タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー


第32話「叶、アドリブをかます」

やらなくちゃいけないことは多いのに
週末はボーッとゲーム(サカつく)をしてしまった。

ダメだ、ダメだ、と思いながらやめられない。
こわいなあ、シミュレーションゲームって。

…あとでまたやろーっと。


『ロング・ラブレター 〜漂流教室〜』 第9話

演出:川村泰祐
脚本:大森美香


出だしで“ここまでのあらすじ”をやるなんて
思ったよりも視聴率が伸びない現れなんだろうか。
平均16%なら御の字だと思うけど。

で、今回のトーンは良かった。
始めての演出家なのによく分かってる。
やっぱり結花(常盤貴子)と浅海(窪塚洋介)の
会話がメインの方が安定するな。

図書室での2人の会話はとくに良かった。
浅海が“約束になりたい”と言ったけど、
おそらくこれがラストへの布石になると思う。
慰霊碑に結花の名前だけがないことから考えても。

ただ、出てきたねえ、蜘蛛人間らしきものが…。
あと2回しかないのにどうするんだろう?

せめてここから先は
テンションを下げないように突き進んで欲しい。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『続・平成夫婦茶碗』 第九話

演出:長沼誠
脚本:森下佳子


このドラマ、
ものすごい名作なのかもしれない。

死んだ節(浅野温子)が幽霊となって
満太郎(東山紀之)だけに見える、
という強引な設定なのに、
ここまで上質な人間ドラマにするとは…。

いや、別に今回に限ったことじゃないんだけどね。
とくに今回は節がその場にいると信じて話しかける
灯(優香)や運(濱田岳)のシーンをみていると
本当に説得力がある作りだな、と思ってしまった。

そして今回は叶(朝田帆香)も多くのシーンに登場。
アドリブ(?)もかましてました。
“これは?”とカメラの方に向かって(笑)
きっと本当のお母さんに向かって話しかけたんだろうな。

ほとんどミスのない展開でラスト2回。
非常に楽しみになってきた。

             採点  8.0(10点満点平均6)


『プリティガール』 第9話

演出:吉田秋生
脚本:青柳祐美子


うーん、まあ、これはこれでいいのではないか、
というのがすべてを見終わった感想。

最終回も前半のくだらなさは
目を覆うばかりだったけど、
花(稲森いずみ)と社長(宇津井健)の会話あたりから
それなりに花がどういう存在だったのかは明らかになった。

それを象徴的に描く意味でも
花が水の上を歩くラストカットは良かったと思う。

…でも、
やっぱり学芸会以下の演出は多すぎたよね。
わざとやってるんだろうけど、
宇津井健や片平なぎさのシーンが普通だっただけに
作品全体としての統一感は取れていなかった。

つまり、テーマやアプローチは意外と悪くなかったのに
その表現方法を狙いすぎたということなんだと思う。

当初は稲森いずみの不思議キャラに
もう飽きた、の声も高かったけど、
結果的には米倉涼子や片瀬那奈の方が
女優としての評価は下げたと思われるこの作品。

ファンタジーをうまく表現できる
プロデューサー、演出家が
TVの世界にも出てきて欲しいと
改めて思った。

             採点  5.5(10点満点平均6)

                  脚本  ★★☆☆☆
                  演出  ★☆☆☆☆
                  配役  ★★☆☆☆
                  主題歌 ★☆☆☆☆
                  音楽  ★☆☆☆☆
                  新鮮さ ★★☆☆☆
                  話題性 ★☆☆☆☆

           平均採点  5.61(10点満点平均6)


『婚外恋愛』 #9

演出:六車俊治
脚本:浅野妙子

みつる(永作博美)が拓也(堺雅人)に言った
病院でのセリフは良かった。
ただ、それもひとつのパーツとして。
作品全体としてはバラバラなままだ。

ユリ(高橋由美子)のキャラクターに至っては
もう腹が立つだけ。

最後はどうまとめるのか。
いろんな意味で楽しみではあるな。

             採点  5.0(10点満点平均6)


『3年B組金八先生』 第20回

演出:加藤新
原作・脚本:小山内美江子

とりあえず政則(東新良和)の問題は収束。
ディベートのシーンはやっぱり金八なので
生徒の発言はセリフを読んでいる感じだったけど、
結論への持っていき方はあれが一番正しいんじゃないかな。

最後に武田鉄矢がきちんとまとめていたから
それなりに締まったシーンになったし…

で、残るは直(上戸彩)。
こちらの性同一性障害の問題は、
社会的な認識が低いこともあって
わざと時間をかけているところがいい。

そして来週は単独で「鶴本直1」だ。
その次が2時間スペシャルなので
ここで「鶴本直2」をやるはず。
パート6、最大のクライマックスか。

見逃すわけにはいかない。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『恋ノチカラ』 第9話

演出:村谷嘉則
脚本:相沢友子

籐子(深津絵里)と貫井(堤真一)の関係を
深める重要な回、ではあったんだけど、
前振りとなる仕事がらみの話がありきたりすぎた。

ただ、ドラマを作る上で、
このあたりの問題は難しいと思う。

もしこれが完全なお仕事ドラマだったら
広告業界のしがらみを詳しく描いても作品にできるけど、
モチーフのひとつに過ぎない場合は、
中途半端に込み入った話を展開させると
見ている側が混乱することもある。
…無難な落とし所だったのかな。

春菜(矢田亜希子)の描き方は相変わらず丁寧。
イヤなタイプに描くのは簡単だけど、
春菜もひとりの恋する女性として確立させつつ
籐子と貫井の関係を深めていくあたりがいい。

それにしても、九十九出版のパーティーが
「キラ☆キラ」の創刊記念パーティーだったとは…
そりゃ出席しないとマズいよな(笑)
(小田和正の主題歌が「キラキラ」)

             採点  7.0(10点満点平均6)





[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]