』  第10話

演出:佐藤東弥
脚本:木皿泉

最後はさすがに駆け足になっちゃったな。
内容的には90分スペシャルで見たかった感じ。
まあ、いつものように60分で終えるところが
「すいか」らしいんだけど…。

ストーリー的には
馬場ちゃん(小泉今日子)が最後まで
逃げ続けたことがトピックだった。

最近のテレビドラマではあまりやらない方法だけど、
(犯罪を肯定しているように取られるから)
この作品における馬場ちゃんは
“絶望の状況でも生きていけることを
身をもって証明してる”キャラだったので、
これはこれで良かったと思う。

もちろん、馬場ちゃん自身が
日常を捨ててしまったことを後悔してることは明らかで、
だからこそ早川(小林聡美)に対して
飛行機のチケットと買い物リストを選ばせたシーンは良かった。

早川が馬場ちゃんに新しい買い物リストを渡す展開、
忘れ物を取りに行くと言ったまま馬場ちゃんが去っていく場面など、
この2人に関するシーンはどれも印象的だっただけに、
絆(ともさかりえ)や教授(浅丘ルリ子)のエピソードが
散発的になってしまったのが残念だった。

もっと時間があれば
ただ繋げたような構成にはならなかったと思うけど…。

とは言うものの、
作品全体を通してみれば奇跡のようなドラマだった。

今のドラマ界において
この企画が通ったこと自体、今でも信じられない。
ドラマ分野においては
すでに守るものがなくなっている日テレだからこそ
できたのかもしれないな。

視聴率はそれほど良くなかったけど、
口コミで伝説化するタイプの作品なので
いつか多くの人に見てもらえたらと思う。

             採点  7.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★★
                  演出  ★★★★★
                  配役  ★★★★★
                  主題歌 ★★★☆☆
                  音楽  ★★★☆☆
                  新鮮さ ★★★★☆
                  話題性 ★★★☆☆

           平均採点  7.75(10点満点平均6)



『失われた約束』

プロデュース:濱星彦、渡辺真沙子(関西テレビ)、
       平部隆明(ホリプロ)
脚本・演出:源孝志(ホリプロ)
脚本協力:渡辺千穂
音楽:窪田ミナ
制作:関西テレビ、ホリプロ
出演:豊川悦司、黒木瞳、広末涼子、山本圭、石原良純、
   大森暁美、織本順吉、大森博、井原幹雄、他

綾子(広末涼子)が最初から
淳一(=光司・豊川悦司)の身元を知っていたという設定は
どうだったんだろうなあ。

物語としてはそれなりに見どころは増えるんだけど、
阪神大震災で運命が翻弄された、
という部分が弱くなってしまった気がする。

もちろん、昔の手帳があったからこそ
ラストで光司が真由美(黒木瞳)に
チョコレートを手渡すシーンが作れたわけだけど、
あれは手帳がなくても作れたシーンだしな。

綾子も淳一の過去を知るのは真由美が現れてからにして、
そこからの3人の葛藤を見てみたかった。
その方が誰も誰かを恨むことはできない、
本当に震災の不条理さが表現できたのではないか。

あと、綾子の妊娠もすべてが解決してから描いた方がよかった。
多くの命が失われた震災をモチーフにしたドラマで
新しい生命の誕生を描くことは希望の象徴としていいと思うけど、
3人の葛藤、とくに女性2人の葛藤において
片方が妊娠するのは結論までの説得力に別のファクターがかかって
あまり好ましくない(それが主題ならいいけど)。

演出が良かっただけに
その物語の基本設定部分に引っかかってしまった。

それにしても
この手の色艶のある主婦をやらせたら
今、黒木瞳の右に出る者はいないな。
「愛するために愛されたい」の悪夢を払拭できたかも。

「元カレ」に続いて「元妻」にも勝った広末涼子は2連勝(笑)。
ね? この手のドラマの方が広末の良さは出るでしょう?

キャストは概ね良かったんだけど、
なぜ石原良純だったのかはかなり疑問。

ドラマの構成として高村(石原良純)に時間を割かない選択は
決して間違ってないんだけど、
高村側にドラマがあるのも事実。

少ないシーンでここにも説得力を持たせるには
もう少し主役の3人と釣り合う役者を使うべきだった。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★☆☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  音楽  ★★★★☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆






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