タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第236話「4月から日テレ系の月10ドラマ枠が消滅」


スマスマの裏でずっと視聴率が取れなかった
日テレ系月曜10時のドラマ枠が(よみうりテレビ制作)、
4月から消滅することになった。
(後番組は9時からやっていた「スーパーテレビ」)

しょーもない作品も多かったけど、
「永遠の仔」「Pure Soul」「ギンザの恋」
「天国への階段」「伝説のマダム」など、
思い出深い作品もあった。

でもまあ、この決定は妥当な判断だろうな。
日テレ系は今、少しずつドラマの改革が実を結びつつあるから
じっくり充電してまた挑戦して欲しい。



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  4

演出:宮本理江子
脚本:吉田智子

少々ドラマチックすぎる展開だけど、
消防の格好良さだけでなく、
厳しい部分も描けていて良かったと思う。

火災現場のテープの中身に迫力があったのは大きい。
思わず耳をふさごうとしてしまった純(ミムラ)のカットも
演出としては正しかったと思うし。

ただ、山田孝之はちょっと力みすぎかな。
興奮してしゃべる時の息使いがいつも一緒なので
もう少し工夫して欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第4話

演出:三宅喜重
脚本:橋部敦子

今までの流れからすると
前半はややセリフが平坦だった印象。
状況を説明するシーンが続いたから仕方ないんだけれども…。

ただ、最後に凛(美山加恋)が逆上がりをできた瞬間、
徹朗(草なぎ剛)が泣いた心理はよく描けていたと思う。

子供を愛していなかったという自覚、
愛し方が分からない戸惑い、
そして愛してみようという努力が3話までだとしたら、
あの涙は自然と湧き上がる“愛おしい”と思う気持ちだった。
そこがきちんと描けていた。

徹朗が父親(大杉漣)の生き方について考えている最中だったので
やっとできた逆上がりを見逃すのでは?と心配したけど、
救われた気分だった。
ああいう時は見ている方も自然と凛に感情移入してるもんだな。

冒頭のココアのシーンも個人的には好きだった。
凛も徹朗に少しずつ心を開いてきて、
お父さんと同じものが飲みたいと思ったような描写で。

で、ココアの入れ方を教わったら、
それを楽しそうに何度も繰り返したりするだよね。
そういう姿を今までの徹朗は見てこなかった、
いや、見ようともしなかったわけだけど。

凛のことを愛おしいと思うようになった徹朗が
今後どういう行動を取っていくのか、
次回も期待したい。

…だから予告で見せすぎだっつーの(笑)

あ、ちなみに今回のエンディングロールで
主題歌は『Wonderful Life』 &g と表示があり、
その &g が稲垣吾郎であることも後日発表された。
やっぱりね。

             採点  7.5(10点満点平均6)



『それは、突然、嵐のように…』  第3回

演出:佐々木章光
脚本:金子ありさ
脚本協力:卯月みふる

ますますどこを焦点にしたいのか分からなくなった。
ただ、とりあえずこずえ(江角マキコ)と拓馬(山下智久)が
どこに惹かれ合ったのかは示された。

携帯電話を使ったそのシーン自体は悪くなかったと思うけど、
全体のトーンに統一性がないので見にくいことには変わりない。
困ったな。

いや、ダンナさん(柳葉敏郎)はちゃんと絡んできてると思うけどね。
“いい夫は、いい男じゃない”というのは言い得て妙だし。

でも、そのダンナも由梨子と密かにメールしてたりするんだよな。
しかも拓馬の病気ネタまで加わっちゃったし。

ベクトルが違う要素がごちゃ混ぜじゃんか。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『エースをねらえ!』  STORY 3

演出:六車俊治
脚本:金杉弘子

新聞部の記事は新聞じゃなくてHPで発表されるのか。
時代だなあ。
でも、藤堂(吉沢悠)のおやつはリンゴなんだね(笑)

“そこにボールがある限り、お前の足は動く!”みたいに
この作品は完全なスポコンなんだけど、
お蝶夫人(松本莉緒)の細かい心情まで描かれているようなところがいい。

松本莉緒はホントにいいよ。
今、こんなに暖炉の前が似合う女優がいるか?

いなくってよ、ひろみ。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『サラリーマン金太郎4』  Fight 3

演出:富田勝典
脚本:関根俊夫

もう分かり切った展開、というか、
ヒネリのない展開、というか、
子供のケンカ、というか…。
まあ、サラ金らしいけどね。

長嶋一茂もセリフが多くなるとキツイなあ。
脇役のキャラを早く立てないとどんどん苦しくなりそう。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『DOLL HOUSE』  3rd stage

演出:石井康晴
脚本:両沢和幸

ただ道にたむろしてるだけの一般人に
礼子(松下由樹)が発砲しちゃったよ。
そういう組織だったのか、特命捜査班って。

ミカ(安達祐実)と佐伯(賀集利樹)の関係も唐突すぎ。
相変わらず前後の関係無視の脚本だった。

病院で津川(益岡徹)が礼子に特命捜査班の話をしたり、
礼子が津川の手柄になるように犯人を撃ったりする展開は
とりあえず良かったけどね。

まあ、あれだって銃弾の線状痕を調べれば
津川が撃ったものではないって分かっちゃうんだけど…。

B級路線、ばく進中だ。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『白い巨塔』  第十四話

演出:河野圭太
脚本:井上由美子

亀山(西田尚美)が柳原(伊藤英明)にやさしい言葉をかけた後、
柳原が“やっぱり大学病院に残りたい”と叫んで
部屋を出ていくシーンは中途半端だった。

あそこはもっと柳原の迷いを
しっかり描いた方がよかったんじゃないかな。

今回は全体的に各シーンにパワーがなかった。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『奥さまは魔女 〜Bewitched in Tokyo〜』  第3話

演出:酒井聖博
脚本:後藤法子

今回は石川亜沙美の出番が多かったせいもあるけど、
全体的に芝居がどんどん雑になっていく感じ。

演出や撮影、編集をもっと丁寧にするだけでも
だいぶ違うと思うんだけどなあ。
もったいない。

クララおばさんは岸田今日子がさくらおばさんという名前で登場。
これで冨士眞奈美、吉行和子、岸田今日子の揃い踏みとなった。
確信犯的キャスティングだな。

あとはタバサに期待しよう。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『スカイハイ2』  第三死 ジャッジメント

演出:麻生学
脚本:高山直也

子供は誰が手術したの?
他にも手術できる医者がいるなら
朝倉(とよた真帆)があそこまでして
仁藤(矢島健一)の無実を勝ち取った行動に
説得力がなくなると思うんだけど。

仁藤を呪い殺すと決めた時点では
せめて今襲われてる人を助けようという気持ちがあったと思うけど、
それじゃあ娘を救うという
すべての元になっている動機がどこへ行ったんだって話になるし。

いや、死んでから考えが変わるのはいいんだけど、
今回に限って言えば
最後の最後まで誰に何を言われようと娘を救う、という
母親の決意は維持しないと成立しないストーリーだと思うんだけど…。

このドラマはホント脚本が甘いんだよなあ。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『ちょっと待って、神様』  第4週 もう一回セイシュン!?

演出:海辺潔
脚本:浅野妙子

秋日子と竜子、両方の気持ちを
本当にうまく描いてる。
で、それを演じ分けている宮崎あおいはスゴイ。

映像的にも秋日子と竜子が入れ替わる部分を
無理なく処理してるし。

最終週もこの見事なアレンジのまま締めて欲しい。

             採点  8.0(10点満点平均6)





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