タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第233話「中居と木村と草なぎの生きる道」

中居正広が主演する「砂の器」、
木村拓哉が主演する「プライド」
草なぎ剛が主演する「僕と彼女と彼女の生きる道」、
どれも初回の視聴率は高く、
香取慎吾が主演する「新選組!」、
稲垣吾郎がストーリーテラーを務める「ほんとにあった怖い話」まで含めると
初回合計視聴率は113.9%になるらしい。

…これ、合計する意味あるの?(笑)



『彼女が死んじゃった。』  第1話

チーフプロデュース:梅原幹
プロデュース:田中芳樹
演出:佐藤東弥
脚本:一色伸幸
原作:一色伸幸、おかざき真里
音楽:CHORO CLUB feat.Senoo(SMJI)
主題歌:「トランジスタGガール」TOKIO
制作協力:5年D組、太田雅晴
制作:日本テレビ
出演:長瀬智也、木村佳乃、深田恭子、香川照之、西村雅彦、
   いしのようこ、赤坂七恵、他

原作はコミックだったんだね。
2巻までしか出てないみたいだけど…。

当然の事ながらテレビなのでハードなSEXシーンはナシ。
それはまあしょうがないとして、
ゆかり(木村佳乃)とハジメ(長瀬智也)の短くも濃密な時間は
もっと丁寧に描くべきだったんじゃないかなあ。
今後に響かなければいいけど。

笑いを取れるポイントで積極的に笑わせてない点も
今後にどう響くか。

映像はそれなりに美しく撮れていると思うので、
テレビならではの良さが出ることを期待したい。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『砂の器』  第1話

プロデュース:伊佐野英樹、瀬戸口克陽
演出:福澤克雄
脚本:龍居由佳里
原作:松本清張「砂の器」
潤色:橋本忍、山田洋次
音楽:千住明
主題歌:「やさしいキスをして」DREAMS COME TRUE
制作:TBSエンターテイメント、TBS
出演:中居正広、松雪泰子、渡辺謙、原田芳雄、赤井英和、夏八木勲、市村正親、
   武田真治、京野ことみ、永井大、松岡俊介、岡田義徳、佐藤仁美、他

さすがに福澤克雄。
美しく丁寧な演出で映像的には見ごたえがあった。

ただ、赤井英和の東北弁や、
セリフのない場面での中居正広の表情など、
演者的にはやや荷が重いかも、
と感じる部分もあったりして…。

ドラマとしてのアレンジの仕方は悪くないと思うので、
内容にのめり込んでいけば気にならなくなるかな。
渡辺謙と松雪泰子に期待してみよう。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『プライド』  period 2

演出:中江功
脚本:野島伸司

関東の視聴率は約3%ダウン。
でもあの初回からすれば頑張って堪えた方だと思う。

で、その第2話の内容は、
まだまだ寒いシーンは多いものの
だいぶ野島伸司らしくなってきた。

中江功の演出も今回は良かったと思う。
ラストはかなりテンポがあったし。

ただ、古き良き時代”は今回の使い方でかなりカバーできたけど、
“メイビー”はまだ取って付けたようでキツイなあ。

シーンによって出来に極端な差が出た回だった。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『乱歩R』  第2話「吸血鬼」

監督:五木田亮一
脚本:林誠人

前回より明智(藤井隆)の存在感はあった。
でも全体の仕上がりはB級テイストが増した感じ。
脚本家も演出家も前回とは違ったからかな。

ゲストだけでなく、
脚本や演出によってもムラが出そう。

演出家は2人だけみたいなんで、
もう少し見てみないと何とも言えないか。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  3

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

まあ、何とか伝えたいことは
伝わったんじゃないでしょうか。

脚本も演出も
わざと分かりやすくしようとして安っぽくなってるけど。

ミムラの素人っぽさが前面に出たというより、
みんな素人っぽく見えてしまうのが
この手のドラマの難点だな。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第3話

演出:平野眞
脚本:橋部敦子

今まで凛(美山加恋)の辛い境遇を散々見てきたのに、
動物園で凛が声をあげて笑うシーンが一番泣けたよ。号泣だよ。

それにしても今回は珠玉のシーンが満載だったな。
レーズンパンのシーンとか(凛の“両方食べてもいいですか?”)、
ピザを食べるシーンとか(2人で一緒に“垂れる!”)、
ハーモニカを吹くシーンとか(徹朗の“吹いてもいい?”)。

2人の関係が少しずつ変わっていく過程も丁寧に描写されていて、
第1話ではあんなに離れていた出社・登校時の2人の距離が
ぐっと近くなっている場面などは象徴的だった。

動物園のベンチで声をあげて笑うシーンも、
その前のピザを食べるシーンで
笑い出しそうだったけど2人してためらったシーンがあったから活きた。

徹朗(草なぎ剛)が凛をおそるおそる抱きしめた時の
凛の穏やかな表情も良かったし、
徹朗とこれからも一緒に暮らすことになった日の
ぐっすり眠る凛の寝顔も良かったし…。
本当に丁寧な作りだったな。

徹朗と可奈子(りょう)があっさり離婚してしまった展開も、
テーマをきちんと捉えているという意味で納得。

あえて不満点を挙げるとすれば、
2話で可奈子が凛を愛していないという言うシーンや
この3話で徹朗が凛を抱きしめるシーンなど、
かなり決定的なシーンを予告で流してしまっていること。

もちろん、それ以上のシーンも用意されているので
すべてを見せているわけじゃないけど、
もう少し予告の作り方には気を使って欲しい。

全体的な展開が早いので、
このまま素直に愛し合う親子になれるとは思えない。
もうひとりの“彼女”もまだ本格的には絡んでないし。

1秒たりとも目が離せない。

             採点  8.5(10点満点平均6)




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