タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第239話「阿部寛、宮迫博之で専業主夫ドラマ」


4月からのフジ系火曜10時枠は、
専業主夫の生活をコミカルに描く
「アットホーム・ダッド」と発表された。

阿部寛と“雨上がり決死隊”の宮迫博之が共演。
阿部寛の妻を篠原涼子、
宮迫博之の妻を“オセロ”の中島知子が演じる。

宮迫と中島が夫婦役かあ。
ついにお笑い系もここまで来たか、という感じ。


『彼女が死んじゃった。』  第4話

演出:猪股隆一
脚本:一色伸幸

問題は多々あるけど、
描きたいことは徐々に描けてきた感じ。

でも、蒲田(西村雅彦)と桜(いしのようこ)は
今のままならいらないよなあ。

なんで蒲田の船を舞台にしたんだろう。
ちゃんとハジメ(長瀬智也)の家を設定して
そこに八千代(赤坂七恵)がずっといた方が面白かったのに。

まあ、細かいことは気にせず
テーマだけを追って見るみるか。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『砂の器』  第4話

演出:金子文紀
亀嵩演出:福澤克雄
脚本:龍居由佳里

時代背景を変えても
やっぱり電車から証拠のセーターを撒くシーンは入れた。
まあ、それはいいとして、
玲子(佐藤仁美)をどう描くかだろうな、問題は。

現在はドラマのオリジナルキャラ、
関川(武田真治)の恋人ということになっているので、
原作や映画とはだいぶ変えて描きそう。

このシーンの前に玲子(佐藤仁美)と和賀(中居正広)が
電話で話す場面があったけど、
あそこがポイントだったかな。

しかし、佐藤仁美は前クールの「独身3」でも
ひとり存在感を出していたけど、
いい女優になってきた。

渡辺謙が演じる映画寄りの部分と
松雪泰子が演じるTVドラマの部分との
いいブリッジになってくれることを期待したい。

今回、亀嵩のシーンは福澤克雄が演出していたので
金子文紀との違いが堪能できて面白かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『プライド』  period 5

演出:澤田鎌作
脚本:野島伸司

大和(坂口憲二)が昔、
事故で人を死なせたことがある、
というエピソードはいくらなんでも唐突すぎ。

ただ、一話完結の話と考えれば
野島伸司らしいエピソードだった。
完成度はかなり低かったけど。

いいセリフもいくつかあるのに
その10倍くらい寒いセリフがあるので
全体的には今回も見ていて
居たたまれない気持ちの方が強かった。

まあ、加害者ではあるけど、
どう償えばいいのか分からない、というネタは、
例のキムタク事件と引っかけてるんだな、
と歪んだ見方をするとそれはそれで面白かった(笑)

             採点  5.5(10点満点平均6)



『乱歩R』  第5話「白髪鬼」

監督:五木田亮一
脚本:岡本貴也、長川千佳子

うーん、全体的に浅かったかな。
時子(井川遥)の気持ちも、
ルリ子(遠山景織子)が最後に
敏清(柳葉敏郎)を刺すまでの流れも、
表面的な部分でしか描けてなかった。
柳葉敏郎は良かったけどね。

それはそうと、
なんでエンディングロールでその回の名場面とかを入れるんだろう。
毎回エンディングの映像が凝っていていいのになあ。
それも残念だ。

             採点  5.5(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  6

演出:七高剛
脚本:吉田智子

また酸素マスクつけないで救助に行ったり
私服で現場に入ったりと、
リアリティーは無視の描き方。
でもこのドラマはこれでいいでしょう。

大吾(山田孝之)の家族だけでなく、
隊長(石黒賢)の家族も絡めた構成は効果的だったし。

おばあちゃん(花原照子)のセリフがかなり良かった。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第6話

演出:三宅喜重
脚本:橋部敦子

物語の中盤らしく、
いろいろな要素が断片的に重なり合った回だった。

まず、凛(美山加恋)に関しては
前回のイジメ問題が何とか解決し、
学校へ行くまでの展開。

凛自身の努力もよく描けていたし、
徹朗(草なぎ剛)の接し方も
これまでの流れを受けて微笑ましかった。

母親(りょう)との関係はまだ何も解決していないので、
夜中に凛が泣き出すシーンは
あまりにも可哀想でもらい泣きしたけど。

徹朗の父親(大杉漣)の描き方もせつない。
徹朗が父親を客観的に見始めていることが
父親にも感情移入できる要因になっていて哀しいんだよな。

ゆら(小雪)の微妙な感情も
ドラマとしてはアクセントになっていた。

そして徹朗との会話、
バーでの宮林(東幹久)との会話などで
そのキャラクターが一気に描かれた部長(小日向文世)が
最後に飛び降り自殺をするという衝撃の展開に。

そっちか!って感じだったと思う。
前回の予告を見てしまった人たちにとっては…。

また厳しい現実を突きつけてきたなあ。
やっぱりまだまだ先がありそうで見逃せない。

             採点  7.5(10点満点平均6)



『それからの日々』

チーフプロデューサー:五十嵐文郎
プロデューサー:内山聖子
制作統括:早河洋
演出:深町幸男
作:山田太一
音楽:福井峻
テーマ音楽:「セイリング」ロッド・スチュワート
制作:テレビ朝日
出演:松本幸四郎、竹下恵子、瀬戸朝香、武田真治、松村達雄、永島敏行、
   岸部一徳、渡部いっけい、松本紀保、他

1月31日に放送された
テレビ朝日開局45周年記念ドラマスペシャル。

そんなに評判が良くなかったので心配してたけど、
最後まで見ると個人的にはそれなりに納得できた。

確かに、前半の竹下恵子は良くなかった。
ちょっと芝居の質が古かったというか、
舞台っぽかったというか。

でも、終盤になってグッと良くなった。
史郎(松本幸四郎)が息子の啓治(武田真治)と
バーで話すシーンはすごく印象的だったし。

そして、晶子(竹下恵子)が
“こんな言い方よくないわね”
と言って史郎の前に戻ってくる展開や、
その後、史郎が少し後ずさりしてしまう場面などは
実に山田太一らしかった。

ラストシーンも山田太一らしくて、
晶子が子供にプレゼントを渡す場面では泣いた。

そんなに良い旦那でもないし、
そんなに良い奥さんでもないし、
そんなに良い子供たちでもないけど、
紛れもない家族のワンシーンだった。

             採点  6.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★★☆
                  配役  ★★★★☆
                  主題歌 ★★★★☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★★☆☆☆





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