タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第23話「Don't think,feel.」
ここのところ見逃すことが多かった
「ココリコ ミラクルタイプ」を久しぶりに見た。この番組、「初体験」に出てる
坂井真紀と八嶋智人が
コントをやってるんだけど、
器用だよな、二人とも。松下由樹もそうなんだけど
女優がマジメにコントをやると面白い。
女優がゲストにも来た時は(昨日は瀬戸朝香)、
トークさせるだけじゃなくて
コントもやってもらえばいいのに。この番組、面白いから
ゴールデンタイムで…
みたいな流れになりそうだけど、
そうしたらつまらなくなるんだろうな。今のままのスタイルで続けて欲しい。
『サラリーマン金太郎3』 Fight 6
演出:加藤章一
脚本:中園健司さすがにこれで
冬美(森口瑤子)の出番も終わりだろう。
今シリーズは女優の数が減って
派手さはなくなったけど、
森口瑤子の存在は大きかった。真澄(羽田美智子)とのバトルも
見応えがあったな。
最後に真澄が金太郎(高橋克典)を許しても
しばらく別の部屋で寝るあたり、
なかなか丁寧な作りで良かった。いよいよ来週からは松方弘樹も登場して
大須賀(長門博之)側との全面戦争か。
個人的にはつまらなくなっちゃったけど、
それが金太郎なんだろうな。前シリーズやスペシャルよりは
ずっとマシな作りになってる今回。
とりあえず最後まで期待してみよう。採点 6.5(10点満点平均6)
『人にやさしく』 第6話
演出:澤田鎌作
脚本:鈴木おさむ全体の構成は悪くないけど
ひとつひとつのセリフは浸みてこないという
鈴木おさむの回のパターン。序盤は明(須賀健太)の可愛さに助けられ
後半は高岡早紀に助けられたという感じだった。高岡早紀もこういう役をもっとやった方がいいな。
なんかすごくきれいだった。ドラマ全体としては
この分かりやすさが身上なんだろう。
それはそれでかまわないと思う。
香取慎吾の役者としてのキャリアの中では
それほど重要な作品にはならないと思うけど。採点 6.5(10点満点平均6)
『ギンザの恋』 6. 明日に恋しよう
演出:羽住英一郎
作・脚本:九條仁里 脚本協力:福田雄一やっぱり平山綾は出てこなかった。
この回から完全に短縮版として
脚本も書き直したということか。それにしても最後の遊び方は極端だな。
もうヤケっぱちって感じ。
いや、もしかしたら
青天の霹靂というスタッフの気持ちを表した
メッセージかもしれない(笑)まあ、仕方ないか。
じっくり練り直す時間も与えられなかったんだろうな。そのせいもあって
今回は笑いを取りにいくシーンもすべり気味。
いつもシュールな笑いを取っていた
清水紘治、西田健、ふかわりょうのシーンも
変に作為的でつまらなかったし。でもまあ、清水紘治をこんな使い方したドラマって
初めてだろうな。
来週こそは思いっきりバカなことをして欲しい。それにしてももったいない。
中澤裕子による減点はあったにしても
当初の予定通りに進めばかなり面白いものになったのに。次回の最終回、
開き直ってこれぞ「ギンザの恋」という
内容で締めて欲しい。採点 6.0(10点満点平均6)
『初体験』 countdown 6
演出:土方政人
脚本:神山由美子編集のせいか
今回はいつものテンポと違って
バタバタとした印象があった。
それでも相変わらず
象徴的なシーンやセリフは多かったけど。まず、前回からの流れを受けて
真智(水野美紀)の
“カゼの前と後で私の仕事への情熱は
微妙に変わったような気がする。
私がいなくても病院は全然平気だった。
私から仕事を取ったら何が残る?”
というナレーションは意味深かった。このドラマは初体験に伴う
表面的なドタバタだけを描いているわけじゃないから
こういう真智の心理描写も重要になってくる。
真智はどうして今までヴァージンだったのか、
経験することで何が変わるのか、
あるいは変わらないのか、
という意味も含めて。歩(小泉孝太郎)と美佐(畑野浩子)の関係も
少ないながら印象的に描いていた。“他の男と同じだなんて思ってない。
けどね、もうひとりの私が言ってるの。
結局、男はみんな同じじゃない…って”こういうセリフを美佐に言わすあたり
作品全体の構成の中で各登場人物の役割を
よく組み立てているなと思う。そのあと、歩が
“デートしてください、オレと”
って言うわけだけど、
ここでカメラが引いて、部屋全体を撮すカットもいい。
ラブホテルにいるのにデートを申し込んでいるわけだからね。
このシーンはすごく良かった。ドラマの冒頭から27歳のうちに、という前振りをしながら
全然そうはならない展開も良かった。
これは“初体験”というテーマだからこそ
活きてくる流れだ。そんなふうに思っている人は多いもんね。
何歳までには経験したいとか…。
ただそれはかなり自己完結的な理由であって
他者から見た人間性においてはほとんど意味がない。
いや、それに付随する考え方は
意味があるかもしれないけど。その辺まできちんと描いてるから
このドラマは面白いんだろうな。それにしても
ドラマの最初から頻繁に出ている
ブルース・リーの“Don't think,feel.”は
本当にうまく使ってる。もちろん、有名なセリフではあるけど、
このドラマの企画が決まって打ち合わせをしている時、
誰かがこれを使おうと言い出したんだろうな。
いいセンスしてるよ。そして今回で明らかになった
琴美(坂井真紀)とフサちゃん(藤木直人)の過去。
ただの専業主婦では
真智との対比としては弱い感じがしていたけど
そういう役割をも兼ねてくるとは…。来週がかなり楽しみだ。
採点 7.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 6
演出:松田秀知
脚本:江頭美智留今回は良かった!
6回目にしてやっと…という感じ。この時期、バレンタインネタは
ほとんどのドラマでやるけど、
今のところコレが一番いい。今回主役になった長野里美。
第三舞台の看板女優だった彼女を最初に見たのは
もう17年くらい前になる。
「もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ」
という芝居だった。大高洋夫がいて、筧利夫がいて、
山下裕子がいて、小須田康人がいて、
今「人にやさしく」でオカマちゃんの役をやってる
京晋佑もいた。
筒井真理子はまだいなかったかな。とにかく、芝居の面白さを教えてくれた
女優さんのひとりだ。
“…まだ女は捨ててません”って
捨ててもらっちゃ困るよ(笑)ちはる(中谷美紀)の恋心と
純粋な気持ちで望む市政。
この調子で最後までいって欲しい。採点 7.5(10点満点平均6点)
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