タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

>>バックナンバー >>ドラマ別レビュー


第38話「金八、波乱の卒業式」

先日、全国モーターボート競走連合会は、
性同一性障害の競艇選手の選手登録を
男子から女子に変更することを認めた。

基準体重以外は基本的に男女対等の
レースをしている競艇世界とはいえ、
スポーツ界では超異例の措置だ。

やるなあ、全国モーターボート競走連合会。


『3年B組金八先生』 第22回

演出:三城真一
原作・脚本:小山内美江子

見逃すわけにいかない、
と思っていた第21回「鶴本直1」を
見逃してしまった!

何年ぶりかのビデオ撮り失敗。
一番いいところだったのに(泣)

…仕方がない。
ビデオ化されたら見よう。

とりあえず今回でほとんどの問題が解決。
最後まで抵抗していたミッチー(川嶋義一)も
金八の父親代わりの抱擁でいい子になった。

そして最後は
ずっと対立していた校長(木場勝巳)の問題と
それに付随する金八の移動問題。

こういう教育者側の様々な考えまで盛り込むあたりが
今回の「金八」のスゴイところだね。

いや、スゴイっていうのは
教育現場は問題山積みなんだよ!
という示し方が。

小山内美江子は普段から
教育現場を取材してるらしいけど、
取材すればするほど取り上げたい問題が
出てきちゃうのかもしれないね。
次のシリーズは
今回よりさらに問題山積みだったりして…

ところで今回、
一番泣けたのは北先生(金田明夫)が
金八の家を訪れたシーン。

教育問題とは直接関係ないけど
先生って仕事も大変だな、と
感情移入できるシーンだった。

さて、次回は最終回。
恒例の涙、涙の卒業式になるのか?

             採点  7.0(10点満点平均6)


『3年B組金八先生』 最終回

演出:福澤克雄
原作・脚本:小山内美江子

波乱の卒業式と、
校長(木場勝巳)なりの
ゆとり教育に対する懸念については
かなり見応えがあった。

とくに直(上戸彩)の卒業証書授与と答辞、
それから会議室のシーンは良かったなあ。
北先生(金田明夫)のささやかな反抗もあったし…

ただ、終盤はややダレ気味。
毎回、金八から生徒ひとりひとりへの贈る言葉は
武田鉄矢から、半年間、生徒役として頑張った
若い役者たちへの言葉に近いからね。
よほどのことがない限り、見ている方は冷める。

しかもソーラン節までオマケについてたからなあ。
まあ、そのあたりは大目に見るしかないか。

…で、
最終回まで見終わった感想は、
数多くの問題を
それなりにうまくまとめていたと思う。

もちろん、理想論であり、
(これが理想ではないと思う人も当然いるはずだけど)
現実はそれほどうまくいかないとは思う。
でも「金八」はこれでいいと思う。

ただ、意外にも校長の問題は深かった。
だったらもっと前半から
校長の考えを細かく描いて欲しかった、
と思う反面、
これが次シリーズへの布石なのかな
という気もした。

どうせなら次は、
22年に渡る金八の教えは本当に正しかったのか?
という検証までやって欲しい。
全否定して全肯定?
それをやったらすごいなあ、このシリーズも。

あと気になったのは卒業生の出し方。
ちょっとゲスト出演くらいならいいけど、
今回のパート5卒業生のような扱いは
いくら人気シリーズだったとはいえ
しつこい感じがした。

とくにこの最終回の
教室にまで乗り込んで現3Bに指示をするというのは
いくらなんでもやりすぎだと思う。

芝居慣れしていない素人っぽい子を
ほとんどの生徒役にあてるという
このシリーズのスタンスは、
基本的に好きではないんだけど、
ドラマ史においてこの作品は
やっぱり無視できないものだ。

どういう方向へ進んでいくかは分からないけど
次シリーズを期待して待とう。

             採点  7.0(10点満点平均6)

                  脚本  ★★★★☆
                  演出  ★★★☆☆
                  配役  ★★★☆☆
                  主題歌 ★★☆☆☆
                  音楽  ★★☆☆☆
                  新鮮さ ★★★☆☆
                  話題性 ★★★☆☆




[ロビー田中の自己紹介]

[トップへ]