タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中
放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。
「“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)
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第27話「ワイルド7」
春からは野球も始まるし、
何よりW杯に突入するので
ドラマはしょぼいと思っていたのに、●月9がキムタク&明石家さんまの北川悦吏子作品
●野島伸司と金城武が組むボーリングドラマ
●深田恭子・渡部篤郎主演で宇多田ヒカルが主題歌を歌う、純愛物語
●堂本剛・柴咲コウ・国仲涼子が出る、岡田惠和作品
●TBSは木10枠を新設して水野美紀を主演に
●株取引の世界を描く長瀬智也主演のドラマ
●稲垣吾郎主演の本格コメディなどなど、
かなり充実のラインナップがすでに発表されている。とくにキムタクとさんまの月9は、
「HERO」の記録を破るのでは…
と今からウワサされている。ドラマも見たいし、
2年目のイチローも見たいし、
ワールドカップも見たいしで、
もう、ロビーさん大変(笑)
『初体験』 wild 7
演出:木下高男
脚本:神山由美子ワイルド7だって(笑)
30歳以上限定ネタが多いなあ、最近。
(当然、このドラマに出てくる恋する男女は7人。
八嶋智人と田村たがめは除く・笑)で、今回、
ストーリー展開としては
フサちゃん(藤木直人)がアパートを出ていくまで
を描いただけだったけど、
中身はかなり重要なものだった。1週遅れのバレンタインネタ。
それでもこのモチーフは
この作品のテーマに絶対必要だったのだ。まず、おばあちゃん(加藤治子)から
“そのままの自分を愛しなさい”
というメッセージをもらう。でも真智(水野美紀)は
“私は変わりたいのよ、おばあちゃん”
とつぶやく。
変わること=初体験というイメージが
真智にはぬぐいきれない。その後、フサちゃんと由加里(篠原涼子)の
キスシーンを目撃したあとに、
真智はもう一度おばあちゃんから
変わる前に自分自身を受け止めることも大切だ
と教えられる。“人はね、悲しい時に
膝をかかえて泣く夜も必要なんだから。
そういう寂しさつらさを知ってる人こそが
本当に人を愛せるんだよ”そうして、傷つくことを恐れずに
敦史(オダギリジョー)は敦史なりの告白を、
美佐(畑野浩子)は美佐なりの告白を、
真智は真智なりの告白をする。この真智の告白シーンは圧巻だった。
初体験というテーマで作品を作る以上、
どこかで真智はフサちゃんに
そのことを告白しなければならない。
それをこういう展開で言わせたところが見事だった。単純なバレンタインデーの告白ではなく
本当の意味での告白までの過程を
丁寧に描いた点が評価できる。だからこそ、最後に真智が言った
“もう私、十分よ。ありがとう”
に説得力が出てくるわけだ。それにしても、また小泉孝太郎が
“感動した!”
とか言わされていた。可哀想だなあ。
オヤジが何か言うたびに
セリフに組み込まれるなんて…採点 7.5(10点満点平均6)
『恋するトップレディー』 7
演出:河野圭太
脚本:江頭美智留やっぱりダメだなあ。
もうこの期に及んで前振りが長いと
いくら最後にちはる(中谷美紀)の
人間味あふれる行動を描いても
トータルのバランスが取れない。とくに今回は
良かれと思ってやったことが
友達を傷つけるという
ありきたりのエピソードだったので、
このドラマでやらなければいけない
必要性も感じなかった。自分がちはるの口添えで
役がもらえたことを知った時の
山口紗弥加の演技は良かったけどね。このドラマに関しては
中谷美紀より山口紗弥加の方がいい。西谷弘、河野圭太演出の回がダメで
松田秀知の回だけが良かったなんて
ちょっと意外だな。もう一回、松田秀知に演出して欲しい。
そうすれば演出に問題があるのかどうか
判断できそうな気がする。採点 5.5(10点満点平均6)
『ロング・ラブレター 〜漂流教室〜』 第7話
演出:木村達昭
脚本:大森美香浅海(窪塚洋介)が倒れてしまうと
セリフが生徒に多くまわってしまうので、
作品全体のクオリティーは下がらざるを得ない。しかも今回は関谷(中島宏海)の反乱もあった。
演技力のアベレージが下がるとやっぱりツライな。あと、メッセージをストレートに伝えすぎる気もする。
新聞見出しの映像までバックで流すと
かえって説教くさくなってしまうのに…。どの程度のラインが適正なのか、
スタッフも意見が分かれてるのかな。採点 6.5(10点満点平均6)
『続・平成夫婦茶碗』 第七話
演出:長沼誠
脚本:森下佳子灯(優香)がやっと母親として
子供たちの面倒を見られるようになった今回。警察でかな(芳賀優里亜)の両親に
啖呵を切るシーンは良かったけど、
幸(田島穂奈美)や完(松崎駿司)の話まで持ち出すのは
ちょっと作り過ぎだったかもしれない。OHAガール、芳賀優里亜はやっぱり可愛かった。
今年15歳になる子だけど
この子を「LLL」に出して欲しかったよ。徐々に家族の一員となってきた灯に
次回はお腹の子供のことで波乱が…
そこがクリアになって
初めて自分でも母親と名乗れるわけやね。ドラマの王道を徹底してやるところが気持ちいい(笑)
採点 7.0(10点満点平均6)
『プリティガール』 第7話
演出:日名子雅彦
脚本:青柳祐美子いつも以上に強引な展開。
片平なぎさにスポットが当たるのはいいんだけど、
話の焦点がぼやけて何でもアリになってしまった。
まあ最初からこのドラマは何でもアリなんだけど。あと、花(稲森いずみ)が何者かという点ね。
ファンタジーなんだから別に非現実的でもいい。
(銅像をさわるだけで何でも分かってしまうとか)ただ、専務(田辺誠一)と
歩美(米倉涼子)との関係性などは
それなりに説得力のある内容にしてもらわないと。恋の話を盛り込むのはいいとして
花自身が“恋をして魔法が解ける”という
展開にはしない方がいいと思うんだけど…ま、雑な作りは今更どうしようもないか。
採点 5.0(10点満点平均6)
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