タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー
第241話「来期の月9は菅野・藤木で“解夏”」
4月からの月9は
菅野美穂と藤木直人で「解夏」をドラマ化することが発表された。今現在の仮タイトルは「愛し君へ」。
映画では石田ゆり子が演じていたヒロイン側の視点で
物語が語られるらしい。企画は映画と同時期に進んでいたらしく、
結果的に映画公開と同じ年に連ドラ化されることになった。さて、仕上がりはどうなるか。
とりあえず楽しみではある。
『彼女が死んじゃった。』 第5話
演出:佐藤東弥
脚本:一色伸幸渡部(岡田浩暉)の歌は効いた。
こういう感動のさせ方はコミックにはできないもんな。あの「555」の詩そのものが
優れた詩だとは思わないけど、
登場人物たち、とくにハジメ(長瀬智也)が
自分の生き方を考えるキッカケとしては
最高のシチュエーションになった。問題は、ゆかり(木村佳乃)が
ハジメのことを自分自身のようだと思った理由と要素を
あの初回で視聴者に共感させられるのか。
今後の見どころはそこだと思う。採点 7.5(10点満点平均6)
『砂の器』 第5話
演出:福澤克雄
脚本:龍居由佳里玲子(佐藤仁美)と和賀(中居正広)が
また電話で普通に話してたなあ。今、電車の窓から証拠のセーターを撒くという行為には
ちょっとムリがあるので、
冷たくされた復讐心から
ワザと見つかる可能性のある方法で証拠を捨てた、
という描き方にするのかなと思ってたんだけど…。やっぱり妊娠もしていたし、
玲子の扱いに関してはもう少し様子見だな。今西(渡辺謙)の捜査は
意外にあっさりと映画館の写真までたどり着いた。あの写真に関しては、
和賀が婚約披露パーティーでも
いろんな人と記念撮影をしていたカットが
説得力を持たせる効果を出していて良かった。採点 7.0(10点満点平均6)
『プライド』 period 6
演出:中江功
脚本:野島伸司賛否両論だとは思うけど、
今回は見どころがあった。亜樹(竹内結子)が
“女でいることが怖くなった”と話し始めた内容は
ものすごく野島伸司らしい女性観が出ている部分。そこに至るまでの母親(松坂慶子)のエピソードも
効果的に構成されていて、
野島伸司が好きな人は「キター!」って感じだったと思う。最後のキスシーンを気持ち悪いと感じた人も多いだろうけど、
あれはある意味、母親とのキスだからね。
嫌悪感を抱く人がいても不思議ではないし、
それは描き方として成功しているとも言える。とにかく好き嫌いは別にして興味深い回だった。
「乱歩R」」では黒蜥蜴を演じた松坂慶子は
まさに二十面相的な多面性のある母親を演じていた。
これも作品としては効果的だった。
松坂慶子が“メイビー”って言ったらどうしようかと思ったけど…。中江功の演出も緩急があって良かった。
採点 7.0(10点満点平均6)
『乱歩R』 第6話「陰獣」
監督:福本義人
脚本:長川千佳子、丸山智子高橋恵子の登場でエロティックな感じが出たのは良かった。
もっと演出に重みを出した方がいいけどね。
寒川(金子昇)が死ぬ場面とか。ユキ(本上まなみ)と明智(藤井隆)が
少しずつ近づいている感じも、
ドラマ全体としては描けていて良かったと思う。全然関係ないけど、ユキは帆音ユキっていうんだよな。
綾部探偵事務所(「傷だらけの天使」の)の受付が
ホーン・ユキだったこと、
知ってる若い人も少ないんだろうなあ。採点 6.0(10点満点平均6)
『ファイアーボーイズ・め組の大吾』 7
演出:宮本理江子
脚本:吉田智子記者(山路和弘)のキャラクターが単純で
いつも以上に深みがなかった。
ていうか、ストーリー自体がよくある話なんだよな。内山理名は多少まひるのキャラがつかめてきたか。
採点 6.0(10点満点平均6)
『僕と彼女と彼女の生きる道』 第7話
演出:高橋伸之
脚本:橋部敦子井上部長(小日向文世)は助かっていた。
でもその後、急変して死亡という展開に。ここはかなり強引な展開だったけど、
「僕」の生き方を描く上では
徹朗(草なぎ剛)と部長を直接会話させた方が
説得力が出るという判断だったのかもしれない。ただ、どんな飛び降り方をしたのか、
どの程度の外傷だったのか、
何が原因で急変したのか、というあたりを、
簡単でいいのでセリフで説明してもよかったと思う。
病院での部長の姿もきれい過ぎたし…。それでも徹朗がトイレで「禁煙」の文字を見て
ふいに号泣するシーン、
ベッドで凛(美山加恋)を抱きしめるシーンは
「僕生き」らしくて良かった。
映像の力を信じて書かれた脚本だと思う。そして徹朗とゆら(小雪)の関係は
坪井(山口紗弥加)が絡んできて複雑に。このパーツに関しては、
ゆらが夜中に鍋を洗うシーンと、
坪井が徹朗を送ってきた朝のシーンが良かった。凛の“…ハイ!”はもう名人芸の域に達してるけど、
あの朝の不機嫌な“…ハイ”は最高だったな。
大女優だよ、美山加恋は。物語はいよいよ母親(りょう)が
凛を迎えに来るという方向に。
いくら“愛していなかった”と告白しても
これは別にムリのない流れだ。この母親の心理、徹朗との関係、
そしてゆらとの絡みなど、
次回以降、また新たな展開を期待したい。採点 7.5(10点満点平均6)
[ロビー田中の自己紹介]
[トップへ]