タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー
第202話「7〜9月期を振り返る」
TBSの惨敗という結果で終わった7〜9月期。
いつものようにざっとまとめておこう。
まず、関東の平均視聴率は…。
Dr.コトー診療所 18.87%
ウォーターボーイズ 16.04%
元カレ 15.71%
僕だけのマドンナ 13.16%
特命係長・只野仁 11.96%
幸福の王子 11.63%
STAND UP!! 10.17%
クニミツの政 9.89%
すいか 8.94%
14ヶ月・妻が子供に還っていく 7.36%
高原へいらっしゃい 7.21%
愛するために愛されたい 6.56%
ひと夏のパパへ 5.60%
ご存じのように下位の3作品が一話短縮の打ち切り。
もともと夏のTBSはそれほど視聴率が取れていなかったけど、
同じ局から3作品も同時に打ち切りが出るというは
さすがに異常事態だった。「特命係長・只野仁」は12%近くの視聴率を取って5位に。
たぶんこの金曜深夜枠が増設されて最高の視聴率だと思う。多くの大衆が今のTVドラマに
何を求めているかが分かるという意味では
面白い作品だった。個人的な評価点の平均はこんな感じ。
すいか 7.75
STAND UP!! 7.18
Dr.コトー診療所 7.05
ウォーターボーイズ 6.68
幸福の王子 6.45
元カレ 6.35
14ヶ月・妻が子供に還っていく 6.35
高原へいらっしゃい 5.50
僕だけのマドンナ 5.45
ひと夏のパパへ 5.40
クニミツの政 5.36
特命係長・只野仁 5.00
愛するために愛されたい 4.65
世間的には「Dr.コトー」と
「ウォーターボイズ」のクールだったのは分かる。
でも、どちらももっと良く作れる要素があった作品だけに
個人的にはもったいない印象の方が強かった。「STAND UP!!」は中だるみしてしまったのが残念。
「幸福の王子」以下はほとんど印象に残る作品とは言えなかった。結局、このクールは「すいか」を
世に出すためのクールだったということか。
視聴率は「クニミツの政」にも負けたけど、
見た人にとっては忘れられない作品になったと思う。よって、最優秀作品は文句なく「すいか」。
少し前にどこかの大学の研究室で
TVドラマの満足値に関する調査をしていて、
「GOOG LUCK!!」と「僕の生きる道」の満足値が
ほぼ同じだったという結果を発表していたけど、
「すいか」も視聴率とは別の満足値という評価があったら
間違いなく最高級の位置にランクされていたと思う。「すいか」はこのクールだけでなく、
今年を代表する作品になった。最優秀主演男優賞は「Dr.コトー診療所」の吉岡秀隆。
髪型以外はさすが純クンという感じだった。最優秀主演女優賞はやっぱり「すいか」の小林聡美かな。
主演女優に関しては対抗馬すらいなかった。
「ひと夏のパパへ」の上戸彩は頑張っていたと思うけど、
作品全体のクオリティーがアレでは個人賞はあげられない。最優秀助演男優賞は…、該当者ナシかなあ。
「すいか」の金子貴俊が良かったけど出番が少なかったし。
「僕だけのマドンナ」の緒形直人も確かに悪くはなかった。
でもあの作品から助演男優賞ってのもな。最優秀助演女優賞は難しい。
「すいか」のともさかりえ、浅丘ルリ子、市川実日子、
小泉今日子、白石加代子、みんな良かったし、
「Dr.コトー診療所」の柴咲コウも、
「STAND UP!!」の鈴木杏、AKINAも良かった。でもまあ、やっぱり白石加代子だろう。
あの反則スレスレの存在感は誰も敵わないって。最優秀新人賞は「14ヶ月・妻が子供に還っていく」の伊藤沙莉で。
菅野莉央も良かったけど、彼女は新人じゃないしね。
「コトー」と「ウォーターボーイズ」にもっとハマれれば
それなりに満足のできるクールだったんだろうけど、
全体的には不作のクールという印象は歪めない。しつこいようだけど、
「すいか」が存在したクールとしてだけ記憶に留めておこう。
[ロビー田中の自己紹介]
[トップへ]