タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第228話「2004年1〜3月期のラインナップ」


予想外に豊作だった10〜12月期。
1〜3月期も注目作が多く
同じくらいの数の優秀作品が生まれそう、な気はする。

さて、どれに狙いを定めるか…。


『プライド』 1/12〜
フジ系 月曜9時  期待度 ★★★★★

アイスホッケーにすべてを捧げる青年を主人公にした
青春エンターテイメント。

大多亮、現場復帰後初の月9で、
脚本は野島伸司、主演は木村拓哉。

野島伸司が連ドラデビューをした作品
「君が嘘をついた」をプロデュースしたのが大多亮だった。

その後、このコンビは
「愛しあってるかい!」「すてきな片想い」
「101回目のプロポーズ」「愛という名のもとに」
「ひとつ屋根の下」などのヒット作を生み出していく。

今回、大多亮が月9のテコ入れに編成から呼び戻され、
その最初の作品に野島伸司を起用したのは興味深い。
おそらく、エンターテイメントに徹して
素直に数字を取りに行くと思う。

これは月9のテコ入れというより、
テレビドラマのテコ入れと言ってもいいからだ。

木村拓哉は以前、
「リップスティック」で出演が決まっていたが、
直前の企画変更に伴って役を降りたため、
今回が初の野島作品。

これに「101回目のプロポーズ」
「愛という名のもとに」の頃から演出補として参加し、
「この世の果て」「リップスティック」なども撮った
中江功がメイン演出に座る。

大多亮、野島伸司、木村拓哉、中江功。
どこまで多くの人を惹きつけ、
どこまで作品のクオリティーを上げるか、
これはこの4人の“プライド”をかけた作品と言ってもいいだろう。

たぶん直球で来る。
それで打たれたら終わり。
いずれにしても楽しみだ。



『奥さまは魔女』 1/16〜
TBS系 金曜10時  期待度 ★★★★☆

“奥さまの名前はサマンサ。旦那さまの名前はダーリン。
 ごく普通の2人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。
 ただひとつ違っていたのは、奥さまは魔女だったのです”

この有名な中村正のナレーションで始まる
アメリカの傑作コメディーをリメイク。
全254話の中から選りすぐりのエピソードをピックアップする。

舞台を日本に移し、
主人公はサマンサではなくありさ(米倉涼子)、
旦那さまもダーリンではなく譲二(原田泰造)になるが、
ソニーピクチャーズとTBSの共同製作となり、
本気でドラマ化する。

魔法の部分はわざとワイヤーで吊したりして
レトロな雰囲気を出すらしい。

サマンサの母親は夏木マリ、
ダーリンの上司は竹中直人、
魔法を目撃するのに旦那に信じてもらえないグラディス役は
佐々木倉子という役名で冨士眞奈美が演じる。

あらゆる方面で評判を落としている米倉涼子が巻き返すには
もうこれしかない、と個人的には思っている。

日本人でサマンサができるのは米倉涼子だけ、
と思わせるくらいの熱演を期待したい。




『僕と彼女と彼女の生きる道』 1/6〜
フジ系 火曜10時  期待度 ★★★★☆

「僕の生きる道」に続くシリーズ第2弾。
前作とはまったく別の話で、
今回は親子、夫婦の絆をメインに描く。

主演は前作と同じ草なぎ剛。
スタッフも基本的には変わらないが、
メイン演出が星護ではない。
これがどう響くかに注目したい。

共演は小雪、りょう、
前作にも出ていた小日向文世、大杉漣も出演する。



『彼女が死んじゃった。』 1/17〜
日本テレビ系 土曜9時  期待度 ★★★★☆

映画「私をスキーに連れてって」「病院へ行こう」
「僕らはみんな生きている」などの一色伸幸が
17年ぶりに連ドラを手掛ける。

ひょんなことから一夜を共にした彼女(木村佳乃)が、
翌日、謎の自殺。
自堕落な生活を送っていた主人公(長瀬智也)は、
彼女の妹(深田恭子)と彼女の婚約者を名乗る男(香川照之)と一緒に
その死の理由を探る旅に出る。

シリアスとコメディーが絶妙のバランスで描かれるはず。
メイン演出は「すいか」の佐藤東弥。
一色伸幸を引っ張り出したことからしても、
「すいか」と同じ主旨で企画された作品のような気がする。

これはとりあえずチェックしておくべき。



『エースをねらえ!』 1/15〜
テレ朝系 木曜9時  期待度 ★★★☆☆

30年前に連載がスタートし、
一大テニスブームを巻き起こした
伝説コミックのドラマ化。

上戸彩が岡ひろみを、
松本莉緒がお蝶夫人を、
内野聖陽が宗方コーチを演じる。

コミック原作ならテレ朝という図式はあるけど、
今回はメイン演出も松田秀知で、
共同テレビ主導になる模様。

「ガラスの仮面」のような作品にはならないかもしれない。
とりあえず初回は要チェックか。



『砂の器』 1/18〜
TBS系 日曜9時  期待度 ★★★☆☆

松本清張の同名小説をドラマ化。
元々は1960年から61年にかけて連載された新聞小説で、
74年に映画化された時は
丹波哲郎、加藤剛、佐分利信、緒形拳、渥美清など
主役級が総出演して大ヒットとなった。

原作や映画との大きな違いは、
時代背景を現代に置き換えることと
主人公を刑事ではなく犯人側にすること。
これでだいぶ雰囲気は変わると思う。

和賀英良役が中居正広、
今西刑事役が渡辺謙。
原作にはない和賀の運命の女性役で
松雪泰子も出演する。

メイン演出は福澤克雄。
日曜の夜に見るドラマとしてはかなり重たいかも。



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』 1/6〜
フジ系 火曜9時  期待度 ★★★☆☆

「少年サンデー」に95年から4年間連載された
消防士の活躍を描く社会派コミックをドラマ化。
「ウォーターボーイズ」の山田孝之が大吾を演じるため
このタイトルになった。
ちなみにスタッフは「ウォーターボーイズ」とまったく違う。

共演は、内山理名、小西真奈美、塚本高史、
石黒賢、鹿賀丈史など。
「ビギナー」のミムラも救急隊員役で出演する。

火災シーンは実際の火も使い、
かなりリアルな映像になるらしい。
大きく外れることはないと思われる作品。



『乱歩R』 1/12〜
日本テレビ系 月曜10時  期待度 ★★★☆☆

江戸川乱歩の名作を現代に置き換え、
一話完結で描く。

主人公は明智小五郎の孫(藤井隆)。
初代・明智小五郎の助手だった小林少年は72歳になり、
小林老人(大滝秀治)となって登場する。

毎回、豪華なゲストが出演する予定で、
第1回は武田鉄矢、乙葉などを招いて
「人間椅子」を放送する。

企画は悪くないと思う。
あとは脚本の完成度をどこまで高められるか…。



『それは、突然、嵐のように…』 1/14〜
TBS系 水曜10時  期待度 ★★☆☆☆

「Shall we ダンス?」の主人公を女性にしてドラマ化し、
江角マキコ、山下智久が共演するというニュースが流れたのが11月の中旬。
「妻が恋しちゃだめですか」という仮タイトルまで発表されていたけど、
結局、この作品から「Shall we ダンス?」の文字は一切消えた。

設定を極端に変えるなら許可の必要はないが
そのかわり「Shall we ダンス?」の文字は一切出すな、と言われたのかも。

そりゃそうだよな、
話題作りのためだけに使われたんじゃたまんないし。
とにかく「Shall we ダンス?」とは似て非なる作品になる模様。

TBSはずっと間際まで放送枠が決まらなかったんだけど、
本来ならこっちが金10向きだと思う。

「東京ラブストーリー」世代の女性に贈るラブストーリー。
主題歌は小田和正。



『ドールハウス〜特命女性捜査班〜』 1/15〜
TBS系 木曜10時  期待度 ★★☆☆☆

04年版「プレイガール」を目指した
セクシーバイオレンスドラマ。

舞台は近未来。
普段はダンスクラブで働く女性7人。
実は彼女たちこそ警察の秘密組織、
特殊捜査チーム“ドールハウス”だった。
みたいな内容。

パンチラありのお色気路線ということで、
ドールハウスの女性7人は
松下由樹、安達祐実、小池栄子、
野波麻帆、一戸奈美、春日井静奈、中江ゆきこが演じる。

狙いは悪くないけど安っぽくなりそう。



『スカイハイ2』 1/16〜
テレ朝系 金曜11時15分  期待度 ★★☆☆☆

“おいきなさい”って言ったのに戻ってきちゃった。
好きな人は好きなのかなあ。
相当、穴のあるドラマだと思うけど…。

スタッフに変更はなし。
つまり劇的に良くなることはないと思う。



『サラリーマン金太郎4』 1/15〜
TBS系 木曜9時  期待度 ★☆☆☆☆

まだやるのかよ!
放送枠を代えてまでやるのかよ!

死んだヤマト建設会長・龍之介(津川雅彦)に代わって
今回は龍之介の従弟が登場。

それは高橋英樹。
役名は桃太郎!  ┐(´-`)┌ ヤレヤレ





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