タイトル■ドラマは何でも教えてくれる
書き手 ■ロビー田中

放映中のTVドラマを“ほぼすべて”見ている、
驚異のドラマ通による、ドラマに関するコラム。

“TVドラマなんかくだらない”と言う人に、
あえて反論するつもりはありません。ただ、
“すべてのTVドラマがくだらないわけでは
ない”とだけ言っておきます。これからも僕は
TVドラマを見続けていくでしょう」(田中)

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第44話「空一、関東では30%越えず」

サントリー「グレフル」「ピングレ」のCMに出てる
深津絵里がやたらいい。
とくに最後、旦那から「だれメル?」と聞かれて
「…ただとも」と答える表情が。
すごい女優になったなあ。

というわけで、その深津絵里も出てる
注目の「空から降る一億の星」を含め、
4本のドラマをレビュー。


『九龍で会いましょう』 first love

プロデュース:佐々木基、指田貴行(アズバーズ)、神山明子(アズバーズ)
演出:六車俊治
脚本:野依美幸
原作:柴門ふみ(小学館刊『ビッグコミックスピリッツ』)
音楽:大島ミチル
主題歌:「Sugar Lady」河村隆一
挿入歌:「maple」工藤静香
制作:テレビ朝日、アズバーズ
出演:石田ゆり子、河村隆一、東幹久、井原剛志、長谷川京子、吉野きみ佳
   周防玲子、古川理科、佐久間由枝、檜山豊、桐谷健太、他

安っいドラマだなー(笑)
10年前の昼ドラみたい。
ストーリーもセリフも何もかも。
まあ、そこを笑って見ればいいのか。

それにしても、どうなの?
出演者の英語の発音とか。
あと、この不況を微塵も感じさせない
旅行代理店勤務OLのバブリーな部屋とか。
みんな笑うとこなの?

それから、旅行代理店の人って
やっぱりウインドウズ系のパソコンを
使ってた方が便利じゃないのかなあ。
石田ゆり子、Macだらけだったぞ。
最近のドラマはデザイン重視で
Macを使わせることが多いけど…。

でも、ハセキョン可愛かったし。
ビクトリア・ピークからの景色はキレイだったし。

直前の「夢カル」が重いドラマだから
深夜はこういうのでもいっか。
開き直って見てみよー。

             採点  4.0(10点満点平均6)


『ヨイショの男』  第1話 日本経済を救う男

プロデュース:東城祐司、伊藤達哉
演出:両沢和幸
脚本:両沢和幸
音楽:鴨宮諒
主題歌:「ヨイショ!'02 〜日本の皆さんホメていきまショー〜」
    MATCHY with O.A.I
制作:MMJ、TBS
出演:稲垣吾郎、市川染五郎、矢田亜希子、畑野浩子、小林稔侍、浅野ゆう子、
   長谷川初範、山寺宏一、伊藤正之、森井未知央、織平真由美、
   須之内美帆子、横山華、小田桐郁、矢花智子、野田大輔、他

案の定、笑えはしなかったけど、
思ったよりはマシだった。
孝太郎(稲垣吾郎)のキャラが
ただラクしてヨイショしてるわけではない
ところが垣間見られたから。

矢田亜希子も今度は普通のOLで、
ひどいフラれ方はしなさそう。
それだけでも幸せなドラマだろう。

それにしてもあけぼの保険を倒産の危機に追いやった
上層部のメンツは豪華だったな。
とくに社長役の久保晶とかね。
「ショムニ」でも社長をやってたけど、
ろくでもない社長をやらせたら日本一だ。

でも、グローバル・ライフに合併吸収されたから
今後はもう出てこないのかも。
ちょっと残念。

ドラマ全体としては
CMの入り方が雑だったのは気になった。
これは演出の問題だと思うけど、
もう少し丁寧に作ってもらいたい。

浅野ゆう子は相変わらず痛いな。
でもまあ、日曜劇場のテイストには合ってるか。
うまく転がっていけば
それなりに面白い作品になる、のか?

             採点  5.5(10点満点平均6)


『空から降る一億の星』 1

企画:石原隆
プロデュース:高井一郎、鈴木吉弘
脚本:北川悦吏子
演出:中江功
主題歌:「スマイル」エルヴィス・コステロ
制作:フジテレビ
出演:明石家さんま、木村拓哉、深津絵里、井川遥、柴咲コウ、森下愛子、
   八嶋智人、大澄賢也、金子貴俊、田山涼成、鹿内孝、福本伸一、
   林泰文、半海一晃、櫻庭博道、菊池均也、泉晶子、宮内順子、
   村田充、せきぐちきみこ、他

話題が先行していたせいか、
初回は多少、拍子抜けした感じ。

井川遥はそつなくこなしていたし、
さんまと深津絵里のコンビも悪くなかった。
ただ、サスペンスの初回としては
インパクトに欠けたんだろうな。

脚本が北川悦吏子なので
浮いたセリフが出てくるたびに
見ている側が冷めるという相変わらずの欠点もある。

“そのドレス、白い羽みたい。
 今にも飛んでっちゃいそう。
 男の人がみたら、きっと捕まえたくなるよ”
みたいなこと、ふつう言うか?

あと、船の上で輪になってダンスを踊るシーンも
どこの国?って感じだったけど、
それを見ていた不良上がりの男が
オレたちも踊りましょうよっていうのもスゴイよな(笑)
どこで覚えたんだ、社交ダンスなんか。

それでもまあ、
殺人事件のあった部屋のビデオが
元の順番で収まっていたことと、
涼(木村拓哉)が直した美羽(井川遥)のブレスレットも
元通りの順番になっていたことが
サスペンスとしての前振り。

美羽はブレスレットを
お兄さんみたいな人にもらった、
と言っていたので、
送り主は完三(明石家さんま)かもしれない。

ブレスレットを介して
完三と涼にはどういう接点があるのか。
なぜ涼は美羽に近づいたのか。
そこにどう殺人事件が絡むのか。
…というあたりが今後の見どころかな。

被害者の女子大生と一緒に写真に写っていた
柴咲コウが次回から本格的に出てくると思うので
それからでしょ、このドラマは。

ちなみに初回の視聴率は
関東が25.7%、関西が31.9%。
やっぱりさんまで視聴率が取れるのは
もう関西だけなんだなあ。

             採点  6.5(10点満点平均6)


『天国への階段』 第二話

演出:鶴橋康夫
脚本:池端俊策

初回、そして『空から降る一億の星』に
頭の10分を喰われたこの第2回と
いずれも視聴率はひと桁。

いくらフジ系の視聴者層との棲み分けを計っても
やっぱり営業的にはキツイということか。

ただ、内容への“のめり込み度”は
このドラマが一番高いかもしれない。
そしてクオリティーもおそらくこれが一番高い。
初回から見ていない人はかなり悔しがっていいかもね。

今回はオープニングから
ツェッペリンの「天国への階段」が流れた。
スタッフ側もほとんどテーマ曲と考えている様子。
これは正解だ。
とくに牧場の映像とのマッチングは最高。

全体的に安心して見ていられる内容だけど、
今回はとくに未央(本上まなみ)の個展で
圭一(佐藤浩市)と亜木子(古手川祐子)が
会うシーンの緊迫感が最高だった。
やっぱりうまいなあ、鶴橋演出。

あと、鶴橋康夫が演出すると、
18歳の頃の亜木子を演じる
宮本真希がエロい、エロい(笑)
完全に大人のドラマになってます。

ベテランの役者があまりにも渋い演技をするので
本上まなみや中村俊介が
多少、弱く見えてしまうのが難点といえば難点。
それでもかなり頑張ってるけどね。

圭一が26年前にも殺人を犯していたこと、
圭一と亜木子には肉体関係があったこと、
などが今回、判明した事実。
やたら先が見たくなる作品だ。

原作をまだ読んでなくて
かえって良かったかも。

             採点  7.0(10点満点平均6)





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