タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第237話「“てるてる家族”にいしだあゆみ参加」

「てるてる家族」に出てくる夏子(上原多香子)は
いしだあゆみのことだけど、
視聴者からの出演要望が多かったことから、
3月からクラブのベテラン歌手の役で本人が登場することになった。
「ブルーライトヨコハマ」も歌う模様。

上原多香子も紅白歌合戦のシーンで歌うと思うけど、
本家に歌われるのはツライだろうなあ。

でも、まさかNHKの朝ドラで
いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」が聞けるとは…。
非常に楽しみだ。



『彼女が死んじゃった。』  第3話

演出:吉野洋
脚本:一色伸幸

原作では妹とソープランド嬢の
レズシーンがあるエピソード。
テレビ的にうまくアレンジできていたと思う。

お酒の力を借りてだけど
玲子(深田恭子)が思いをぶちまけたシーンは
それなりに伝わるものがあったし。

でも今回は香川照之に尽きる。
マメ知識さんの苦悩とゆかり(木村佳乃)に対する想いを
わずかなカットでうまく演じていたと思う。

2人目の演出家で少しトーンが安定してきたか?

             採点  7.0(10点満点平均6)



『砂の器』  第3話

演出:金子文紀
脚本:龍居由佳里

分かりやすいと言えば分かりやすいけど、
あさみ(松雪泰子)を絡めて
和賀(中居正広)の心理を描くやり方はやっぱり悪くない。

ただ、連ドラとしては、
原作をどこまで踏襲するかどうかは別にして、
なぜ和賀がそこまで過去にこだわるのか、という部分を
そろそろ描かなくてはいけない時期に来てると思う。
そうじゃないと
今回の主人公である和賀に感情移入できないので。

これが2時間の単発と1時間×11話の大きな違いだ。
どう処理していくのか、
ドラマの作り方という側面からも興味が湧いてきた。

ちなみに、いろんな意味で
中居正広のナレーションは入れない方がいいと思う。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『プライド』  period 4

演出:平井秀樹
脚本:野島伸司

ハル(木村拓哉)が憧れる蓉子(石田ゆり子)は、
愛する男の帰りを待てなかった女だった、
というのが今回のトピック。
これは今後のカギになりそうだ。

ハルと亜樹(竹内結子)が毎回のエピソードで
少しずつお互いの本質を理解していく部分は
それなりに描けていると思う。

前回の真琴(佐藤隆太)に続き、
今回は友則(市川染五郎)のキャラも分かりやすく描けていた。

ただ、やっぱり木村拓哉が絡むセリフ回し(とくに前半)は
依然としてキッツイなあ。
今回なんか北川悦吏子を彷彿とさせる寒さだったもんな。

ヘタをすると視聴者も寒くてアイスマンになってしまうという
複雑な二重構造なのかも(笑)

ラストでハルが亜樹を振り返るカットなど
カッコイイ映像はあるんだけどね。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『乱歩R』  第4話「黒蜥蜴」

監督:福本義人
脚本:長川千佳子

今回は全体のバランスが良かった。
松坂慶子は三島由紀夫脚本の舞台でも
緑川夫人(黒蜥蜴)を演じたことがあるはずだけど、
様々な変化に見ごたえがあった。
嶋田久作との組み合わせも良かったし。

でも、クレル(エバノフ廉)と石垣佑麿って
同じグループに入らないと思うんだけどなあ。
まあ、それはいっか。

小林少年(大滝秀治)の
“じいちゃんって言うな!”が
だんだんツボに入ってきた。

             採点  6.0(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  5

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

今回の赤星のキャラクターと葛山信吾は合っていた。
そういう意味では全体的に芯が通っていたと思う。
ストーリーそのものは単純だけど。

仕事をしてない時のミムラはやっぱり可愛いな。
小西真奈美がそんなにお姉さん系じゃないので、
純(ミムラ)の方が大吾(山田孝之)に似合うような気がするんだけど。
余計なお世話か。

このドラマに続編ができて
「オレンジボーイズ」だったら萎えるな。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第5話

演出:平野眞
脚本:橋部敦子

最初、凛(美山加恋)の学校でのイジメ問題は
話を広げすぎるんじゃないかと思ったけど、
教師(浅野和之)の対応と絡めながら
徹朗(草なぎ剛)が父親として
本気で凛に接していくという流れだったので、
最終的にはそんなに気にならなかった。

体操着袋が無くなったことで
凛が母親(りょう)を恋しく思うという効果もあったし。

それにしても、ゆら(小雪)が予想以上に
徹朗親子の生活に入り込んできたなあ。
今回の徹朗からの2度の電話(夜中と体操着袋が見つかった直後)は、
これまでとは明らかに意味の違うものだった。

でも、ゆらに
“近くにいる大人が
その子のことを見てあげられるなら
それでいいんじゃない?”
という一般的なメッセージを言わせてるくらいだからなあ。
どうなるんだろう、今後この関係は…。

今回のマイナスポイントは、
徹朗が連絡帳に先生への要望を書くシーンで、
ゆらとのやり取りを引っ張りすぎたこと。

一応、徹朗もエリート銀行員なんだから、
最後に「よろしくお願いします」を付けないなんてことは
さすがにないと思うんだよね。
これ、オトナ語だし(笑)

そういえば、坪井(山口紗弥加)のキャラもいいよなあ。
この先どういう風に絡んでくるのか、これも非常に興味深い。

ちなみに今回の一番の泣き所は、
体操着袋が見つかった後、
それを抱えて勉強を始めた凛を
徹朗が後ろから見つめていた時の目だった。

             採点  7.5(10点満点平均6)



『STAR’S ECHO 〜あなたに逢いたくて〜』

企画:イム・ナムウォン、本間欧彦
プロデュース:中島久美子
演出:キム・ナムウォン、コ・ドンソン
共同演出:小林和宏
脚本:キム・ユンジョン
音楽:ハン・キョンフン
テーマ曲作曲:チョン・ヘソン
制作:フジテレビ、文化放送(韓国)
出演:中越典子、チョ・ヒョンジェ、イ・タヘ、黒谷友香、
   イ・ジュンギ、谷原章介、他

美咲(中越典子)が最後に韓国を離れる時、
ソンジェ(チョ・ヒョンジェ)に対して
“彼女が謝ってきたら許してあげて”と言った流れは良かった。

でもそれぐらいだったな、見どころは。
あとはシンプル過ぎるストーリーだった。
シンプル過ぎるというか、
シーンを繋いだだけのようなドラマだった。

まあ、韓国ドラマはそういうタイプが多いんだけどね。
期待を裏切らず交通事故シーンも出てきたし(笑)

2人の会話が日本語と韓国語のチャンポンになるのはかまわない。
でも、もう少し中越典子には韓国語をしゃべらせるべきだった。


             採点  6.0(10点満点平均6)






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