タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第243話「安倍なつみ、日テレ系で連ドラ初主演」


4月からの日テレ系土曜9時枠は
安倍なつみ主演の「仔犬のワルツ」に決まった。

安倍なつみの役は、
一聴するだけで正確な音色をピアノで奏でる才能がある
盲目の少女。

……なかなか普通の役が来ないな。



『プライド』  period 7

演出:平井秀樹
脚本:野島伸司

亜樹(竹内結子)の昔の恋人・夏川(谷原章介)が戻って来て、
ハル(木村拓哉)、亜樹の内面的な葛藤が始まるという展開に。

物質的な要求が強い百合(中越典子)と
精神的な要求が強い(?)亜樹との対比も含め、
大きな流れは間違ってないと思う。

亜樹にも何だかのトラウマはありそうなので、
そのあたりのエピソードが
夏川との絡みで出てくると面白いんだけど…。

ただ今回も前半の15分はとくにキツかった。
終盤の竹内結子の演技は素晴らしかったと思うので、
彼女にあまり寒いシチュエーションを演じさせるのは
可哀想な気がする。

             採点  6.5(10点満点平均6)



『乱歩R』  第7話「地獄の道化師」

監督:池添博
脚本:長谷川朝二、長川千佳子

もう当然のごとく犯人は死亡。
おかげて佐藤仁美は、
日曜(砂の器)・月曜、2日続けて死ぬことになった。
不憫だなあ。

内容は恐ろしく浅くて見どころなし。
ユキ(本上まなみ)が事務所を飛び出したのに大して活躍もなし。
ゲストだけは豪華なのにな。
来週は葉月里緒菜、改め、葉月里緒奈だし。

こうなったらドラマの終盤は雷道所長(岸部一徳)に期待しよう。
コイツが二十面相くさい。

             採点  5.0(10点満点平均6)



『ファイアーボーイズ・め組の大吾』  8

演出:武内英樹
脚本:吉田智子

最初のマスコミの描き方は紋切り型で
導入を安っぽくした。
ただ、その後はテーマも重くて見ごたえがあった。

とくに女性消防官がいてよかったと言っていたおじいさん(山谷初男)が、
実はまひる(内山理名)を孫のように思っていた
という展開が良かった。
火災シーンも久々に迫力のある映像だったし。

でもやっぱり内山理名の演技にはヘンな癖があるなあ。
今、夜中に「なにさまっ!」を再放送してるけど、
デビューしたての内山理名はもっと自然だった。
あの頃の彼女に戻って欲しい。

             採点  7.0(10点満点平均6)



『僕と彼女と彼女の生きる道』  第8話

演出:平野眞
脚本:橋部敦子

ゆら(小雪)にはこういう役割も与えていたのか…。
改めて構成の用意周到さを支持したい。

物語は第二部に入って、
可奈子(りょう)が凛(美山加恋)と暮らしたい
と言い出す展開になった。

こうなると子供を持つ夫婦の離婚という、
テーマとしては何度も描かれているものになるわけだけど、
このドラマはそこに見ている者の集中力を切らさないエピソードと
説得力のある内容を盛り込んでいると思う。

まずはそのゆらの存在だ。
プロポーズをしてくれた亮太(大森南朋)に対して
“好きな人がいる”とまで口にしたゆらが、
凛に遊園地へ行こうかと誘った時に言われた
“3人がいい。凛とお父さんと、お母さん”という言葉。

パニックになったら電話をかけてくださいと
自分から告げていた徹朗(草なぎ剛)に言われた
“今の俺なら可奈子とやり直せるんじゃないか”という言葉。

これには重みがあった。
単に第三者としての女性ではなく、
徹朗が変わっていく過程で、
両親の離婚後、凛が精神の安定を保つ過程で、
重要な役割を果たしたゆらだからこそ出る重みだ。

坪井(山口紗弥加)の存在も含め、
今後、ゆらをどう描いていくのか、
非常に興味深いところだ。

そしてメインとなる、徹朗、可奈子、凛の関係。
徹朗が凛に今の状況を説明する過程で
分かったらピースサインをさせる描写は
ドラマチックなやり方だったと思う。

その中で“もう3人で一緒には暮らせない”という説明に
凛が翌日、土手でピースサインをするシーンは哀しかった。
子供がそんなにもの分かりよくならなくていい。
最後まで3人で暮らしたいと言い張っていい。
そう視聴者に思わせる哀しさがあった。

だからこそ、その後で徹朗が
可奈子とやり直す選択肢を選ぼうとしている行動にも説得力が生まれた。
ここは見事な流れだったと思う。

今回は他にも、
娘をひっぱたきながら家へ帰ってきなさいという
可奈子の母(長山藍子)の気持ちとか、
徹朗が食事を作っていないことについて母親と話した後、
食事を作ってくれと徹朗にせがむ凛の姿とか、
久しぶりに母親とレストランに入って
凛が足をバタバタさせているカットとか、
印象深いシーンは多かった。

今後、可奈子が徹朗の変化をどう受け取るのか、
その中で徹朗と父・義朗(大杉漣)の関係をどう描くのか、
さらに興味がわいてきた。

             採点  8.5(10点満点平均6)



『それは、突然、嵐のように…』  第7回

演出:藤尾隆
脚本:金子ありさ

今まで「こち池」の英子さん状態だった由梨子が
ついに日出男(柳葉敏郎)に直接的な行動を起こしてきた。

どうやら由梨子は渡辺典子のよう。
ちょっと予想してたイメージとは違うけど、
ドラマをかき回すなら逆に最適な配役か。

拓馬(山下智久)、香織(宮地真緒)、
そして佐保(綾瀬はるか)の関係は相変わらずグダグダ。

もう由梨子に賭けよう。

             採点  5.5(10点満点平均6)






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