タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第207話「秋ドラマすべて出揃う」
10〜12月期の連ドラがすべて始まった。
「ビギナー」「恋文」「共犯者」は
当初の予想よりだいぶいい感じ。逆に「トリック」は3番目に視聴率が良かったのに
内容は…。まあ、個人的に一番楽しみなのは
「ピュア・ラブ3」だけどね(笑)
『あなたの隣に誰かいる』 第2回
演出:林徹
脚本:坂元裕二どういうトーンのドラマにしたいのか、
やっぱり中途半端な気がする。隣に住む澤村(北村一輝)は誰なのか、
草間(いかりや長介)が追う事件とは
どういう接点があるのか、など、
興味をひくエピソードはすでに出ているのに、
見ていてもそこに集中できない。企画そのものが欲張り過ぎだったんじゃないかな。
採点 5.5(10点満点平均6)
『ハコイリムスメ!』 第弐話
演出:木下高男
脚本:中園ミホ徹郎(吉沢悠)が事故に遭うという展開に。
灯(深田恭子)の苦悩はそっち方面か。花(飯島直子)の恋愛に関してもそうだけど、
結局は高尾山を舞台にしていることを
どううまく絡められるかだろうな。吉田日出子は早くもいい味を出してきた。
ただ、編集が悪いのか、
全体的にテンポが悪いのが気になる。採点 6.0(10点満点平均6)
『恋文』 第二話
演出:新城毅彦
脚本:岡田惠和“オレさあ、最高の女と結婚してたんだなあ”
というセリフ以外はみんな良かった。
あそこだけだな、余計だったのは。あとはほとんどムダなシーンがなくて
上質の仕上がりだった。
こういう視聴者に媚びない作りはいい。岡田惠和は男性より女性の描き方の方がうまいのかな。
採点 7.5(10点満点平均6)
『共犯者』 第1話
チーフプロデュース:梅原幹
プロデュース:伊藤響、北島和久、大塚秦之
演出:大谷太郎
脚本:秦建日子
音楽:吉川慶、AUDIO HIGHS
オープニングテーマ:「HIGH CRIME」川口大輔
エンディングテーマ:「琥珀の月」Skoop On Somebody
制作:日本テレビ
制作協力:三城
出演:浅野温子、三上博史、池内博之、奥菜恵、佐野史郎、石橋蓮司、
吹越満、中山忍、有坂来瞳、小野真弓、松尾れい子、はしのえみ、
加賀美早紀、佐藤二朗、さとう珠緒、乙葉、川端竜太、宇梶剛士、
栗田よう子、松重豊、黒部進、他サスペンスの作りとしては
「あなたの隣に誰かいる」よりずっと本格的で
初回からかなり引き込まれた。男(三上博史)がどういう経路で
冬川(浅野温子)に辿り着いたのか、
どこから情報を得ているのか、というあたりを
まわりに怪しい人物を出しつつ興味を持たせ、
いきなり新たな殺人を起こさせたのは
展開として抜群に面白かった。…ただ、やっぱり浅野温子がなあ。
大きな声を出した時のあの大袈裟な演技は何とかならんか。そこさえ気をつけてくれれば
かなり楽しめそうだ。採点 7.0(10点満点平均6)
『トリック』 episode 1
プロデュース:桑田潔、蒔田光治、山内章弘(東宝)
演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治
音楽:辻陽
主題歌:「私とワルツを」鬼束ちひろ
制作:テレビ朝日、東宝株式会社
制作協力:オフィスクレッシェンド
出演:仲間由紀恵、阿部寛、野際陽子、生瀬勝久、姜暢雄、大島蓉子、
アベディン・モハメッド、瀬戸陽一朗、他オープニングでタマゴが割れる時は
ちょっとドキドキした。
今度は黄色(金色?)。
…そのまんまじゃん!えー、あとは新鮮味なし。
柴崎香はちょっと笑ったけど。
あと、倫倫・乱乱も。脚本を何とかしないと
もう新たな面白さは出ないだろうな。里見(野際陽子)が最初から絡んでいるのが
多少は期待を持てる点かもしれない。採点 5.5(10点満点平均6)
『白い巨塔』 第二話
演出:西谷弘
脚本:井上由美子うーん、1話と変わらずの印象。
豪華なキャストの割には
強力に惹きつけるものがない感じ。
高畑淳子が一番キャラ立ちしてるくらいだからな。もっとストーリーが進まないと
個人的には楽しめない気がしてきた。採点 6.5(10点満点平均6)
『エ・アロール』 第2話
演出:平野俊一
脚本:相沢友子妻を突き飛ばしてしまったことを
野村(津川雅彦)が後悔している話は良かった。ただ、伊東四朗と白川由美をゲストに迎えた割には
密度が薄かった感じ。
今回みたいな夫婦の話は
もう少し登場人物たちの背景を
示してからやった方が良かったかもしれない。あと、エア・ロールの職員のキャラも
もっと立てた方がいいような気がする。派手な内容じゃないだけに
脚本の質は余計に求められるだろうな。採点 6.0(10点満点平均6)
『マンハッタンラブストーリー』 B
演出:片山修
脚本:宮藤官九郎今回は面白かった。
A→B→Cと人がつながっていって
メインの2人以外にも
ストーリーに絡める人物が増えてきたこと、
赤羽(小泉今日子)の回想シーンや
「軽井沢まで迎えにいらっしゃい」の映像で
ランニングギャグが使えるようになったこと、
などが大きい。あと、予想以上に尾美としのりが良かった。
小泉今日子も今回はハジケてたけど、
尾美としのりの急変は面白かったな。この調子でD、E、Fとつながっていけば
どんどん面白くなりそう。採点 7.0(10点満点平均6)
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