タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第43話「シズク、再び」

昨年、「金八先生」より前に
「中学生日記」で性同一性障害を取り上げていたんだけど、
今、新学習指導要領のシリーズをやっている。

ドラマ性は「金八」ほどではないけど、
見てるとかなり面白い。
日曜日の朝、龍騎が終わったらすぐNHKに変えると見られるぞ。


『ウエディングプランナー』 1

プロデュース:杉尾敦弘
演出:武内英樹
脚本:福田靖
脚本協力:川嶋澄乃、高橋美幸
原作:鴨居あさね「SWEETデリバリー」(集英社)
音楽:武部聡志、Face2FAKE
主題歌:「君をさがしてた」CHEMISTRY
制作:フジテレビ
出演:ユースケ・サンタマリア、飯島直子、木村佳乃、阿部寛、妻夫木聡、
   伊藤歩、木内晶子、今井陽子、神木隆之介、温水洋一、高橋ひとみ、
   志賀廣太郎、銀粉蝶、石橋けい、西田尚美、内山理名、東根作寿英、
   マイケル富岡、山西惇、他

飯島直子、太った?
みたいな感想はおいといて、
王道タイプの安心して見られるドラマ。

それにしても脇役が豪華だ。
ていうか、どこからが脇役なのかも分からないくらい。
一応、初回のゲストは
川岡大次郎と奥貫香のカップルで
川端竜太と遠山景織子は次回のカップル、
内山理名は妻夫木聡と何かありそうなので
準レギュラーなんだろうと思う。

高橋ひとみの使い方はかなり豪華。
木内晶子もちょっともったいくらいのキャスティングだ。

ストーリーとしては
主要人物が自分たちの愛や結婚に悩みながらも
他人の結婚式をプロデュースしていく中で
自分自身の愛も考えていく、という内容だと思う。

となると、ユースケと飯島直子が最終的には…
ということなのかもしれないけど、
このドラマはそういうストーリーに
気を取られるとたぶん面白くない。

ユースケのコメディーで純粋に笑って、
最後にホロっとくる、王道を楽しんだ方がいいと思う。

それにしても、木村佳乃は
こういうクールな脇役をやると光るな。
「ラブコンプレックス」のシズク再びという感じだ。

神木隆之介がしゃべり始めれば
さらに見どころも増えるこの作品。
まだまだ引き出しがあるので
たとえ初回でのめり込めなくても
すぐに切ったりしない方がいいかも。

             採点  7.5(10点満点平均6)


『眠れぬ夜を抱いて』 第1回:家族が消えた。

チーフプロデュース:黒田徹也
プロデュース:内山聖子、中込卓也、関口静夫
演出:西谷弘
原作・脚本:野沢尚
音楽:溝口肇
主題歌:「Forever to me〜終わりなき悲しみ〜」the brilliant green
制作:テレビ朝日、共同テレビ
出演:財前直見、仲村トオル、大杉漣、古田新太、筧利夫、りょう、
   田辺誠一、秋本奈緒美、渡辺由紀、高知東生、中丸新将、伊藤裕子、
   大平奈津美、池田道枝、片岡涼、常盤祐貴、他

2話までに4人が消える、という番宣だったけど、
最初に消えたのは田辺誠一と渡辺由紀。
あ、子供も消えたけど数には入ってないみたい。

野沢尚のサスペンスなので
最初はやっぱりかなり引き込まれる展開だった。
冒頭に過去の事件がニュース映像で流れるあたり、
「眠れる森」に近い雰囲気もあったし。

ただ、どこか別の世界の話、という違和感はあったな。
あのリゾートホームの街並みが
新しい故郷と呼ぶには寂しすぎたからかもしれないし、
中河(仲村トオル)の河原での演説が
どこか説得力に欠けていたからかもしれない。
これが狙いで、意味があるものならいいんだけど。

とりあえず、
12年前にオーストラリアで殺された女性が
仲村トオルの恋人か何かで、
その事件に関係した田辺誠一と筧利夫に復讐する、
とか予想しておこうかな。

まあ、誰が犯人でもいいんだけど。
ドラマとして面白ければ。

             採点  7.0(10点満点平均6)


『しあわせのシッポ』 第1話

プロデュース:矢口久雄、丹羽多聞アンドリウ、安倍純子
演出:佐々木章光
脚本:水橋文美江
音楽:服部隆之
主題歌:「キヲク」Every Little Thing
制作:TBS、テレパック
出演:水野美紀、長塚京三、坂口憲二、原沙知絵、佐野史郎、新山千春、
   小泉孝太郎、国分佐智子、宮崎あおい、あめくみちこ、鈴木葉月、
   山田優、栗田梨子、神保悟志、宮内乙、松川尚留輝、他

2年半ぶりに復活したTBSの木曜劇場。
カネボウの1社提供になってるよ!

途中のCMに登場したタレントは
松雪泰子、飯島直子、フェイレイ、米倉涼子、
水野真紀、原田美枝子、稲森いずみ、織田裕二、
そして持田香織。

今回はさっそく持田香織(Every Little Thing)が
主題歌を担当したわけだけど、
今後もこういうスポンサーがらみの
キャスティングがありそうだなあ。
(今回主演の水野美紀はクリアホワイトのCMを担当してた)

ていうか、資生堂と契約してる女優とかは出られないしね。
1社提供はかなり影響力あると思うし。
(原沙知絵は以前、資生堂のCMに出てたけど
 2000年10月で契約は終了している模様)

で、肝心の中身なんだけど、
「太陽は沈まない」と同様の
水橋文美江脚本によるセリフの間が多い作品。

最近はテンポの速いドラマが多いから
こういう作品ってむしろ新鮮味を感じるな。

ただ、水野美紀によるナレーションは少し多すぎた。
とくにタイトルテロップが出るまでの序盤が
やたら長く感じてしまったし。
まあ、このあたりは2回目以降に解消されると思うけど。

映像は全体的に美しくて、
演出としても美桜(水野美紀)と八郎(長塚京三)が
20年ぶりに会ったマンションでのシーンはかなり良かった。

水野美紀は前クールの「初体験」に続く連投だけど、
ちゃんと役作りができてる。立派だ。

美桜と八郎の父娘関係はもちろん、
幼なじみの美桜と陸(坂口憲二)の関係も今後どう描くか。
個人的には宮崎あおいがどう絡んでくるかも楽しみだ。

これはビデオにでも撮って
時間のある時にゆったりと見るといいかも。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『ビッグマネー!
 〜浮き世の沙汰は株しだい〜』 STOCK1

プロデュース:和田行、土屋健
演出:西浦正記
脚本:秦建日子、林宏司
原作:石川衣良「波のうえの魔術師」(文藝春秋社)
音楽:Knife Produced by Sin
主題歌:「ever since」SAYAKA
制作:フジテレビ
出演:長瀬智也、植木等、原田泰造、岡本綾、長谷川京子、小日向文世、
   金子さやか、八千草薫、近藤芳正、松重豊、相島一之、有坂来瞳、
   曲山えり、細野佑美子、卜字たかお、神山繁、他

番組の最後に株の早わかりコーナーをつける、
みたいな情報が流れてたのに、結局、何もなかった。

やめたのかな。
まあ、お仕事系ドラマの宿命で
実際にはありえないような事もドラマではやってしまうから
これで株をマジメに勉強しようなんて思わない方がよさそう。

で、ドラマとして割り切って見た場合、
人物設定は面白いんだけど、
エリートディーラーの山崎(原田泰造)、
営業成績が優秀な遙(長谷川京子)あたりが、
とてもそんな風には見えなかった。

原田泰造も「水曜日の情事」の時は頑張ったんだけどなあ。
今回のエリート役はちょっとキツイかも。

あと、岡本綾もね。
まだ「オードリー」が抜けない感じで、
今風の若い子、という気がしなかった。
でも、白戸(長瀬智也)の父親が死んだ時の演技なんかを見ると、
やっぱりうまいんだよなあ。
若さだな、この子に足りないのは(笑)

前半の長瀬智也は
いつもと同じ感じで新鮮味がなかったんだけど、
父親が死んだあと、
海岸で小塚(植木等)と話すシーンが良かった。
もう少し様子見ってとこかな。

小日向文世は相変わらずいいキャラ。
どんな役でも自分のものにするところはさすがだ。

少なくともエンターテイメント性はあるドラマだと思うので
次回以降の小塚・白戸VS山崎の対決に期待しよう。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『夢のカリフォルニア』 1

プロデュース:瀬戸口克陽
演出:土井裕泰
脚本:岡田惠和
主題歌:「街」堂本剛
イメージテーマ:「夢のカリフォルニア」ママス&パパス
制作:TBS、TBSエンターテイメント
出演:堂本剛、国仲涼子、柴咲コウ、岸部一徳、余貴美子、田辺誠一、
   野村宏伸、宮藤官九郎、海東健、北村弘美、未来貴子、安居剣一郎、
   森山米次、松村利史、鈴木ヒロミツ、他

田辺誠一、「眠れぬ夜を抱いて」で消えたと思ったら
ここで運送屋になってたよ。
財前直見に教えてあげなきゃ(笑)

…みたいな冗談でも言わないと浮上できないくらい、
暗く重たい、閉塞感のあるドラマ。
でも、普遍的なテーマだね。

「想い出づくり」とか
「ふぞろいの林檎たち」とか
いつの時代でもこういうドラマは作られてきた。

やっぱり何の希望もありません。
主役3人も最終回に自殺。
みたいな展開には絶対にならないので(当たり前!)
3人がどういう風に出口を見つけていくか、
たとえ身につまされても最後まで見届けてみましょう。

ところで、
堂本剛が演じる山崎終の役はかなり難しいな。
存在感が薄いという設定なのに主役なんだから。
そのためどうしても
目立たない、つまらないという説明的なセリフが多かった。

でもこれで堂本剛の演技力を批判するのは可哀想だ。
誰がやっても難しいよ、この役は。

かつてはクラスのアイドルだったという
麻生恵子を演じた国仲涼子は無難だった。
本当はもう少し背が高い人の方が
しっくり来たような気がするけど、
影のある笑顔は十分にその雰囲気を出していたと思う。

でも、一番光っていたのは柴咲コウだろう。
もともとキレイな顔立ちだけど
今はモデルでありながら
中学時代はイジメられていたという大場琴美の
内面的な暗さをうまく表現していたと思う。

以前はブスだったという設定も
20歳が25歳になって見間違うくらいキレイになった、
というのならムリがあるかもしれないけど、
中学生が20歳を過ぎて…ならあり得ると思うし。

あとは終(堂本剛)の家族、
余貴美子、岸部一徳、宮藤官九郎が、
ドラマにどういうアクセントをつけてくれるか楽しみだ。

前期の「木更津キャッアイ」とは
まったく趣の違う金曜ドラマ。
でも“ながら見”ができないという点では同じかもね。

             採点  6.5(10点満点平均6)





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