タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第220話「年末は倉本聰、三谷幸喜、野沢尚」
年末の特番もだいぶ情報が出てきているけど、
ドラマにおける最大のイベントは
やはりNHKの「川、いつか海へ」。12月21日〜26日までの6夜連続で、
倉本聰(3話・6話)、
三谷幸喜(2話・4話)、
野沢尚(1話・5話)の3人が
リレー形式で脚本を書く。基本的には6つの物語だが、
川を流れるガラスの浮き玉が
統一のアイテムとして登場するとか。どんなドラマになるのか
今から楽しみだ。
『エ・アロール』 第8話演出:松田礼人
脚本:相沢友子来栖(豊川悦司)と麻子(木村佳乃)の
デートシーンがやたら良かった。
この2人の恋愛もきちんと描くことで
高齢者の恋愛も引き立っていると思う。そしてドラマの前半では
比較的コミカルな役割を担っていた立木(緒形拳)が、
女子大生と結婚をすると言い出す展開に。緒形拳もまたいい演技するなあ。
「恋文」のいしだあゆみといい、
今期はベテラン俳優が大活躍だ。採点 7.0(10点満点平均6)
『トリック』 episode 4 ♯7演出:堤幸彦
脚本:蒔田光治メインとなっている事件は面白かった。
ただ、ギャグや小ネタはややスベリ気味。
“カステラの人?”は面白かったけど。呪いうた 早く詠んでも のろいうた
…やっぱりダジャレじゃん!(笑)ちなみに事件を解くカギとなっている歌はこんな感じ。
よみの国への行き帰り
行って戻って我生き返り
おもて忘れるとも
うら見忘れじおしゃべりすずめは毒舌家
毒の舌もち 話に水差し
みずから毒飲み 哀れ泡吹くしのぶ恋 鐘の音鳴りて 明かり落ち
くら暗くなり くらくらと
恋しき人よ 身を焦がす採点 6.5(10点満点平均6)
『白い巨塔』 第八話演出:村上正典
脚本:井上由美子いよいよ佐々木よし江(かたせ梨乃)が登場。
昔は確か中村玉緒だったよね。ストーリー的には教授選と重なって
この佐々木夫妻が現れたのがポイント。
竹内(佐々木蔵之介)が言った
“マズイでしょ、今は”
は結構おかしかった。東夫人(高畑淳子)に加え、
財前夫人(若村麻由美)もいい味を出してきた。
脇役の方が魅力あるように感じてしまう、
という状況は何とかならんかなあ。採点 6.5(10点満点平均6)
『マンハッタンラブストーリー』 G(表記は反対向き)演出:土井裕泰
脚本:宮藤官九郎その手があったか!(パート2)
今度は片想いの方向がリバース。
回数表記もGが反対向きというものだった。ただ、ひとつずつ戻ってくる時間はないので
反対向きになった様子を全体的に描写。
その中でD・土井垣(松尾スズキ)とE・江本(酒井若菜)が
婚約するという展開になった。これは江本が妊娠していたので自然な成り行き。
すべての登場人物の心理が細かく描かれたわけじゃないけど、
(つまり強引と言えば強引なところがあった)
土井垣と赤羽(小泉今日子)にスポットを当てることで
全体の流れを出した構成はうまかった。それにしても店長(松岡昌宏)、
カン悪すぎ(笑)
でもだからこそ見ている側は
今後の行方を楽しめるんだけどね。最終回まであと3話。
どう締めるか楽しみで仕方がない。採点 7.5(10点満点平均6)
『ヤンキー母校に帰る』 Vol.8演出:新城真一
脚本:飯野陽子あのドキュメンタリーをドラマ化するなら
描かざるを得ない大麻の話。吉森(竹野内豊)が
徹(市原隼人)と和人(永井大)と話すシーンも良かったけど、
職員会議が良かった。唐十郎はさすがにすごい存在感。
あんな校長がいたら若い教師もついていくだろうなあ。このテイストで作れば次回以降も感動的になるはず。
「ヤンキー」もまくってきて、
豊作の今期もいよいよ終盤だ。採点 7.0(10点満点平均6)
『独身3!!』 第8話演出:田澤直樹
脚本:福田雄一お遊びの回だってことは分かるけど、
いくら何でもくだらな過ぎるだろ。公共の電波のムダ使いだな(笑)
採点 3.5(10点満点平均6)
『百年の恋』 第3週 ボクがママですよ?!演出:中村金太
脚本:橋部敦子もうちょっと笑いが効果的に取れれば…。
惜しい作品だなあ。
母親(江波杏子)の存在も、
実はすごく意味があっていいのに。あと「白い巨塔」とダブルブッキングの高畑淳子もいい。
この編集長役が女性っていうのもいいよな。筒井道隆と高畑淳子以外のキャストを代えて作ってみると
劇的に良くなったりして…。
それを言っちゃおしまいか。採点 6.5(10点満点平均6)
『あした天気になあれ。』 8演出:佐久間紀佳
脚本:梅田みか花(観月ありさ)は25歳だって言ってるのに
“こんなにお酒を飲むのは6年ぶり”って
どういうことやねん!(笑)ストーリーはありきたりでディテールは曖昧。
実々(森迫永依)の可愛さに助けられて
全体的には見やすい作りになってるけど、
脚本は相当ユルユルだぞ。それにしても濱田万葉、
久しぶりに見たな。採点 6.0(10点満点平均6)
『末っ子長男姉三人』 第7話演出:高成麻畝子
脚本:吉田紀子泥棒ネコじゃなくて泥棒ヘビだろ!
…なんちって。
それにしても坂本真綾、すごい役だったな。一郎(岡田准一)にスポットが当たって、
やっと春子(深津絵里)・一郎夫婦に
姑、小姑が絡むというバランスになった。
このバランスも今まで足りなかった部分なんだよ。そういう意味では見やすい回だったけど、
最後の公開録音のシーンで締められなかったのは残念。
てっきりお母さん(岸惠子)が
相談者として出てくると思ったのに…。まあ、まだ3回あるからこんなもんか。
採点 6.5(10点満点平均6)
『楽園のつくりかた』演出:土屋勝裕
脚本:中園健司
原作:笹生陽子
音楽:小六禮次郎
制作:NHK
出演:天海祐希、落合扶樹、田村高廣、杉林沙織、渋谷謙人、門野翔、他この手のドラマはやっぱりNHK。
傷ついた子供の心の再生と
親子のふれあいを、
美しい長野の自然を舞台に
やさしく描いていたと思う。父の死を受け入れられずに
自作自演のメールを繰り返す中学生を、
「やっぱりさんま大先生」出身の落合扶樹が
見事に演じていた。子供とどう接すればいいか悩みながらも
明るく振る舞う母親役も、
天海祐希にぴったりだったと思う。途中で長野での暮らしを決意する
優(落合扶樹)の心の動きや、
優の同級生の描き方が淡泊で
もの足りない部分も確かにあった。でもこういうドラマを
時々NHKで見るとホッとするな。採点 7.0(10点満点平均6)
脚本 ★★★☆☆
演出 ★★★★☆
配役 ★★★★☆
音楽 ★★★☆☆
新鮮さ ★★☆☆☆
話題性 ★★☆☆☆
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