タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第30話「針生光太と書いてハリーポッター」

「トリック」の映画化が決定した。
ていうか、もうクランク・インしている。
どうやら秋に公開予定らしい。

一昨年の夏に初めて深夜帯で放送されて、
深夜帯らしい視聴率に留まったにも関わらず、
DVDが売れ、続編が作られ、
そして映画になる。

あっぱれだなあ、堤幸彦!


『婚外恋愛』 #8

演出:六車俊治
脚本:浅野妙子

連想ゲームみたいに
前のセリフだけに呼応するようなことを
しゃべってばかりだから、
全体的に見ると同じ登場人物なのに
言ってることが矛盾してくる。

もちろん、人の気持ちは変わるんだけど
ひとつのドラマの中でコロコロと
それをやられては
どういう考えの人物なのか分からない。

仮に最後は納得のいく展開だったとしても
途中がこうも行き当たりばったりだと
作品全体の評価は低くなるよなあ。

まあ、今回も
真一郎(根津甚八)の心情は
せつなかったりするんだけどね。

とにかく、もうパーツとしての
面白さしか感じられない。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『3年B組金八先生』 第19回

演出:福澤克雄
原作・脚本:小山内美江子

連ドラというのは1週間のブランクがあるから
その間に冷静になれるというメリットもある。
とくに今回の金八のような重たいテーマの場合には。

第18話を見終わった時点では
これをどう片づけるつもりなのかと思ったけど、
この第19話は実に金八らしいまとめ方だった。
(まだすべてが解決したわけではないけど)

金八らしいということは
きれいごと過ぎるということでもあるんだけど、
それでもこれだけ説得力を持たせるということは
今まで継続してきたこの金八シリーズの力なんだろうな。

金八シリーズに関しては
世代によって、パート2最高傑作論と
パート5最高傑作論に分かれると思う。
でも個人的には、すでに
パート5は越えているような気がする。

まあ、パート5はかなりパート2を
意識した作りになっていたからね。
その点でこのパート6は
新しい時代への挑戦というか、
覚悟が感じられる。

それにしても直(上戸彩)の涙は美し過ぎ。
そこがまたドラマということを見ている側に意識させて
ホッとできる部分でもあるんだけど…

             採点  8.0(10点満点平均6)


『恋ノチカラ』 第8話

演出:村上正典
脚本:相沢友子

前回は壮吾(坂口憲二)が好きだった女性の話を絡めながら
貫井(堤真一)、壮吾、吉武(西村雅彦)にとって
籐子(深津絵里)がどういう存在であるか、
を描いたストーリー。

そして今回は、籐子の元カレの話を絡めながら
籐子にとって貫井企画がどういう存在であるか、
を描いたストーリーだった。

誰かに必要とされているからではなく、
自分がそこにいたいからいる。

自分の好きな場所で、
自分の好きな人と、
自分の好きなように生きていく。

このあたりのメッセージは
30代の仕事と恋愛を描いている作品だけあって
地に足がついている印象を受けた。

そして再び出てきた
“後悔する人間はどんな答えを選んでも後悔する”
というフレーズ。

これも30代に向けての重要なメッセージになっている。
自分の考えに責任を持ち、
自分の出した結論には
後悔しないように最後まで全力を尽くす。
若い頃はまだ時間があると思って
テキトーに結論出すからなあ(笑)

ところで前回の香里(久我陽子)に続いて
今回の籐子の元カレ、谷原章介も
アッサリとした描き方だった。

だったらやっぱり東幹久でもよかったのに…
とも思ったけど、まあいっか。

籐子と貫井にとって
最大の壁は何といっても春菜ちゃん(矢田亜希子)。
いや、日本中の30代女性にとって
最大の難関はいつも春菜ちゃんなのだ(笑)

ここを丁寧に描いてくれればそれでいい。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『木更津キャッアイ』 第7回

演出:宮藤官九郎
脚本:宮藤官九郎

今回はついに
木更津が生んだカリスマヤンキー・綾小路翔が率いる
氣志團がゲストだった。
ついでにAV界のカリスマ男優・加藤鷹も。
で、演出は宮藤官九郎。

ハッキリ言って、
今までの「木更津〜」と比べると
かなり雰囲気の違うものになってしまった。

編集で切る決断ができなかったのか、
つめ込み過ぎて落ち着かなかったということもある。
でもそれよりも、
クドカン本人の照れなのか、
小ネタの笑いばかりが目立って、
作品全体のテーマがぼやけてしまった。

「甘えん坊ハウス」を助けるというストーリー自体、
パロディーなんだろうけど、
さほど面白くなかったしね。

次回以降に期待しよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『トリック2』 第8話(episode 4)

演出:鬼頭理三
脚本:福田卓郎

これまた「トリック」らしいネタ。
そこにハリーポッターもちょっと混ぜたりして(笑)
(御告者の男の子の名前は針生光太)

山田(仲間由紀恵)・上田(阿部寛)と
矢部(生瀬勝久)のバランスは
これくらいが丁度いいんだよな。

それにしても、
女子大生の塚本(小橋めぐみ)が
上田の所へ相談をしにきた時は、
てっきり巨根ネタをやると思ったんだけどなあ。

やっぱり堤・蒔田コンビじゃなきゃ
そういう下品なことはしないんだね(笑)

今回は解決編がかなり楽しみだ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『ナースマン』 no.7

演出:岩本仁志
脚本:大野敏哉

今回は主任役の小林聡美と
ベテラン子役(?)、三觜要介のシーンが多かったので
役者の演技力という点ではあまり気にならなかった。

ただ、内容はやっぱり何度もやってるパターン。
しかも、何のひねりもない。
要するに「ナースマン」であえてやる理由がない。

だいたい、板谷由香と椎名法子を
起用した意味はどこにあるんだろうか?
もうセットの一部と化してる
高杉端穂の立場はどうなるんだろうか?

ドラマを見続けてる人間にとっては
かなり残酷な作品だな。

             採点  6.0(10点満点平均6)




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